私たちの子どもの頃(今から60年ほど前)には、新聞少年と牛乳少年がいて、早起きをして家族のために働く同級生のことをあげて、親から朝寝坊をしていることを叱られた記憶がある人も多いかと思います。「新聞少年」は歌手の山田太郎のヒット曲で、これはよく知られています。もう一つはあまり知られてはいないのですが、二匹目のドジョウを狙って山田太郎は「牛乳少年」も歌っています。山田太郎のベストアルバムには「新聞少年」と「牛乳少年」が収められています。
記憶にないという人が多いのはヒットはしなかったということですが、同級生が朝早くに配達したビン入りの牛乳を毎朝飲んでいました(といっても1本全部ではなくて家族で分け合っていたのですが)。家の玄関口には牛乳箱があり、ここに書かれていた森永乳業、明治乳業というメーカー名が記憶に残っている人も多いかと思います。
新聞配達は朝刊を朝早くに配ることから早朝の新聞配達は今でも続いています。それに対して牛乳配達は、スーパーやコンビニでいつでも買える時代には必要のないものとなりましたが、牛乳配達のおかげで日本に定着したのは朝食に牛乳を飲むという文化です。学校給食が始まってからは子どもは朝昼で飲むことになるからというので、朝は子どもは牛乳なし、少しの量しか飲ませてもらえないということもありました。
朝早くの牛乳配達は、何も朝食で牛乳を飲んでもらおうとして始まったことではなくて、冷蔵庫の普及が関係していました。牛乳屋には冷蔵庫があって、ここまでは冷蔵して運ぶことができたものの、家庭の冷蔵庫の普及率は低くて、寒い時間に配達されたら、それをすぐに飲むという習慣が広まりました。
今では朝の乳製品は腸内細菌を増やすためにも、就寝中に不足するタンパク質を補うためにも必要だということがわかってきていますが、欧米では牛乳はいつ飲んでもよいということを知ってから、調べてわかったことでもあります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)