健康食品に摂るべきタイミングが書かれていない理由

健康食品(サプリメント)のパッケージを見ても、チラシやパンフレットを見ても、いつ摂るのがよいかは書かれていません。「1日に3粒」といった目安表示はあるものの、一番知りたいこと、つまり「食事の前に摂るとよい、空腹時に摂るとよい、寝る前に摂るとよい」という具体的なことは書かれていません。
というのは、このような“用法用量”の表示は医薬品医療機器法(旧薬事法)によって許可されていないからです。許可されているのは医薬品だけで、健康食品に表示した場合には医薬品とみなされます。みなされたといっても医薬品の承認も許可も得ていないので、“無承認無許可医薬品”ということになります。つまり、偽薬となるので、医薬品医療機器法に違反するということで罰せられるために、表示ができないわけです。
どうしてなのか、ということはメディア関係者からも聞かれます。それは用法用量を記載すると医薬品と勘違いして、健康食品に頼って、医薬品をやめたり、医療機関に行くのをやめる人が出てくることが懸念されているからです。
同じ理由で、医薬品のような効能効果である、病気の予防や改善について示すこともできません。「病気を治すのはダメでも、予防ならいいのでは」と考える人もいますが、医薬品医療機器法には「疾病の診断、治療、予防に使用されることが目的とされているものは医薬品」ということが書かれています。予防をうたうだけでも違反となるということです。
どんな人が使うべきかについては特定保健用食品や機能性表示食品などでは一部は許可されています。しかし、これらでも摂取のタイミングは表示できません。
となると、どうやって効果的な使い方を知ればよいかということですが、健康食品の素材の情報を、商品の販売をしていないところなら掲載や表示をすることはできます。純粋な情報や教育でなら伝えられるということで、当サイトの「サプリメント事典」や資格認定教育で選び方と使い方を知らせています。
もっと詳しく知りたい、効能効果を表示できないのを逆手に取ったよくない商品の見抜き方を知りたい、という人のために、新たな教育制度を立ち上げる予定です。