サプリ概論125 同じ粉末でも中身が異なるものがある

健康食品は錠剤にしてもカプセルにしても使われている素材は粉末にされています。粉末にするときには主には乾燥をさせていますが、素材の種類によっては乾燥の方法によって、せっかくの有効性が失われることにもなります。その代表的なものは酵素です。
酵素には、消化酵素と代謝酵素があり、健康食品や健康飲料に多い酵素は消化酵素となっています。消化酵素は野菜や果物などに含まれる成分で、その名のとおり胃から分泌される消化酵素と同様の働きをします。消化酵素は60℃ほどの温度になっても、その働きは大きく低下しないので、熱風で乾燥をさせています。
これに対して、動物性の酵素は熱風乾燥をすると酵素の特性が失われることになります。動物性の酵素は細胞の中に含まれていますが、乾燥のための温度は42℃以下とされています。これは42℃を超えると細胞が破壊されて変質してしまうからです。
私たちが使う体温計も最高温度は42℃となっています。これを超えると細胞が破壊されて死んでしまうからですが、それと同じようなことが起こるという理解をしておけばよいということです。
動物性の酵素で有名なのは、赤ミミズの酵素です。赤ミミズにはルンブルキナーゼという血栓を溶かす酵素が含まれています。血栓は酸化したコレステロールが固まったもので、これが細い血管に詰まると血流が大きく低下して動脈硬化の原因となります。血栓を溶かすことによって動脈硬化を予防することを目的に摂取されます。
赤ミミズが材料で粉末となっていると、どんなものでも同じように見えてしまいますが、乾燥温度が高いのか低いのかによって内容が異なります。ルンブルキナーゼが破壊されずに残っているのは低温乾燥の場合なので、乾燥法と乾燥温度については確認してから購入することが大切です。