体内には細胞が60兆個以上あって、それぞれの細胞にはエネルギー産生をするミトコンドリアがあります。ミトコンドリアで発生したエネルギーは、その細胞の中で酵素を用いて生化学反応を起こしています。体内の酵素の種類は3000個ほどとされています。酵素は細胞内に存在しているので、不足することはありません。しかし、働きやすい酵素と、そうでない酵素があります。これは酵素そのものに原因があるのではなくて、酵素の働きを補う補酵素の量に関わっています。
補酵素の役割をしているのはビタミンとミネラルです。ビタミンではビタミンB群(ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂など)が代表的なものです。ミネラルではマグネシウム、亜鉛、銅、鉄、クロム、セレンなどが補酵素となります。中でも多くの酵素に対する補酵素となっているのはマグネシウムと亜鉛で、マグネシウムは約300種類、亜鉛は約200種類の酵素の補酵素となっています。
補酵素が不足すると酵素が本来の働きをしなくなるということですが、その理解のために3000種類を会社員の数にたとえてみます。3000人の社員のうち、補酵素に当たるもの(モチベーションなど)が欠けているために、300人と200人の合計で500人が働かなかったら、会社そのものが正常に動くことができなくなります。それと同じように、全身の細胞が正常に働かなると健康を保てなくなります。
他の補酵素のミネラルも重要であるので、ミネラルが不足することがないように、マグネシウムや亜鉛だけでなくて、さまざまなミネラルが含まれているサプリメントの使用も重要になってくるということです。まさに欠けているものを補うものが、補助、補給、補完を意味するサプリメント(supplement)です。