発達栄養学221 野菜は7色を選ぶべきなのか

緑色の野菜のことを青野菜と呼びます。大根の話をすると、青首大根の土から出ている部分の緑色のところを青いと言います。緑色の汁なのに青汁と呼びます。なぜ、緑色を青いと言うのかということですが、日本では古代には色は4色で示していたからだと説明されています。赤は「明かし」が語源で、暖色系の明るい色を表現しています。黒は寒色系の色、白ははっきりとした色、青は淡い色で、日本人の感覚としては明るさで色を示していたということです。
緑は瑞々(みずみず)しいが語源で、4色の中では青に含まれます。橙と黄は赤に、紫は黒に含まれます。基本の5色というと、これに黄色が加わります。七夕の五色の短冊、会津磐梯山の近くの五色沼も赤、黒、白、青、黄です。オリンピックの5色は赤、青、黄、緑、黒と、こちらは白が使われていません。
食べ物の色彩については、基本は5色(赤、黄、緑、白、黒)ですが、野菜の色彩を表すときには7色が基本となっています。5色に追加されるのは橙(オレンジ色)と紫です。野菜に含まれる色素には、活性酸素を消去する抗酸化作用があります。
それぞれ抗酸化成分の種類が異なっていて、以下のように簡単にまとめられています。
赤系 トマトのリコピン、パプリカや唐辛子のカプサイシン
橙系 かぼちゃ、にんじんのプロビタミンA
黄系 レモン、たまねぎのフラボノイド、とうもろこしのルテイン
緑系 ほうれんそう、ブロッコリー、ピーマンのクロロフィル
紫系 なす、赤しそのアントシアニン
黒系 ごぼうやじゃがいものクロロゲン酸、緑茶のカテキン
白系 だいこんやキャベツのイソチオシアネート、ねぎやにんにくの硫化アリル
抗酸化成分は、それぞれ得意とする身体の部位があるので、複数の種類のものを摂るようにします。以前に1日30食品を摂るのが健康づくりの基本とされたことがありますが、野菜の種類が多くても、同じ色素では効果がかぶってしまうため、7色を別の野菜から摂るようにします。7色を1週間で摂るのではなくて、もちろん毎日7色ということです。