病気であれば、それを改善するための治療とともに食事療法が必要になります。糖尿病を例にすると厚生労働省の国民健康・栄養調査の結果では、日本の成人の10%が糖尿病、10%が糖尿病予備群とされています。成人の5人に1人が糖尿病か予備群という状態ですが、予備群は食事療法だけでも改善が可能です。糖尿病まで進行しても、医薬品(血糖降下剤)は食事療法をしていることを前提に使われます。食事療法で食べすぎを抑え、血糖(ブドウ糖)を血液中から減らすために必要な栄養素を摂ることが重要となります。
障害は病気であるのかということについては議論もあるところですが、一般的に病気というと内臓疾患と考える場合には、障害は病気ではないのかもしれません。発達障害は医学的には障害とされていますが、これ改善するには食事療法と同様の支援が必要となります。
発達障害では脳の機能が関係していることから、脳のために必要なエネルギー源は不足するようなことがあってはいけません。身体のエネルギー源は糖質(ブドウ糖)、脂質(脂肪酸)、たんぱく質(アミノ酸)ですが、脳細胞にエネルギー源を取り込むゲート(脳血液関門)を脂肪酸とアミノ酸は通過することができません。そのため、ブドウ糖が脳の唯一のエネルギー源となっています。
発達障害では心身の負荷が大きいことから、脳の働きを高めるためにはブドウ糖は重要ですが、さらにブドウ糖をエネルギー化させるために必要となる水溶性ビタミンを複合的に摂る必要があります。
脳は全身のコントロールをしていますが、コントロールを受けて全身の細胞が正常に機能するためにはブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸は欠かせません。発現理由が明らかにされていない発達障害では、細胞レベルからの機能回復が重要であるとの考え方からすると、すべての栄養素(糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル)が必要になります。
ところが、発達障害では感覚過敏のために食べられないものがある例が目立っていて、なかなかバランスのよい栄養摂取が難しくなっています。だから、サプリメントを摂ればよいというのは極論であって、バランスの取れた食品としての栄養食(カロリーメイトなど)や粉ミルク(乳児用)のように食品の形で摂ることから始めるべきだと考えています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

