健康づくりの方法を浸透させるための方法としてポイント制が多くの地域で導入されています。健康づくりのための学習の機会への参加、健康の増進に役立つこと(食事や運動など)の導入、健康を害することの削減などによってポイントを与え、一定期間のポイント積算に対して金券などを提供するというのが一般的な方法です。
その金券などの使い道ですが、健康増進に役立つものにしか使えないところもあれば、一般的な商品購入にも使えるものもあります。高齢者が健康づくりに使うのではなくて、孫を喜ばせるためのものを購入することができる金券に意義を申し述べる人も少なくないのですが、このことが運動などをするモチベーションとなっている人にとっては否定するわけにはいきません。
健康づくりの手法で確実な成果が現れるのは1日の歩数を増やすことです。個人での効果は少ないかもしれないものの、例えば1日に1000歩を増やすことで、1万人が参加すると1年間で数千万円の医療費削減につながるという報告が複数あります。
ここでは詳細を示さないので、数千万円という曖昧な表現にしてありますが、歩くといってもスピード、歩き方によっても違いがあり、元から運動をしている人、歩いている人のプラス1000歩と、あまり運動をしていない人の1000歩では結果が違うのは当然のことです。
効率と金額に違いはあっても、地域の医療費が下がり、それによる自治体の負担も軽減されます。その軽減した分の半分を次の健康づくりのための基金として、若い世代の健康づくりに当てれば、地域の健康度を長期に渡って高めることができるようになります。
高齢者が自分たちの健康づくりの行動が、次世代の健康度を高め、それが高齢者や子ども世代を支援する活動につながるとしたら、これも立派なモチベーションとなります。こういった発想の健康づくり活動に取り組むことが重要と認識する人を増やすことが、地域の健康の基盤となっていくとの考えです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕