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私が代表を務める日本メディカルダイエット支援機構は、2008年に内閣府から特定非営利活動法人の認証を受けました。2008年は厚生労働省によって特定健診・特定保健指導が始まった年で、これに合わせて立ち上げた団体だと勘違いされました。

特定健診は生活習慣病の予防のために40〜74歳を対象としてメタボリックシンドロームに着目した健診のことです。特定保健指導は、生活習慣病の発症リスクが高い人に対して、食事と運動での改善のために実施されるものです。

その改善指導の多くは、太り過ぎの人に対する食事と運動によるダイエット指導であり、それは医師の指導のもとに専門家(管理栄養士や健康運動指導者など)が実際の指導を行うことから、「メディカルダイエット」は特定健診・特定保健指導のことだと思われたのです。

その当時はテレビ局をはじめとした公共メディアと盛んに付き合っていたこともあって、特定健診・特定保健指導のコメントを各メディアから求められることもありました。

その依頼はメディカルダイエットの勘違いだと言って、引き下がってくれるところはよいのですが、他にコメントする人がいないからと押し切ってくるところもあり、民放の全国キー局の生番組に出演させられたことがあります。

テレビの威力は恐ろしいもので、これを機会にメタボリックシンドロームについて複数のテレビ番組や雑誌から依頼が入るようになりました。これを私が受けることはなくて、栄養の専門家、運動の専門家を紹介しました。

これで面倒なことから解放されるつもりでいたのですが、専門家の方々のコメントや話す内容の台本を頼まれるようになりました。私が紹介した先生方の支援で受けたのですが、何がよかったのか、他の先生方のコメントの原稿づくりや、この内容で大丈夫かというチェック依頼も入るようになって、「これは自分がすることなのか」と悩むこともありました。

そのときに臨床栄養の大家の先生から言われたことが「支援する人を支援する」という活動につながりました。それは要約すると「あなたの経験や考えを直接メディアで多くの人に伝えるのは大変であっても、専門家の先生に伝えることで全国に伝えられる」ということでした。

そのときから始めたのが、専門家に定期的に私の活動に関わる情報をあらかじめ紹介しておくことで、これは後に健康情報メールとして毎週1回、発信する活動につながりました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

同じ世界で、同じ読み方をする用語があると、混同してしまうのは当然のように起こることです。健康分野で混同されやすい用語というと、健診と検診です。

自分としては健診のつもりで話したのに検診と書かれた、健診と原稿に書いたのに文字校正で検診と直された(間違われた)こともあります。

「健診」は健康診断の略です。健康診断は全身の健康状態を調べ、身体が健康であるかを調べることを指しています。主に実施されるのは、血液検査や尿検査などで、身体に病気の要因となるものがないか調べるものです。

これに対して「検診」は特定の病気を早期発見することを指しています。検診は一般には、がん(肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん、子宮がん、卵巣がん、前立腺がん)、歯周病、結核、肝炎ウイルス、骨粗鬆症、脳ドックなどを対象に実施されます。

健診(健康診断)は一般健康診断と定期健康診断に大きく分けられています。

労働安全衛生法で義務づけられた定期健康診断は法定健診と呼ばれ、雇い入れ時の健康診断と年1回の定期健康診断を実施することが事業者には義務づけられています。

法定健診の項目は以下の通りです。

1 問診1(既往歴及び業務歴の調査)
2 問診2(自覚症状、他覚症状の有無の検査)
3 身体測定(身長、体重、腹囲)
4 便及び尿検査
5 視力及び聴力の検査(1000Hz、4000Hz)
6 胸部エックス線検査及び喀痰検査
7 血圧の測定
8 貧血検査(血色素量及び赤血球数)
9 肝機能検査(GOT、GPT、γ‐GTP)
10 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
11 血糖検査
12 尿検査(血中の糖及び蛋白の有無の検査)
13 心電図検査
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、栄養素の指標を設定しています。ここでは栄養素の指標の各項目について紹介します。

〔推奨量〕
推奨量は、ある対象集団において測定された必要量の分布に基づいて母集団に属するほとんどの者(97〜98%)が充足している量として定義されます。推奨量は推定平均必要量が与えられる栄養素に対して設定され、推定平均必要量を用いて算出されます。

推奨量は、実験などにおいて観察された必要量の個人間変動の標準偏差を、母集団における必要量の個人間変動の標準偏差の推定値として用いることによって、理論的には「推定必要量の平均値+2×推定必要量の標準偏差」として算出されます。

しかし、実際には推定必要量の標準偏差が実験から正確に与えられることは稀なことで、そのために多くの場合、推定値が用いられています。
そのため、「推奨量=推定平均必要量×(1+2×変動係数)=推定平均必要量×推奨量算定係数」として推奨量が求められています。

〔目安量〕
特定の集団における、ある一定の栄養状態を維持するのに十分な量として定義されます。

目安量は、十分な科学的根拠が得られず、推定平均必要量が算定できない場合に算定されるものです。実際には特定の集団において不足状態を示す者がほとんど観察されない量として与えられ、基本的には健康な多数の者を対象として、栄養素摂取量を観察した疫学的研究によって得られます。

目安量は、次の3つの概念のいずれかに基づく値とされます。どの概念に基づくものであるかは、栄養素や性・年齢区分によって異なります。

1 特定の集団において、生体指標などを用いた健康状態の確認と栄養素摂取量の調査を同時に行い、その結果から不足状態を示す者がほとんど存在しない摂取量を推測して、その値を用いる場合:対象集団で不足状態を示す者がほとんど存在しない場合には栄養素摂取量の中央値を用います。

2 生体指標などを用いた健康状態の確認ができないものの、健康な日本人を中心として構成されている集団の代表的な栄養素摂取量の分布が得られる場合:栄養素摂取量の中央値を用います。

3 母乳で保育されている健康な乳児の摂取量に基づく場合:母乳中の栄養素濃度と哺乳量との積を用います。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

毎月25日:「プリンの日」(オハヨー乳業)、「歯茎の日」(佐藤製薬)

循環器疾患は命にかかわるだけに、予防と同時に、もしも発症してしまったときに、どれだけ早期に対応できるかが重要な分岐点になります。

東京にいたときのことですが、わずか3年の間に4人の知人が循環器疾患の中でも恐怖の対象とされる大動脈解離で救急搬送されました。ノルディックウォーキングの師匠、健康づくり団体の会長、サプリメント業界の営業マン、そして以前に世話になった大学の循環器の専門医です。

循環器の専門医は“医者の不養生”などとは言っていられない状況であり、循環器の専門医になったのは治療よりも予防が重要だと考えてのことだと聞いていただけに、誰にも起こり得ることだと感じたものです。

サプリメント業界の営業マンとは一緒の場にいたのですが、会議の途中で発症して、同席していた方が救急車の出動を要請しました。その電話をかけている人の横で「おそらく大動脈解離」と話したのですが、救急車に同乗したときに救急隊員から医療関係者かと聞かれました。

それは実体験を繰り返し聞いていたからで、もしも現場に遭遇することになったら的確に対応しないといけないとの思いから、循環器の専門医に取材をして、記事原稿も書き、最後には手術も見学させてもらっていました。

大動脈は、心臓から送り出された血液が最初に通る最も太い血管で、その直径は500円玉ほどもあります。それだけ丈夫な血管ではあるものの、大動脈瘤ができやすいところでもあります。大動脈瘤は大動脈が瘤(こぶ)のように膨らんだ状態で、大動脈の壁の弱いところにできると考えられています。

その原因としては、動脈硬化、高血圧、喫煙、ストレス、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症)、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群、それに遺伝などが関係するとされています。

「死ぬほど痛かった」と経験を話す人がいます。それはある意味で幸運だった人で、大動脈解離は病院に救急搬送されても、たどり着くまでに半分がなくなっていると表現されるほど危険度が高い状態です。

大動脈瘤が破裂すると、血管壁の中に血液が流れ込み、血管が剥がれるようになる大動脈解離が起こります。これを予防するには大動脈瘤に気づくことと言われることもあるのですが、自覚症状はほとんどありません。

原因となる生活習慣を改めるしかないというのが、最善の対処法という困った状態であるところが、実に悩ましいところです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

寒い地域で暮らしてきた民族は、身体を温める作用がある食品、つまりエネルギー量が高い食品を多く食べてきました。欧米の文化はヨーロッパの北部から始まりました。穀類が多くは摂れない地域である上に、身体を温めなければならないことから脂肪が多く含まれる肉類を多く求めました。

脂肪のエネルギー量は1gあたり約9kcalあります。炭水化物は1gあたり約4kcalであるので、同じ重量では2倍以上のエネルギー量となっています。

脂肪をエネルギー化するためには、前回(シン・日本人の体質16)紹介した代謝促進成分のL‐カルニチンが必要ですが、L‐カルニチンは肉類に多く含まれています。特に多く含まれているのは羊肉と牛肉で、これらは寒い地域で伝統的に多く消費されています。

効率よくエネルギー化するためには、肉類は適した食品だったわけです。東洋医学的にいうと肉類は身体を温める作用がある食品となっています。

これに対して、暑い地域で暮らしてきた民族は、身体を冷やす作用がある食品を多く食べてきました。東洋医学的には、身体を冷やすのは野菜、果物といった夏場に収穫量が増えるものです。

暑い地域では肉類も鶏肉が中心となり、また魚の摂取が多くなっています。同じ肉類であっても鶏肉はエネルギー量が低く、L‐カルニチンの含有量は少ない特徴があります。魚は水の中で生息しているだけに体温が低く、脂肪が多めの魚であっても低めの温度で溶けるサラサラ系の脂肪酸となっています。

日本のように温暖な地域では穀類が多く、これは身体を温めすぎず、冷やしすぎない(東洋医学的にいうと)中庸の性質があります。日本人は、中庸の食品を中心として、寒いときには温める食品、暑いときには冷える食品を加えるという身体の変化に合わせた食べ方ができるという特性があるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

脳と腸の機能研究が進むにつれて、「脳腸相関」が指摘されるようになりました。脳と腸の関係性については、ストレスがかかると下痢や便秘になりやすいことは以前から知られていました。

腸の働きは自律神経の交感神経と副交感神経の働きに影響されていて、ストレスが強まって交感神経の働きが盛んになると、腸の消化が低下して、腸の吸収も蠕動運動も低下します。そのために便秘になりやすくなるのですが、便秘になると腸内に有害物質がたまりやすく、これを排泄するために下痢が起こるという不快な状態が起こります。

腸内環境とうつ病、自閉症に関する研究も進められていて、国立精神・神経医療研究センターの研究チームが、うつ病患者と健常者の腸内細菌を比較したところ、うつ病患者は善玉菌の代表であるビフィズス菌が少なく、乳酸菌も少なくなっていたと発表しています。

脳と腸のどちらが影響しているかということですが、うつ病では末梢神経や中枢神経の慢性的な炎症がビフィズス菌を減らすことを研究チームは指摘しています。このことによって脳が腸に影響を与えているという考えです。

発達障害の自閉症スペクトラム障害と腸内細菌の関係については世界的に研究が進められていて、アメリカ・アリゾナ州立大学の研究チームは、自閉症スペクトラム障害の児童は腸内細菌の多様性が低くて、腸内環境が乱れやすいと報告しています。

腸の状態が悪いほど自閉症スペクトラム障害の状態が悪くなっているとして、自閉症スペクトラム障害の児童に健康な人の腸内細菌を移植したところ、2年間はかかったものの、自閉症スペクトラム障害の状態が改善したと発表しています。

試験前には83%が重度の状態だったものが、2年後には重度は17%にも減って、ビフィズス菌のほかに、腸壁を守る酪酸を作り出すプレボテラ菌が大きく増加したといいます。

腸内細菌の移植は日本では一般に受けることができないため、腸内環境を整えるためのビフィズス菌の摂取、善玉菌を増やす糖質や食物繊維の摂取を心がけるというところから始めるべきだということになります。

アメリカでは食物繊維の摂取が多いとうつ病のリスクが低くなり、台湾では子どもに乳酸菌を毎日摂取させたことによって発達障害の注意欠陥・多動性障害の改善がみられたと報告されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

毎月24日:「ブルボン・プチの日」(ブルボン)、「削り節の日」(東京削節類卸協同組合)

目で見ていることと耳で聞いていることにズレが生じるというのは映画などの画像では、過去には起こっていたことです。先に口が動いて声が後からついてくるということもあれば、声が聞こえてから口の動きが遅れているということもありました。

今ではデジタル画像と音声になったおかげで、視覚と聴覚でキャッチした情報がズレることはなくなりました。そういったことから、腹話術師のいっこく堂のように、声が聞こえてから、口が動くということは立派な芸(技)として受け入れられています。

その状態が私の場合には、いつも起こっていて、これは「視聴不一致」という珍しい状態だということは前回(日々修行115)書きました。

この状態が起こった40代後半のときには、医療で対応してもらおうとしましたが、それがかなわないことであることがわかってから、視聴不一致の違和感、気持ち悪さを感じないようにすることを始めました。

一番よい方法は相手の口の動きを見ないことですが、今のようにオンライン会議が使えるなら目で相手の姿は見ているものの、実際には話すことを聞いているだけということもできます。

しかし、画面越しの対話が普通ではなかった時代には、対面していても口元を見ないようにするといっても、顔を見ると口の動きが見えてしまうので、対面している相手の顔を見ないようにして話すということをしていました。

これは話をするときには絶対にしてはいけないとされることで、相手を不機嫌にさせることにもなり、会議なり取材なりの目的を充分に達成できないこともありました。

その場で、視聴不一致のことを説明しても理解してもらうのは難しいので、よほどの関係性がある人以外には話したことはありません。中には、顔を見て話さなくても仕事には関係ないといってくれる人もいるにはいたのですが。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

平均寿命は、その年に生まれた子どもが現在と同じ環境(社会状態、経済状態など)であると想定した場合に、どこまで生きることができるかという推計値です。そのため、年齢を区切って見てみると、高齢になるほど以前に長生き地域とされるところが上位に上がってくる傾向があります。

このデータは厚生労働省による平均寿命の統計として発表されていて、最新の2020年のデータから、ここでは女性の平均寿命が日本一の岡山県を例にして見ていくことにします。

平均寿命と一般に呼ばれているのは正式には「平均余命」で、0歳の子どもが何歳まで生きることができるかという推定値であるので、年齢別の平均寿命(主な年齢の平均余命)の0歳のランキングは、平均寿命と同じです。

岡山県の女性のランキングは0歳では1位(88.29年)、20歳でも1位(68.58年)となっています。20歳の時点の68.58年をプラスすると88.58歳となって、「0.29年」多くなっています。

これは20歳までに不幸にして亡くなった方の分を差し引いて平均を取った結果です。この差は、年齢が高まるにつれて高まっていくのは当然のことです。

岡山県の女性は40歳では3位(48.88年)、65歳では4位(25.27年)、75歳では4位(16.52年)と、1位ではないものの上位に位置しています。

40歳の時点の1位は長野県、65歳と75歳の時点の1位は沖縄県です。長野県は2015年には1位であったので、年齢が高めになってくると上位になる傾向があります。

高齢者では沖縄県がトップにあるのは、以前は沖縄県が長寿県であったことを示しています。ちなみに、沖縄県の女性の0歳時の平均余命のランキングは16位となっています。

岡山県の男性の平均余命については次回(セカンドステージ37)紹介します。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕