就寝前と起床直後に体重を測定してみると1kgほどの差があります。起床直後には減っているということですが、その理由として以前は寝ている間にも脂肪が燃焼(実際には代謝)しているからだと説明されていました。1日の3分の1の時間も寝ていればエネルギーも消費されます。1日の消費エネルギー量のうち生命維持に使われる基礎代謝は70%ほどとなっています。だから、体重が下がるのは当たり前という説明でした。
余分な脂肪が減るだけならよいとしても、体内から減っているのがタンパク質だとなると、これは問題です。タンパク質は身体の構成成分で、エネルギー代謝を起こしているのも筋肉などで、タンパク質が多いほどエネルギー代謝は高まります。エネルギー代謝というと脂肪を使っているだけとイメージされることがあるものの、作り出されたエネルギーが体熱となり、身体活動にも神経伝達にも使われています。筋肉をはじめとした身体のタンパク質の減少は、作り出されるエネルギーの量にも関わってくるのです。
寝ている間には血液中の糖質(ブドウ糖)が不足するために、タンパク質を構成するアミノ酸がエネルギー代謝に使われます。そのアミノ酸を補わないと筋肉だけでなく、全身の臓器や器官のタンパク質も減らすことになります。これを補うために、朝食ではたんぱく質が豊富に含まれたものを摂る必要があります。(たんぱく質は食品に含まれているもの、タンパク質は身体の中にあるものと使い分けています)
牛乳は朝食のときに飲むものというイメージがありますが、これはたんぱく質の補充という意味では理にかなっています。洋食のメニューではハムやベーコンに卵とチーズ、和食では焼き魚に納豆か豆腐、味噌汁というのは、たんぱく源の補充には適しています。朝食のメニューを、たんぱく質の補充という意味合いで考え直すことも必要です。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)