学習支援45 自律神経のリズムは体温で確認

発達障害がある子どもは自律神経の調整が乱れやすく、学校に通っている時間帯は交感神経が盛んに働いている時間帯なのに副交感神経になって、心身ともに活動が抑えられているという状態も多く見受けられます。
通常では、夕方から朝までは副交感神経の働きが盛んで、目覚めたときから交感神経がメインに切り替わっていくものですが、朝になっても副交感神経の働きが盛んになったままということもあります。そのために通学の準備にも力が入らず、学校に行きたがらなくなる、学校に行ったとしても脳が半分ほど眠っているような状態で、勉強に身が入らない、はかどらないということにもなりかねません。
自律神経の調整は発達障害児に限らず、成長過程の子どもにも多く見られることです。乱れとまではいかなくても、交感神経の波と副交感神経の波の切り替えのタイミングがズレているために、学習や仕事に支障をきたしている人も少なくありません。
これを改善するためには、まずは交感神経の波と副交感神経の波が正常なのか、少しであってもズレているのか、もしくは完全に逆転するほど乱れているのか、ということを確認することが必要になります。その確認の方法として活用されているのが体温の変化です。
体温の測定は熱があるときにしかしないということも多いのですが、体温は一定ではなく、測る時間によって1日のうちに1℃ほどは違っています。交感神経の働きが盛んなときには体温は上昇して、副交感神経の働きが盛んなときには降下するというのが通常の形です。
体温を起床時、昼頃、15時頃、夕方、就寝前と時間を変えながら1週間ほど測定していくと、自分の体温の変化がわかります。その変化から自律神経の波がわかるようになります。波が前にズレている場合でも後ろにズレている場合でも、これをリセットする方法は同じです。朝、目覚めたらカーテンを開けて朝日を浴びることと、しっかりと朝食を食べることです。これを続けることで生活リズムが整えられていくのと同時に、自律神経の乱れも改善されていくようになります。