骨密度は、思春期に著しく増加して、20歳ごろに最大の骨密度(最大骨量)に達します。調査によっては15歳前後が最大骨量となっている場合もあります。
最大骨量が高ければ、それだけ骨が弱くなりにくいので、若いうちの骨の健康は親の責任であるといえそうです。
最大骨量に達したあと、40歳ごろまでは骨密度は、ほぼ最大値のまま一定に保たれています。
骨密度の変化が見られない間は、骨には何も変化が起こっていないようにも思われがちですが、実際には骨にも新陳代謝が起こっていて、毎日、古い骨が壊され、新しい骨が作られています。
前者を骨吸収、後者を骨形成と呼んでいます。この骨吸収と骨形成のバランスが取れている間は、最大骨量は維持されることになります。
しかし、40歳を超えると、そのバランスが崩れて、骨形成よりも骨吸収が多くなり、骨密度は減少していきます。
そして、骨密度が著しく低下して、大根に「鬆」(す)が入ったように骨にたくさんの穴があいてスカスカになると、骨が弱くなり、骨折を起こしやすくなります。この状態が「骨粗鬆症」です。
骨吸収によって骨を破壊するのは破骨細胞の働きで、骨形成によって骨を強化するのは骨芽(増骨)細胞の働きです。
破骨細胞の働きはほぼ一定ですが、骨芽細胞の働きは徐々に低下していきます。骨芽細胞の働きが破骨細胞の働きを越えたときから、骨粗鬆症が始まるというわけです。
骨粗鬆症は高齢者に多い病気で、高齢化が進むにつれて骨粗鬆症の人が増えています。閉経後の骨粗鬆症は50~60代に多くなります。
骨粗鬆症の患者は1600万人を超えていると推定されていて、骨密度の低下が始まっている予備群を含めると2000万人を超えていると考えられています。
骨密度に一番関係しているのはカルシウムの摂取量です。日本人の現在の食事の中で、最も不足している栄養素はカルシウムです。
カルシウムの不足は、骨粗鬆症の要因にもなります。骨粗鬆症が恐れられているのは、高齢者の骨粗鬆症による骨折が寝たきりや痴呆につながることが少なくないからです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕