書店やコンビニで販売されている商品に冊子がついているものはマルチメディアと呼ばれています。冊子は商品の取り扱い説明書なのかというと、販売形式としては冊子は書籍と同じ扱いで、むしろ商品は“おまけ”のような扱いです。
あくまで販売形式のよる扱いであって、購入する人はバッグや小物、傘、マスクまで、その商品がほしくて買っているはずです。制作している会社を見ると出版社で、なぜ出版の形を取っているのかというと書籍を販売するルートで売るためです。
書店でマルチメディアの商品を売っているコーナーを見ると実用書や趣味、健康など、冊子のほうの内容に合わせたところに置かれています。書店の中には、マルチメディアだけのコーナーを設けているところもあって、厚みのある商品付き冊子が平積みにされています。こんなに目につくところに、こんなにも多くの数を並べているのかと驚くこともあるのですが、それは着実に売れるからです。
メルチメディアだけでなく、雑誌に商品がついていて、雑誌よりも商品にひかれて購入する人も少なくありません。雑誌の通常の価格か、少し高いくらいで販売されているので、商品の原価が気になります。マルチメディアのほうにしても、実際の商品を単品で買うときと同じ価格か、むしろ安いということもあります。
なぜ、そんなことができるのかというと、商品は製造原価で提供されることが多いからです。そのようなことをしたら、出版社はよくても、製造会社は損ではないかと思われるかもしれませんが、損はしていません。商品を販売するときに流通経費や宣伝費がかかります。そのかかる経費をマルチメディアが担ってくれています。
それでも製造原価で出したのでは利益が上がらないと思うかもしれないのですが、会社が出しているのは“お試し商品”です。冊子の中に“本商品”の紹介がされています。お試し商品といってもデザインなどが違うだけで品質は同じです。新商品を出す前の、旧商品を使ってのお披露目という役割もあります。
書店やコンビニの目につくところに平積みされるという最大の強みを活かした有料のサンプル商品と考えれば、マルチメディアの隆盛も理解できるところです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)