あくまでも噂話43「マジックミラーのカーテン」

テレビドラマの定番の刑事ドラマを、刑事あがりの方と一緒に見る機会があり、そのときにドラマでは、あえて実際とは違うシーンを放送していることを聞きました。初めに話してくれたことは、実は法医学の教授から聞いていたことでしたが、それはナイフで刺したあとの場面でした。ドラマでは刺してから、すぐに抜いたり、何度も刺すシーンが描かれていますが、そんなことをしたら血液が吹き出して、犯人は大量の返り血を浴びて、逃げてもすぐに通報されて捕まってしまいます。
次に聞いたのは犯罪の現場の鑑識のシーンで、ドラマでは鑑識の最中に刑事が現場に入ってきて、捜査を始めるというのは、実際にはあり得ないことです。鑑識が終了するまでは他の誰も現場には入ることはありません。現場に何か持ち込まれたり、持ち出されたりしないためで、少なくとも刑事が現場を踏み荒らすようなことはありません。
完全に鑑識が済んでいれば、刑事も鑑識と同じようにビニールの靴カバーをつけて現場に入る必要はないということです。また、後になって現場に刑事が入って、鑑識が見逃した証拠の品が出てくるようなこともありません。
取り調べのシーンで、マジックミラーがあることに違和感を感じる人がいるかもしれませんが、これは犯人の面通しのために設置されています。証言者が容疑者に気を使わないで面通しをするためです。ドラマによってはマジックミラーにカーテンがかけてあって、容疑者に厳しく迫るときにカーテンを閉めるシーンがありますが、取調室の様子は可視化のために録画されているので、カーテンを閉める意味がない、というよりもカーテンはありません。
取り調べといえばカツ丼がつきものですが、好きなものを頼んで食べられるのは任意同行の被疑者だけで、逮捕された被疑者の食事は留置場の弁当だけです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)