発達障害サポーター51 極端に狭いストライクゾーン

発達障害がある人の特性を表すのに、普通の範囲が示されることがあります。普通の範囲を野球のストライクゾーン、それを超えたボールのゾーンが発達障害とする考え方もあるのですが、私たちは逆の考え方をしています。ここがストライクゾーンと思って対応したことが、実は非常に狭い範囲であって、例えば通常のストライクゾーンを9分割(上・中・下、左・中・右)した場合の中の中、つまり9分の1の狭い範囲に投げ込まないといけないということです。
ストライクゾーンであれば上の左であっても、下の右であってもストライクと判定されます。そこに投げ込めば合格という感覚で接してよいのは定型発達の場合であって、発達障害の場合にはストライクゾーンが極端に狭いということを考えて接しなければならないのです。その子どものストライクゾーンを見つけるために保護者も改善を指導する専門家も苦慮しています。
刺激が強いと感じること、心地よい環境でないとグズる子どもの場合には、そこがわかればグズらないように対応することができるとの考えで、そのピンポイントのストライクゾーンを見つけることが重要であると改善指導されることがあります。ところが、それが通用しないのが発達障害の特性といえます。
9分割された、どこがストライクゾーンかということがわかれば、努力して、そこに安定的に投げ込む技量をつければよいことになります。ところが、発達障害がある子どもの場合には、発育途中、発達途中であることから変化するのは当たり前のように起こります。
前日とまったく異なるピンポイントのストライクゾーンということは少ないものの、1週間単位でみると、以前はストライクであったのに今日はストライクとはならないということも普通に起こります。そういった困難さがあることも理解して、社会的な支援を考えるようにしてほしいのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)