発達障害の遺伝については注意欠陥・多動性障害では50〜80%、平均すると70%の発現率とされていると前回紹介しましたが、注意欠陥・多動性障害に関する特徴的な遺伝子は確認されていません。それなのに親から子どもに70%も遺伝すると考えられているのかというと、ドーパミン関連受容体とトランスポーター、セロトニン受容体とトランスポーター、シナプス関連蛋白関連遺伝子の関係性が研究によって明らかにされているからで、これらの脳内の量が親子で共通することも確かめられているからです。
また、自閉症スペクトラム障害の遺伝子についても新たに発見されていて、今後は発現率なども明らかにされていくと考えられていますが、遺伝子に特徴があれば着実に遺伝するわけではなくて、発達障害の場合には妊娠中と生後3年までの生活環境も大きく関係しています。
だから、発達障害は遺伝が大きな原因であっても親のせいではないと伝えるようにしているものの、生活環境を指摘されると、必ずしも親のせいではないとは言い難くもなってきます。
しかし、遺伝が大きな要因となっているとしたら、それを親が認識して、子どもが出産年齢になったら伝えることも考えるべきこととなります。そして、遺伝特性によって発現しやすいなら、その状態に備えるために妊娠中の生活(少なくとも喫煙や飲酒は避ける)にも万全の注意をして、出産後には栄養面や自律神経調整のための生活環境もしっかりと整える必要があります。
そこまでの対応をすべきだとはいっても、具体的に何をしたら対応できるのかということは医学的なことだけでなく、栄養面ですら充分にはわかっていないことなので、発達障害に広く関わる、それぞれの分野の専門家には、もっと研究を進めてほしいのです。そのためには専門家に対して、もっと発達障害の困難さと支援の重要性を訴える講習の場も必要になると強く認識しています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

