若いときに太っていた人は、なかなかダイエットしにくく、リバウンドしやすい状態になっています。若いときには体内の中性脂肪が増えてきたときには脂肪細胞の数を増やして、多くの中性脂肪を蓄積するようになります。内臓脂肪の数が多いということは、それだけ多くの中性脂肪を蓄積できることになります。
中性脂肪は脂肪酸3個と、脂質の一種のグリセロール1個が結合した構造になっています。脂肪細胞の中に多くなりすぎたときには脂肪酸に分解して、血液中に放出するようになります。血液中に入った脂肪酸は血液中を巡って、全身の細胞まで運ばれると、取り込まれてエネルギー化します。特にエネルギー化されるのは筋肉細胞です。
これとは逆に、脂肪細胞の中の中性脂肪が減ってくると、できるだけ分解されないようにします。脂肪細胞に蓄積された中性脂肪は、運動をして興奮作用があるホルモンのアドレナリンが分泌されると、その刺激によって脂肪酸に分解されます。同じ量のアドレナリンが分泌されれば、同じ量の脂肪分解が起こるわけではなくて、脂肪細胞の中の中性脂肪が減ってくると分解が起こりにくくなります。
これは中性脂肪が大切なエネルギー源であって、あまり減らさないようにすることから起こっていることですが、脂肪細胞の数が多くなっていると、それだけ多くの分解されないようにする中性脂肪が増えることになり、全体として蓄積される中性脂肪が増えるので、運動をした割には、食事を減らした割にはやせにくいということになります。
もちろん脂肪細胞が増えすぎないように、若いときから太らないようにすることがよいわけですが、太っていて脂肪細胞の数が増えている場合には、太りやすく、やせにくい状態であることを理解して、効果的なダイエット法をみつけて実践するのが重要であるということを知っておいてほしいのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)