Medical Diet61 体験談は虚偽誇大広告なのか

健康食品の広告で、よく見かける体験談は、商品の購入を検討している人には参考意見となるものですが、それは法的に正しいことなのかというと、その判断は内容に関係しています。実際に商品を摂取した人の体験談を広告などに使うことは、直ちに虚偽誇大表示に当たるものではありません。しかし、体験談の使用が不適切であると、消費者に誤認される表示となり、虚偽誇大表示となる可能性があります。
その不適切な例として、消費者庁の「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」に記載されています。
・実際には、体験者が存在しないにも関わらず、体験者の存在を捏造したり、体験者のコメントを捏造する場合。
・実際には、食事療法や薬物療法を併用しているにも関わらず、その旨を明瞭に表示せずに、健康食品を摂取するだけで効果が得られたかのような体験談を表示する場合。
・一部の都合のよい体験談のみや体験者の都合のよいコメントのみを引用するなどして、誰でも容易に同様の効果が期待できるかのような表示がされている場合。
・メリットとなる情報を断定的に表示しているにも関わらず、デメリットとなる情報(効果が現れない者が実際にいること、一定の条件下でなければ効果がえられにくいこと等)が示されていない、または消費者が認識しがたい方法で表示されている場合。
体験談の内容が正しくても体験結果やグラフの使用法が不適切なこともあります。
・実際には、試験対象者がBMIの数値が25以上の者に限定されているにも関わらず、当該試験条件を明確に表示しないことにより、標準的な体型の者にも同様の効果があるかのように表示するなど、試験条件(対象者、人数、摂取方法等)を適切に表示しない場合。
・試験結果を示すグラフを極端にトリミング(スケール調整等)することにより、実際の試験結果よりも過大な効果があるかのように表示すること。
・実際には、複数の試験結果があるにも関わらず、有意差の大きい試験結果のみを広告等において使用することにより、すべての試験結果において有意差のある結果が得られたかのように表示すること。
「個人の感想です」、「効果を保証するものではありません」と表示してあっても、実際に効果がなかった場合には虚偽誇大表示と判断されます。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)