Medical Diet21 運動をしないと体脂肪が減りにくい

太るのは体脂肪が増えるのが最大の理由です。体脂肪は脂肪細胞の中に蓄積されている中性脂肪を指しています。中性脂肪は脂肪酸3個をグリセロールという脂質1個が結びつけた構造をしています。中性脂肪は動物性の食品に含まれている脂肪であり、胃の中でリパーゼという酵素によって分解されて1個ずつの脂肪酸になります。このバラバラになった脂肪酸が小腸から吸収されます。
そのあと、血液中に入った脂肪酸は血流に乗って全身に運ばれていきます。細胞に取り込まれた脂肪酸は、細胞の中にあるミトコンドリアでエネルギー化されます。血液中の脂肪酸が多くなると、肝臓に運ばれて、肝臓の中で再び中性脂肪に合成されます。中性脂肪になったあとは血液中を流れるものと、脂肪細胞に運ばれて蓄積されるものになります。この中性脂肪が体脂肪ということになります。
脂肪細胞の中の中性脂肪が増えるのは、食事による中性脂肪の摂りすぎだけではなくて、運動不足になると脂肪細胞の中の中性脂肪が減らないためにも起こります。脂肪細胞に蓄積されても、身体を動かすためのエネルギーが必要になれば、中性脂肪は分解されて、脂肪酸となって血液中に放出されます。この脂肪酸が細胞のエネルギー源になるわけです。
脂肪は1gあたりのエネルギー量が約9kcalあります。糖質もたんぱく質も約4kcalなので、2倍以上のエネルギー量になっています。少ない容積で大きなエネルギー源を蓄積することができるので、糖質もたんぱく質も摂りすぎた場合には、肝臓で脂肪酸に合成され、その後に中性脂肪となります。だから、何を食べても食べすぎれば太ることになるのです。
中性脂肪は重要なエネルギー源で、簡単には分解されないようになっています。中性脂肪を分解するためには、興奮ホルモンのアドレナリンが必要で、アドレナリンは運動をすることによって多く分泌されるので、運動をしないと体脂肪は減りにくいのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)