発達障害サポーター19 発達障害とパーソナリティ障害の違い

脳の機能の偏りは発達障害だけの特徴ではなくて、パーソナリティ障害でも認知や感情のコントロール、対人関係などの機能の偏りによって周囲の人と違う反応や行動をすることがあります。そのために本人が苦しさを感じると同時に、周囲を困らせることにもなり、対人関係や社会生活に支障をきたす精神疾患とされています。この場合の認知というのは、認知症でいう理解や判断能力のことではなくて、ものの捉え方や考え方を指しています。
パーソナリティ障害は生まれつきの要因に加えて、親との死別、虐待といった養育環境や発達段階でのつらい体験が関係していると考えられています。周囲と違った考えや行動が、意地悪な気持ちや性格の悪さと感じられることがあるものの、そのような感情的な問題ではなくて、脳の機能が影響して起こっています。
統合失調症や気分障害(うつ病、双極性障害)といった他の精神疾患と症状が似ていることから判断しにくくなっていますが、他の疾患と比べると症状が慢性的に長く続くという特徴があります。長い期間を経ても変化しにくいということでは発達障害と間違われることもありますが、パーソナリティ障害は同じ障害という用語が使われていても、こちらは疾患に分類されています。
発達障害とは異なるものですが、発達障害が社会との関わり、周囲の理解によって状態が変化するのと同じように、パーソナリティ障害も社会との関係性で起こります。そのために周囲の対応によって症状が重くなることがある一方で、軽くなり、目立たなくなるという特徴もあります。
発達障害によって子どものときに周囲からの疎外感を感じたり、いじめを受けたことが要因となることもあります。そのことによって悲観的になったり、他者を恨むことがあり、これが発達障害の二次障害として起こることもあります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)