メディカルダイエットは、メディカルの立場でのダイエットのことを指しています。メディカルは“医学の”“医療の”と訳されることからわかるように、医学的な裏付けがあるダイエットを意味しています。また、生活習慣病の予防や改善を目的としたダイエットという意味もあります。
生活習慣病は生活の変化(食事量の増加や栄養バランスの変化、運動量の減少)などから、以前と比べると患者は大きく増えています。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、糖尿病患者は約1000万人、その予備群の高血糖の人は約1000万人と、調査対象の成人人口(約1億人)の5人に1人が糖尿病か、そのままではいずれ糖尿病になる予備群という状態になっています。また、高血圧患者は約4000万人、高血圧予備群は約2200万人と、こちらは1.6人に1人の割合にもなっています。
生活習慣病や予備群になると、その多くは医師から「やせるように」と言われます。太っていて体脂肪が多くなると、生活習慣病のリスクが高まり、また体脂肪を減らすとリスクが低下します。メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)への取り組みを国が始めたときに、肥満状態の脂肪細胞からは生理活性物質のアディポサイトカインが分泌されて、これが血糖値や血圧を上昇させて、動脈硬化を進めるというメカニズムが示されました。
確かに内臓脂肪を減らすことは生活習慣病の予防と改善には重要事項となっていますが、私たちが目指しているメディカルダイエットは、肥満予防だけでもなく、生活習慣病予防だけでもありません。もう一つの大きな目標があって、それは“エネルギー代謝の促進”です。
エネルギー代謝は脂質(脂肪酸)や糖質(ブドウ糖)を材料にして、細胞のミトコンドリアという小器官の中でエネルギーを作り出すことを指しています。小器官といっても、全身の細胞のミトコンドリアの重量は、体重の10分の1ほどにもなります。
それくらいエネルギー代謝は重要だということで、ミトコンドリアでエネルギーを多く作り出すことによって、内臓脂肪が減るというだけでなく、作り出されたエネルギーを使って、身体の状態を整え、心身ともにより健康になっていくことを提案するのが、メディカルダイエットを団体名としている私たちのメインの活動です。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)