Medical Diet93 コルチゾールのマイナス作用

ストレスを感じるほど太りやすくなる、いわゆる“ストレス太り”について複数の理由があげられていますが、ストレスホルモンのコルチゾールがダイエットに悪影響を与えることが明らかにされています。
コルチゾールは、ストレスが高まるにつれて分泌が高まっていくホルモンで、ストレスに対抗するためのホルモンとなっています。
コルチゾールは副腎皮質から分泌されていて、主な働きは肝臓での糖新生、筋肉でのタンパク質の代謝、脂肪細胞での脂肪の分解などの代謝の促進です。また、抗炎症や免疫抑制など身体のための必須ホルモンとなっています。医薬品としては、炎症を抑える働きから、ステロイド系炎症薬として使われています。
コルチゾールが分泌されると、セロトニンの分泌が減少することが知られています。セロトニンは食欲を抑える働きがある脳内ホルモンであるため、分泌が低下すると食欲が増進します。
また、コルチゾールには脂肪酸の合成を促進する働きがありますが、さらにコルチゾールにはインスリン分泌の調整を乱し、血糖値の上昇以上にインスリンを過剰に分泌させる働きもあります。インスリンは肝臓での脂肪合成を促進し、血液中の中性脂肪を脂肪細胞に取り込む働きがあるため、分泌が高まることによって体脂肪が多く蓄積されるようになります。
コルチゾールには、成長ホルモンの分泌を抑制する作用があるため、筋肉の増強を妨げ、代謝が低下して脂肪が代謝しにくくなることもあげられます。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)