血液中のコルチゾールの量は、朝に目覚めたときに多く、日中、夕方と減り続け、就寝前に最低値を示すのが一般的な推移となっています。これは就寝中にコルチゾールの分泌が増えていることを示しています。
コルチゾールには、睡眠中に脂肪酸を代謝させてエネルギーを産生する働きがあります。睡眠中には活動中に比べて多くのエネルギーは必要がないように思われがちですが、寝ている間にも基礎代謝によるエネルギーは使い続けられています。基礎代謝は1日に使用されるエネルギー量のうち約70%を占めていることから、まったく活動をしないで寝ている状態でも同じように使用されています。
この状態でも基礎代謝のためのエネルギーが発生させるために、コルチゾールの働きによって脂肪が発生しています。寝ているときには、食事でエネルギー源を補うことができず、身体を動かすことによってエネルギーを発生させることができないために、身につけられた機能といえます。
コルチゾールが盛んに分泌される時間帯は深夜の2~4時ですが、この時間帯に熟睡することによって分泌量が高まり、早朝に濃度が高くなり、エネルギー産生も高まることになります。この時間帯に熟睡していないと分泌量が少なくなり、エネルギー産生も低下します。
このようにコルチゾールは、寝ている間に脂肪を代謝させる大きな利点があるものの、体内にエネルギー源が少ないときに、体脂肪を分解して寝ているときに必要になるエネルギーに変えていく働きがあるために、遅い時間の夕食や、夕食での食べすぎ、寝る前に食事をするとコルチゾールが分泌されにくくなります。
そのために、体脂肪が分解されにくくなり、さらに食事で摂ったものが脂肪酸に合成されるようになるため、寝ている間に体脂肪が増加することになりかねません。
寝ているだけでやせるように働きかけるホルモンのコルチゾールは、脂肪をエネルギーに変えていく役割があります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

