体内で合成されてビタミンのような働きをする成分はビタミン様物質と呼ばれていますが、それに対して体内で合成されないために摂取することがすすめられる成分はファイトケミカル(phytochemical)と呼ばれます。これは植物に含まれていて、紫外線や病原菌、害虫などから身を守るために作り出した色素や香り、辛味、ネバネバなどの成分を指しています。
紫外線に対抗する成分は抗酸化成分と呼ばれます。紫外線を浴びると活性酸素が発生して細胞膜が傷つけられます。それを防ぐために活性酸素を消去する成分が植物に蓄積されて、色素となっていきます。強い紫外線を浴びたほど、活性酸素が多く発生するほど色素は多くなっていきます。この色素をサプリメント成分として取り入れることで、活性酸素を消去することができます。
硫黄を含む有機硫黄化合物もファイトケミカルで、ニンニクに含まれるアリシンとブロッコリーの新芽に含まれるスルフォラミンが代表的なものです。ニンニクのアリシンはニオイ成分ですが、ニンニクには少量しか含まれていません。そのため、生のニンニクを置いておいても、それほど臭いません。それはニンニクの中にアリインをアリシンに変える酵素のアリネーゼが、アリインとは別の細胞に含まれているからです。
ところが、ニンニクを刻むかすり下ろすとニオイが強くなります。それは細胞からアリインとアリナーゼが出て結びついてアリシンになった結果です。アリシンはビタミンB₁と結びつくとアリチアミンという成分に変化します。アリチアミンはアリナミンの主成分です。ビタミンB₁は吸収率が低いのですが、アリチアミンは吸収率が高く、体内でアリシンとビタミンB₁に分解されます。ビタミンB₁は糖質をエネルギー化させるのに必要なビタミンであるので、アリシンを摂ることによってエネルギー代謝を高めることができるようになります。

