Medical Diet8 運動と入浴のタイミングダイエット

食事と運動のタイミング、食事と入浴のタイミングでの体脂肪コントロールができるようになったことを受けて、運動と入浴のタイミングも研究することになりました。運動のあとには入浴という当たり前のパターンが実は体脂肪コントロールによくないのではないか、よくないとしても入浴温度で調整できるのではないか、ということで始めた研究ですが、運動直後の入浴は体脂肪のエネルギー化を低下させ、温度もあまり関係がないことがわかりました。
運動をすると体温が上昇して、中性脂肪の分解が進むのですが、その理由は興奮作用があるホルモンのアドレナリンの作用によるものだと考えられていました。ところが、筋肉の中にある脂肪分解酵素のリパーゼは筋肉の温度が高まらないと働きにくく、運動をして脂肪の分解と代謝が進む10〜15分という時間は、実は筋肉が温まるのにかかる時間であることがわかりました。
筋肉が温まればよいのかというと、温まりすぎてもリパーゼの働きは低下します。人間の身体は寒すぎても暑すぎても働きが悪くて、一定の温度帯でよく働くようになるのと同じように、リパーゼにも働きやすい温度帯があるのです。
運動を終えてからも筋肉が温まっている30分ほどは脂肪の分解は徐々に低下しながらも進んでいて、脂肪の代謝も進みます。ところが、運動後に入浴をすると、お湯の熱が筋肉に伝わり、筋肉が温まりすぎることでリパーゼの活性が大きく低下します。このことは低めの温度のお湯でも起こりました。
そこで運動後は30分ほどは身体を休めるようにするか、もしくはシャワーだけにすることを指導しています。シャワーは42℃以上の温度でも筋肉を温めすぎることはありません。熱めのシャワーによってアドレナリンが分泌されて、脂肪の分解が進みやすくなるので、シャワーが運動後の定番となっています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)