閃輝暗点について2回前に触れていますが、そのうちの閃輝によって視野にモザイクが現れて、文字が見えにくくなる、場合によっては書かれている文字が充分に読み取れなくなるといったことが急に起こります。そのために講習や講演の途中で急にペースダウンすることになったり、用意した講習テキストや資料の内容が充分に説明できずに終わることもありました。
そのことを東京のいたときに主治医に話したところ、パワーポイントを使って映し出して概要だけを説明していれば乗り切れるのでは、とのアドバイスを受けました。確かに、画面で会場内に表示しておけば、多少は話すことが乱れても講習や講演そのものはクリアできます。そのようにすることで、乗り切っている講演者は過去に何度も目にしています。
しかし、ちゃんと伝えるべきことは全部話しておかないと講習や講演はお金をもらうだけの価値がないのではないか、と考えています。そのため、講習や講演ではパワーポイントを使うものの、しっかりと見てほしい、読んでほしいという内容は、すべて書き入れた「読めばわかる資料」を作って配布するようにしています。1時間弱の講演なのにA4サイズで30枚というのは普通のことで、50枚を超えたこともあります。
これでは資格認定の講習テキストを作成しているのと同じようなもので、時間的にも金額的にもまったく割には合わないのですが、話を聞いてくれた方が、何度も読み直し、その講習の内容を他の人に話したくなったときにも使えるようにと考えてのことです。講習会・講演会を開催する方にとってはプリントするだけでも大変なので、学会や研究会では主催事務局に拒否をされています。それもあって、だんだんと演者依頼を断るようになり、岡山に移住してからは全部断ってきました。
その代わりに大学生の講習や一般対象の講演では、参加人数も少ないことからプリントをしてもらうか、場合によっては自分でプリントして持ち込むようにしています。そして、講習テキストと同じことをパワーポイントを使って示しても仕方がないので、会場内に映し出すのは話す内容の順番を示した目次のようなものになっています。
閃輝暗点が出るようになってから不便になり、それが出るときは30分も続き、年齢を重ねるほど出る回数が増えてきました。閃輝暗点は脳の後頭葉の血流が低下したときに出ることから、緊張する講習や講演では出やすいということもあるのですが、手間のかかることをしても理解して、役立ててくれる方が増えたので、結果として閃輝暗点になってよかったと考えるようにしています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)