1日に、どれくらいのエネルギー量の食事をすればよいかは、消費エネルギー量から計算されます。その計算式に使われる身体活動レベルの数値は、以前に比べると低くなっています。これは厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)に示されていて、低下は国民的に活動量が減っていることと関係しています。
1日に必要な消費エネルギー量は、身長とBMIから標準体重を計算することから始まります。その計算は「身長(m)×身長(m)×BMI22」で、ここで求められたものが標準体重(kg)となります。
次に、標準体重に基礎代謝基準値をかけて基礎代謝量を計算します。「標準体重(kg)× 基礎代謝基準値=基礎代謝量(kcal)」で、基礎代謝基準値(1日体重1kg当たりの基礎代謝量の目安)は性別と年齢によって異なっています。
基礎代謝基準値〔男性〕12~14歳:31.0、15~17歳:27.0、18~29歳:24.0、30~49歳:22.3、50歳以上:21.5
基礎代謝基準値〔女性〕12~14歳:29.6、15~17歳:25.3、18~29歳:22.1、30~49歳:21.7、50歳以上:20.7
基礎代謝基準値を見ると、男性のほうが女性よりも代謝がよくて、年齢を重ねるにつれて低下していくことがわかります。
その次に、基礎代謝量に身体活動レベル指数をかけて1日の摂取エネルギー量を計算します。「基礎代謝量(kcal)×身体活動レベル=1日の摂取エネルギー量(kcal)」
身体活動レベルは、活動量によって異なる消費エネルギー量を基礎代謝量の倍数と示したもので、レベルⅠが1.50、レベルⅡが1.75、レベルⅢが2.00とされています。以前は少ない、普通、多いの3段階で、1日の労働量で区別されていました。通常の事務仕事や家事仕事が普通(レベルⅡ)となっています。
今から10年ほど前には、少ないの下があって、今のレベルⅡが少ないでした。つまり、1段階低く設定されているわけで、それだけ日本人の活動量が減っていることを示しています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)