お互いの意見などが一致することは、「意気投合」という四字熟語で表されます。コロナ禍で厳しい状況を経験して、これから新たなことに挑戦しようというときには、お互いの利益を優先させて勝手に動くのではなくて、考えを一致させて進むことが大切だと認識しています。
ところが、みんなの心を一つにして、とは言いながらも、他の人のことなど構っていられないという人が多くなってしまったのは、それだけ厳しさが極まっている証拠だと思われます。“国民ファースト”“都民ファースト”と言いながらも、選挙の主導権を巡って、“自分たちファースト”になったという結果をみると、なかなか既存の権利や有意さを手放すのは難しいことだというのがわかります。
意見を一致させて、一緒に進んでいくためには、手に入れたものは手放さないという態度ではなくて、いらないものを捨てることも考えるべきです。この“いらないものを捨てること”は「遺棄」という用語を当てはめ、次に“複数のものを合わせて新たなものを作り出すこと”は「統合」という用語を当てはめて、「遺棄統合」というもじりの四字熟語を打ち出してみました。
捨てるというのは、何もすべてを手放すということではなくて、新たな行動を起こすときに障壁になっていることだけを切り離します。それによって、動きが軽くなり、得意分野を活かしやすくなります。余計なこだわりがあるからブレーキがかかったり、一緒に行動する人の足を引っ張ったりということも起こります。自分のこわだりは弱めてでも一緒に行動する人が動きやすいようにすることが、コロナ禍で動きが止まった後に積極的に行動するためには必要なことであると考えているのです。