サプリ概論143 エネルギー代謝に必要な水溶性ビタミン

全身の細胞のミトコンドリアに取り込まれたブドウ糖と脂肪酸は、ともにアセチルCoAに変化してTCA回路と呼ばれる代謝経路に取り込まれます。
ブドウ糖がアセチルCoAに変化するときにはビタミンB₁、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸が必要になります。これらの一つでよいということではなくて、すべてが必要になります。脂肪酸がアセチルCoAに変化するときにはビタミンB₂、ナイアシン、パントテン酸が必要になります。
アセチルCoAがTCA回路でクエン酸に変化するときにもビタミンB₁、ビタミンB₁₂、ナイアシン、葉酸が必要になります。アミノ酸は身体を構成する重要な栄養素ですが、ブドウ糖と脂肪酸が不足したときにはアミノ酸もアセチルCoAに変化します、このときに使われるのはビタミンB₆です。
TCA回路ではクエン酸から他の酸に変化していって、9段階を経て一周してくるとエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が発生します。このTCA回路のサイクルではビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂が使われます。
このように複数の水溶性ビタミンが必要であり、これらの一つでも不足していると、エネルギー代謝が低下することになってしまうのです。
健康の維持・増進のために、機能性が認められた健康食品を用いても、エネルギーが充分に作り出されなければ、全身の細胞が正常な状態で働くことができなくなります。細胞の中で発生したエネルギーは、その細胞の中でしか使われないので、健康のためには、すべての細胞で充分なエネルギーを発生させることができるように、水溶性ビタミンを不足させることはできないということです。