ウコンは肝機能を高める健康食品として知られています。ウコンにはアルコールの分解を進める作用があり、アルコールの分解力が弱いために悪酔いしやすく、肝臓を傷めやすい日本人に適した素材として期待されています。
ウコンはカレーの黄色い色の香辛料のターメリックであると説明されますが、ターメリックは秋ウコンのことです。春ウコンの正式名称は姜黄(キョウオウ)で、ウコンが正式名称となっているのは秋ウコンです。このほかに紫ウコンと呼ばれるガジュツがあります。春と秋の名称は、花が咲く季節に由来しています。
ウコンの有効成分のクルクミンは黄色の色素成分で、春ウコンのクルクミンの含有量は0.3%で黄色なのに対して、秋ウコンは3.6%と12倍の含有量でオレンジ色となっています。紫ウコンにはクルクミンはわずかしか含まれていないため、色は薄い紫色となっています。
クルクミンには強い抗酸化作用とともに、アルコールが肝臓で分解されてできるアセトアルデヒドの分解を早める解毒作用を高める作用があります。ウコンの精油成分には胃を保護し、肝臓から分泌される消化液である胆汁酸の量を増やす働きがあります。紫ウコンには精油成分が多く含まれ、精油成分は春ウコンは含有量が少なく、秋ウコンにはわずかしか含まれていません。
秋ウコンの有効性が相次いで発表された1990年代は、ちょうど日本は沖縄ブームであり、沖縄の特産の春ウコンがメディアで多く取り上げられたことから、秋ウコンの有効性が春ウコンの有効性と勘違いされて、春ウコンを肝機能対策として使う人が増えたという経緯があります。