Medical Diet7 食事と入浴のタイミングダイエット

食事と入浴のタイミングによって体脂肪コントロールする方法は、スポーツ選手の体重コントロールの指導チームに呼ばれたときに偶然のように生まれたものです。随分以前の話ですが、これから女子のレスリングがオリンピックに採用され、階級が少ないために大幅な体重減、もしくは大幅な体重増をしないといけない選手がいるので、それに対して体調を維持したまま理想の体重を実現する方法の研究でした。
そのときのオファーが、同じ体脂肪率の選手について、同じ食事量、同じ運動量で一方の選手は体重を減らし(体脂肪減)、もう一方の選手は体重を増やす(体脂肪は増やさずに筋肉を増やす)ということで、これまでの食事と運動の指導では通用しないとの思いもあって、複数の門外漢も呼ばれました。その中に、栄養の専門家と運動の専門家の両方の推薦を受けた私もいました。
食事で摂ったエネルギー源(糖質、脂質)の吸収を減らし、脂肪合成されて脂肪細胞に中性脂肪が多く蓄積されないようにするためには、消化・吸収のタイミングで運動をして自律神経の交感神経の働きを盛んにすることが実施されていました。食事前に筋肉運動をして交感神経に切り替える、食後にも筋肉運動をして交感神経の働きを維持するという方法でしたが、食事の直前、直後の筋肉運動は実施する選手も大変だし、胃腸の状態にもよくないということで他の方法が検討されていました。
栄養の専門家も運動の専門家も、それぞれの立場での提案をしていましたが、私は専門外ということで入浴による自律神経のコントロールを提案しました。思いつきではあったのですが、試しにやってみたところ、42℃以上の熱めのお湯での入浴で交感神経の働きを盛んにしたあとの食事で胃液とインスリンの分泌量が減り、中性脂肪の蓄積も減らすことができました。
入浴温度を38〜39℃にすると副交感神経の働きが盛んになり、胃液もインスリンも分泌量が増えて、脂肪合成が進むことがわかり、これによって入浴の温度の切り替えで脂肪の蓄積が調整できることがわかりました。
食後の入浴では、交感神経の働きを調整することはできても消化によくないし、胃腸に負担がかかるということで、42℃以上の熱めの温度のシャワーを短時間浴びるという方法に落ち着いています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)