健康の指標とされることがある“標準体重”は標準的な体重ではありません。“標準体重”は身長から割り出したもので、「身長(m)×身長(m)×22」で求められます。170cmの人は「1.7m×1.7m×22」で63.58kgとなります。
22は、日本人を対象にした健康度の調査で最も健康とされる範囲にあった人の身長と体重の割合です。170cm(1.7m)で体重が65kgの人の場合には約22.5となります。こういって求められる数字はBMI(Body Mass Index:体格指数)と呼ばれています。
これによって求められた“標準体重”をもとにして、性別、年齢、生活の強度の指数をかけて、1日に飲食によって摂取すべきエネルギー量が計算されます。その計算のための標準の体重ということで“標準体重”と呼ばれているのです。
計算によって得られた“標準体重”と実際の体重を比較したときに、最も健康度が高い体重が確認されていますが。それは標準体重よりも5%体重が多い人です。先ほどの170cmの人を例とすると、66.759kgとなります。
見た目や美容面では、ちょっと多めの体重となるかもしれませんが、そのほうが免疫力が高く、疾患のリスクも低いことが確認されています。
体重が多すぎる人は、BMIで得られた体重を目標に減量していくことになりますが、急に体脂肪を減らしすぎると、不具合が起こることになります。不具合というのは、一つには免疫の低下で、急に体脂肪を減らすと感染症などに対抗する免疫細胞の活性が低下します。
終戦直後の日本人は体脂肪が少なかったことから、死亡原因の第1位は結核でした。そこから10年ほどで結核が急激に減っていきましたが、これは体脂肪と免疫の関係を如実に表しています。
目指すべき体重減少の第一目標は5%とされます。5%ほどの体重減では体脂肪の減少にブレーキがかかったり、リバウンドすることは少ないのですが、短期間に5%以上の体重を減らすと、急に減りにくくなるということが起こります。
5%の体重減が達成できたら、食事を大きく減らす、運動を大きく増やすということは休みとして、しばらく落ち着いてきたところで、また5%の体重減を目指すという方法が健康的である、無駄のない方法としてすすめられます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕