脳の健康寿命46 活性酸素を消去する抗酸化成分

細胞を破壊する活性酸素の消去は、脳神経細胞を守るためにも、毛細血管を守るためにも重要なこととなります。
活性酸素はマイナス電子を奪いやすいところから順番に奪っていく性質があります。人間の細胞よりも電子を奪いやすいものが近くにあれば、そこから先に奪っていきます。いわゆる酸化しやすい成分ということですが、それに当たるのは抗酸化成分と呼ばれる植物の色素です。
植物は紫外線を浴びることで光合成を進めて、必要なたんぱく質を作っています。しかし、紫外線には活性酸素を発生させる作用があり、活性酸素が多く発生すると細胞が破壊されます。それを防ぐために、植物は内部に活性酸素を消去する抗酸化成分として色素を溜め込んでいいます。そのため、日差しが強くて、紫外線が強い地域で育った植物は色素が多くなり、色も濃くなっています。
この色素を私たちが利用して、抗酸化力を高めようとしているわけです。抗酸化成分として知られる赤ワインポリフェノールもココアポリフェノールも、サプリメントに使われている抗酸化成分も、どれも濃い色素です。
抗酸化成分というと、活性酸素を消去する力ばかりが注目されがちですが、酸化しやすいということを忘れてはいけません。体内で酸化する分には問題はないのですが、口の中に入れる前に酸化すると、まるで活性酸素を取り込んでいるのと同じことになります。乾燥した状態では酸化しにくいものの、水分を含むと酸化が始まります。その一番の例が緑茶で、茶葉にはカテキンという強い抗酸化成分が含まれています。お湯を注いだら酸化が始まり、30分もしたら完全に酸化しているので、あまり時間をあけずに飲みきるようにしたいものです。