スポーツは厳格なルールに基づいて実施されるから公平性が保たれ、継続的に運営することも可能となります。それは重要なことではあるものの、その厳格なルールのために参加できない人がいるのも事実です。
スポーツは競技者だけでなく、それを運営する人、応援する人にとっても大切な存在で、スポーツに参加するということは身体を動かして競う人だけのものではなく、それに広く関わることもスポーツと考えることができます。
文部科学省の外局であるスポーツ庁はスポーツ基本計画を設けていて、第二期スポーツ基本計画では「スポーツは身体を動かすという人間の本源的な欲求に応え、精神的充足をもたらすもの」と定義されています。
これは身体を動かすスポーツによって、精神的充足が得られることを指すと考えられがちですが、スポーツに参加して精神的充足が得られることも重要であり、“する”だけでなく、“見る”ことも“支える”こともスポーツの本質です。
戦うという行為はモチベーションを高める重要な要因ではあるのですが、戦わないスポールであるウォーキングやサイクリングなどもあります。また、現在は競うことを目的としているスポーツであっても、多くの人が参加して、喜びを感じられるようにルールを変えたり、場合によっては勝敗を決めないことも大切になるという考えがあります。
生涯にわたって続けて、心身の健康をはじめとして多くの喜びを得ることを目的とした健康スポーツは、既存のスポーツから派生したものも多く、ルールを変えるといった決断がしやすいスポーツでもあります。
健康長寿を目指した活動、地域の健康寿命の延伸を目指した活動のために、決断をしてもらい、多くの参加者が得られることを重視してもらえる健康スポーツ団体との連携が、年齢にも身体の状態にも関係なく続けられるスポーツを地域に定着させることを願っています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕