発達障害の支援には、食の困難さの改善も重要項目として掲げられています。発達障害には感覚過敏から食べられないものが多く、発達障害の中でも自閉症スペクトラム障害では極端な偏食もみられます。食事で摂ることができない栄養素があるなら、それを補うものがサプリメント(supplement)なので、栄養補助食品を使うことも選択肢となってもよいはずですが、栄養は食事で摂るものと考える医師や栄養士などが、いまだに多くいます。
発達障害のために食べられないものがあるのは、単なる好き嫌いや苦手というレベルではなくて、無理に食べさせるようにすることが状態を悪くすることもあるということを理解していれば、頭からサプリメント使用を否定するのは問題があると認識できるはずです。サプリメントを完全に否定して、食事だけで解決する方法があれば、是非とも示してもらいたいところです。
通常の偏食であれば、見た目を隠す、味を隠すといったことで対応ができても、発達障害の特性である五感の過敏は、隠しきれない場合が少なくありません。食べられないものを出すはずがないという信頼が裏切られたことで、その人が作ったものが食べられなくなることもあります。それも単に心理的に嫌うということではなくて、特定の人が作ったものは吐いてしまうというようなことも起こります。
食事の内容を確認して、食事での改善の工夫と努力をしたうえで、どうしても不足する栄養素を補うためにサプリメントを使うことは認められるべきです。サプリメントには栄養機能食品という分類があり、ビタミン、ミネラル、脂肪酸のうち1日の摂取目安量に対する含有量が基準以上であるものだけが補充による機能を表示することが許可されています。
そのことを理解して、しっかりとした製品を選択する方法を伝える努力をして、初めてサプリメントの活用も伝えるようにしています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)