学習支援52 学習障害児の勉強の場

「学習障害児」と「勉強の場」というキーワードを組み合わせると、学習障害児を対象とした学習塾や放課後等デイサービスを思い浮かべる人が多いかと思います。その意味も含んでいるのですが、今回の話のテーマは別の意味合いです。教わるほうが発達障害の学習障害がある子どもというのは変わらないのですが、“教えながら学ぶ”ということで、学習障害児について勉強する場としての学習塾を指しています。
発達障害は子どもの10人に1人が該当していて、そのうち学習障害は半分ほどとされています。全体の半分が学習障害ということではなくて、学習することに困難さを抱えているのは、自閉症スペクトラム障害でも注意欠陥・多動性障害でもあることで、そういったことも含めて学習障害は半分ほど、20人に1人だと考えられています。
クラスに1人くらいは学習障害児がいることになるわけですが、大学で教員になるための勉強をしている学生は、就職をして教師になると必ずといっていいほど学習障害児を目の当たりにします。教師になってから、学習障害児への対応に追われるのではなく、学生のうちから実態を知り、どのように対応するのがよいのか、それを教えながら学ぶことが重要と認識しています。
大学生がアルバイトとして学習塾で教えるのは、学んでいることを活かす場としては有効ですが、一歩進んで、学習障害児の学習の支援を実際に体験して、そこで学んだことを大学で学ぶときにも活かすことも有効な学習の場となります。
通常のアルバイトではなくて、教えながら学べるということで時給は少なくなることもあるかもしれません。場合によっては、実践で学べる場として、講習料を払ってもらうとまでは言いませんが、交通費くらいの支払いで、学ぶことのほうが重要という学習塾があってもよいはずです。
これが大学の授業の一環になれば、もっとよい結果が期待できます。もちろん、学べるだけの学習塾の内容であり、塾の主催者から学ぶことが多いということは当然の条件となります。