Medical Diet110 歩かないと代謝は高まらないのか

子どもは「意味もなく走る」と言われますが、意味もなく走っているわけではありません。その意味と理由を当人はわかっていなくて、周囲の人もわかっていないことから、意味もなく走ると言われているだけです。この理由として、感覚統合が使われることがあります。子どもは全身を使って、刺激を受け、神経を発達させていますが、その刺激を得るために走っているのだという説明が広まっていて、テレビ番組でも放送されていました。
しかし、私たちは多くのエネルギーを作り出すために激しく身体を動かしているのだと考えています。3〜5歳でも1日に消費されるエネルギー量は1300kcal前後で、成人の半分ほどになっています。身体の大きさからすると非常に大きなエネルギーが必要となっています。
これは身体を大きくするためにエネルギーが使われるからで、多くのエネルギーを作り出さないと成長することができません。食事から摂ったエネルギー源は、吸収されて血液中に入り、これが使われます。1日の消費で余ったものは脂肪合成されて脂肪細胞にエネルギー源として蓄積されます。このエネルギー源をエネルギー化するためには、運動をするのが一番で、これは子どもも大人も同じことです。子どもは特に多くのエネルギーを作り出さなければならないので、エネルギー代謝を盛んにするために走るという行動をするのです。
それに対して、大人は生活の中で走り出すのは難しいので、歩くことを多くのエネルギーを作り出す方法として選択することになります。これを「意味もなく歩く」とは言わないでしょうが、歩くことで多くのエネルギーを作り出して、身体の活動や新陳代謝、疲労回復のために使うことをメディカルダイエットでは提案しています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)