サプリ概論124 “飲む”と“摂る”の違い

サプリメントは商品パッケージや広告などでは、摂取法として「1日○粒を目安に」といった表現がされています。摂取する側からしたら、具体的に何個を飲むとよいのかを説明しておいてほしいところでしょうが、これを表示することは法律で規制されています。
その法律は「医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」で、法律に基づく「無承認無許可医薬品監視指導マニュアル」によって、表示することが禁止されている用語が明らかにされています。その一つが「錠」で、これは医薬品だけに使えるものです。だから、「粒」といった用語が使われていて、粒状だけでなくカプセル錠でも、なぜか「粒」が使われています。1日に○粒というのも確定的な表現ではなくて、目安量となっています。
この規制は、医薬品と勘違いされることがないようにするためのことで、他に厳しくチェックされているのは「飲む」という表現です。飲むというのはサプリメントを摂取する当たり前のシーンではあるものの、飲むというのも医薬品に許可されている表現です。サプリメント製品のパッケージや広告などに「飲む」ということを書くことができないために、「摂る」という用語が使われています。摂取法として「水やお湯などでお召し上がりください」と書かれていることもあります。
「飲む」と書いただけで取り締まりの対象となるのではなくて、取り締まり当局から注意があり、それに従わないと初めて処罰の対象となるというのが一般的です。それだから、「飲む」や「錠」を使っても平気だということではなくて、そのような抜けた表現をしているのは法律の規制をよく知らない会社や販売者だと判断されて、他の広告表現、雑誌やサイトの記事などが細かくチェックされることがあります。
そのために違反が発見されて、厳しく扱われるということも実際に起こっています。販売する側としては注意しなければならないことであり、購入する側としては安心できる会社なのかと疑ってみる必要があるということにもなります。