決断が早いというのは誇るべきこと、誉められるべきことだとされていて、決断が早い経営者は有能な経営者とされます。されます、というよりも、されてきたというほうが正確かもしれません。
社会の変化を何も、すべて新型コロナウイルス感染症のせい、海外の紛争(侵略?)のせいとは言わないものの、これまでに経験したことがないことが起こり、これまでにやってきたことが通じなくなるという体験をしたら、これまで通りの決断でよいのかと考えてみることが必要です。そして、立ち止まり、振り返り、場合によっては少し引き返してみるのも必要なことです。
決断が早いというのは、状況を把握していて、早く決断できるだけの知識や教養、過去の例なども承知しているからできることです。自分ではないとしても、過去の失敗例も知っていて、そのようなことにならないように注意することができるから判断ができることであって、周囲の理解と信頼も得られるようになっています。
しかし、その決断が単なるラッキーだったことがわかった人もいて、会社もあります。少々の決断ミスがあったり、進む方向が違っていても、大きな社会変化がなければ、その先は予測がつくことなので修正は可能です。その修正ができるだけの余地があれば、実は決断が間違っていたとしても、間違いでなかったのと同じように対応することも可能です。
しかし、ラッキーが通じにくい状況では、判断ミスでズレたことが要因で、進むほどズレが大きくなっていきます。そんな時代だけに決断が早いことを自慢するのではなくて、慎重に対応すべきです。自分が判断できないときには周囲のいる人に相談したり、相談までいかなくても話をして反応を見るというのは必要なはずです。
これ以上のことを書くと、誰のことを言っているのかわかってしまうことにもなるので、このへんで止めておきますが、決断の早さがミスにつながる、悪い結果になるという時代であることを理解してほしいと願う先は1社や2社ではないのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)