四字熟語でコロナ後を考える5「二足山門」

新型コロナウイルス感染症が拡大するたびに外出の自粛が呼びかけられて、そのために歩行機会が減り、それにつれて歩行数が減って、これが健康度にも影響を与えるようになりました。歩くということは筋力(筋収縮力、筋持久力)だけでなく、筋代謝力も強めることができます。
強い筋肉、長持ちする筋肉というのは筋肉の力そのものですが、それに対して筋代謝力は筋肉が糖質や脂質をエネルギー化させる能力のことで、その能力が高ければ多くのエネルギーを作り出すことができます。血液中で余分となったブドウ糖や脂肪酸は生活習慣病の糖尿病、脂質異常症の原因となるので、これを筋肉細胞に取り込んでエネルギーにすることができるということは健康づくりの基本ともなります。
筋代謝力を高めるためには、ブドウ糖と脂肪酸をエネルギー化させることが必要で、とにかく長めに歩くことです。となれば、どこを歩いてもよいだろうということで、ウォーキング大会のように観光地を巡る必要はないことになります。しかし、目的地があるのと、ないのとではモチベーションが違っていて、例えば目的地がお寺で、その山門をくぐったらゴールで、少し休んだら、今度は山門を折り返し地点にして、スタートまで戻る、もしくは交通の便がよいところまで歩くというコースがすすめられます。
“二足”で“山門”を目指すということを「二足山門」という四文字で示していますが、これは「二束三文」という四字熟語をもじったものです。「二束三文」は、数が多くても価値がないことを指していて、「ただ長く歩くだけでは意味がない」と言って、歩き方に工夫をするときにも、よく使われています。その歩き方の工夫として、より筋代謝力を高める方法を採用しています。それは歩いている途中で早歩きや坂道、階段をのぼるという負荷を変化させる方法で、それこそ山門を目指すコース、山門が近づいたら勢いよく歩くようにするといったことで得られる効果です。