「石橋を叩いて渡る」というのは、堅固に見える石橋でも安全を確かめてから渡ることで、どんなに安全そうなことでも充分に確認してから行動することを示しています。それよりも慎重な人のことは「石橋を叩いても渡らない」と評されることがあります。
石橋を叩いて渡るというのは結果としては渡るので、確認に時間がかかっても、行動を起こそうと決断するのが遅くなっても行動は起こしてくれます。石橋を渡るように命じた人のことを信じていれば、何も叩く必要もないはずです。絶対に崩れない石橋を、命じた人に隠れて叩いてから渡るようにするのは、石橋を信じていないのではなくて、命じた人のことを信じていない結果といえます。
社長が命じたことを、すぐに社員が行動をしなくて、少し時間が経ってから行動するという会社があります。その時間の経過は社長の態度によって変わってきていて、よく知っている会社では1週間後というのが定番でした。その会社は全員が月曜日の朝に報告会があって、遠い場所にいる社員はオンラインで参加していました。なぜ1週間後に行動を起こすのかというと、1週間後に社長が前言を翻すことがよくあったからです。1週間後に、前に命じたことの進捗を聞かれることがあり、何も手をつけていなかったとしても1週間なら準備や取引先との日時調整に時間がかかっているということで誤魔化しができるからです。
2回命じられて初めて行動を起こすのは、それまでに1回目の命令で動いたのに、前言を翻されたことで痛い目にあった経験があるからです。そんな風潮というか社風のようなものを作り出した原因は、前言を翻す社長にあるのですが、そのことに本人が気づいていないのが問題です。前言の翻しの中には言ったことを忘れていたということもあって、これでは社員の行動が遅くなって、チャンスを逃すことにもなります。
しかし、これを役員がいけないことと判断して苦言を呈することもなくて、その原因を探ってみたら、役員も同じように痛み目にあった経験をしていました。なるほど、こうして困った社風が作られていくのかと感じたことでした。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

