今でこそ日本人は世界1の長寿を誇っています。これは男女の平均(2021年)で、女性は世界1位(87.57歳)であるのに対して、男性は世界3位(81.47歳)となっています。
長寿国の日本も、かつては短命であったことは今では忘れられているかもしれませんが、男性の平均寿命が50歳に達したのは1947年(昭和22年)のことでした(男性50.06歳、女性53.96歳)。
そのときにアメリカは60歳、北欧は70歳を超えていて、日本は、いわゆる先進国の中では最下位に位置していました。そのときから一気に世界1まで上り詰めたわけですが、30年以上も平均寿命が延びました。
30年というと1世代分の長さです。現在の女性の初産年齢は30.9歳なので、「孫の顔を見るまで」死ねないという時代から「曾孫の顔を見るまで」「曾孫の成長を確認するまで」は元気でいたいという時代になっているわけです。
元気で長生きをした“ご褒美”の30年間は、無駄に過ごすことなく、できることから次世代のために活かしてほしいというのが多くの人の願いであるはずです。
高齢者が経験したこと、長い間に考えたことを子どもや孫、曾孫に伝えるのも、もちろん大切なことです。それと同時に伝えてほしいのは、少子化の社会で数が少ないにも関わらず、超高齢社会を支えていかなければならない現状を考えると、次世代の健康づくりへのヒントとサポートについてです。
岡山県の女性は日本1の長寿(平均寿命日本1位)になりましたが、その背景として指摘されているのは栄養、運動、生活習慣(飲酒や喫煙)で、そのためにメタボ(メタボリックシンドローム:内臓脂肪症候群)が少ないという結果です。
これは単に環境条件などが良いというだけでなく、健康に関する知識と、これを学ぼうとする姿勢が重要で、岡山県民は学習意欲が盛んであることが大きく影響しています。これを継続させて、さらに健康で長生き、しかも介護の負担も少ないという理想の社会に近づくためには、学んだことを活かせる仕組みづくりが必要となるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕