お酒を飲んで、料理も多く食べて、場合によってはシメとして糖質も食べているのに、家に帰る途中にラーメン屋があると、思わず食べたくなってしまうことがあります。そして、充分に飲酒とともに食べてきているので、なぜかラーメンも食べられるという、ダイエットをしている人、ダイエットを希望している人には困ったことになってしまいます。
このようなことが起こるのは、肝臓の働きが関係しています。肝臓というとアルコールの分解や解毒作用が知られていますが、糖質を蓄積したり、糖質を血液中に放出するという血糖値の調整作用も行っています。お酒を飲むと肝臓はアルコールの分解と、アルコールから変化したアセトアルデヒドの分解にフル回転します。アセトアルデヒドは悪酔いや二日酔いの原因物質で、できるだけ早く分解することが重要になります。
肝臓がアルコールとアセトアルデヒドの分解を最優先させるために、糖質の調整がうまくいかなくなり、一時的に血糖値(血液中のブドウ糖の量)が下がることになります。満腹・空腹の感覚は脳の視床下部にある中枢が行っています。血糖値が上昇したときには満腹中枢が働いて食欲を抑え、血糖値が降下したときには摂食中枢が働いて食欲が高まります。
飲酒量によって摂食中枢が働くまでの時間が違っていて、日本酒換算で3合以上を飲むと30分ほどで血糖値が降下して、ちょうど帰りがけにラーメン屋があると食べたくなってしまい、実際に血糖値が下がっているので食べられてしまうのです。
なぜ他の麺類ではなくてラーメンなのかということで、スープに含まれるミネラルの補給を理由としてあげる人もいるのですが、そば屋は朝が早い仕事なので夕方には店が閉まり、多く飲んで帰るときにはやっていないだけです。今はコンビニがあるので、麺類だけでなく甘いものなど血糖値を上昇させるものは簡単に手に入ります。それだけ太りやすい環境だということが言えます。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)