65歳以降は3倍楽しめる

長寿社会を背景にして定年は高年齢者雇用安定法によって65歳に引き上げられ、2025年からは義務化されます。65歳から70歳までの就業機会を確保するために、70歳までの定年引き上げ、70歳までの継続雇用制度などの措置を講じる努力義務も新設されています。さらに、定年制を廃止して働ける間は働く機会を設けるところまで高年齢者雇用安定法では想定されていて、就業規則の変更も求められるところまできています。
65歳以降は働く目的が、それ以前とは違って、生活のためではなくて、楽しみとしての働きという時代が、そこまで来ています。そんな時代に考えに入れて置きたいのが、65歳以降の時間の使い方と意義です。
誕生してから小学校に入る前の未就学の時期は、社会に対しての働きは今の時代では期待はされていません。6歳からの20年間は学ぶ時間とともに社会と会社のために働き、その後の40年間は家族のために働く時間が増えて、その合間を縫って自分のしたいことをして65歳を迎えるというのが一般的な流れでした。自分のための時間を頑張って3分の1にしたとすると、20年間分に相当します。
男性の平均寿命は81歳を超えましたが、65歳から74歳までは今は前期高齢者とされているものの、日本老年学会と日本老年医学会は高齢者の健康度が高まってきたことから、75歳以上を高齢者、65〜74歳は準高齢者とするように提言しています。65歳からの10年間は社会に支えられる側ではなくて、逆に支える側になってほしいということですが、この10年間は家族のため、会社のためではなく、自分のために時間を使うことができます。
3倍の時間を使うことができるということで、10年間では30年分の時間となります。しっかりと蓄積をしてきた高齢者では、それを社会に還元することを考えると経験と実績、知識がある分だけ2倍以上の結果を出すことも可能です。つまり、10年で60年分の働きができるようになる、と考えることができるのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)