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厚生労働省から、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が発表されました。

以下に、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の「妊娠・子育て・更年期と良好な睡眠について」の「よくある質問と回答」を紹介します。

〔よくある質問と回答〕
Q 月経痛(生理痛)がひどく眠れません。対策はありますか?

A 月経痛は睡眠に悪影響を及ぼすことが知られており、痛みの緩和は不眠症状を緩和するのに役立ちます、月経痛に対する適切な対処については、医師と相談しましょう。

Q 妊娠してから、いびきをかくようになりましたが、大丈夫でしょうか?

A 妊婦は非妊婦に比べていびきをかきやすく、習慣的にいびきをかく妊婦の場合は妊娠経過と共に増加します。これは、エストロゲン及びプロゲステロンの分泌増加に伴い、気道にむくみが生じやすく、脂肪の増加によって咽頭が狭くなるためです。いびきが大きく頻繁な場合や、睡眠中に呼吸停止が観察される場合は、閉塞性睡眠時無呼吸の可能性があるので、医師に相談をしましょう。

Q 夜、足がむずむずするような不安感があり、寝つきづらいのですが、良い対処法はありますか?

A 月経のある女性は、血清鉄が不足しやすいことから、むずむず脚症候群を生じやすいことが知られています。妊娠期には、血清鉄の消費がさらに増大し、大きなホルモン変動や葉酸の欠乏、睡眠不足、不安やストレス、疲労などの要因が加わるため、むずむず脚症候群を特に生じやすいと考えられています。ストレッチ、下肢マッサージ、湿布(温、冷)、カイロ、適度な運動や歩行などで症状が和らぐことがあります。症状を悪化させる嗜好品(カフェイン、アルコール、ニコチン)はできるだけ避けましょう。通常、出産後に徐々に改善しますが、産後も足の不快感によって妨げられている場合は、医師に相談しましょう。

Q 更年期に入り、いびきがひどくなりましたが、大丈夫でしょうか?

A 閉塞性睡眠時無呼吸は比較的高齢男性に多い疾患ですが、女性も更年期以降、閉塞性睡眠時無呼吸を生じやすくなります。いびきが大きく頻繁な場合や睡眠中に呼吸停止が観察される場合は、医師に相談しましょう。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

厚生労働省から、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が発表されました。

以下に、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の「妊娠・子育て・更年期と良好な睡眠について」の「更年期と良質な睡眠の確保について」を紹介します。

〔更年期と良質な睡眠の確保について〕
閉経(日本人の平均閉経年齢:50歳頃)の前後5年の約10年間は更年期と呼ばれます。更年期では不眠症や閉塞性睡眠時無呼吸などへの罹患リスクが増大することが知られています。これには女性ホルモンの減少が関連すると考えられていますが、明確な機序は十分に解明されていません。

また、更年期に多い症状である「ホットフラッシュ」などの血管運動神経障害が重いと、深い睡眠が妨げられやすく、睡眠が分断されやすい(睡眠中に目が覚めやすい)と考えられています。

男性においても、更年期に男性ホルモンであるアンドロゲンの分泌が減少します。アンドロゲンの減少により睡眠が障害される証拠は十分に得られていませんが、更年期以降の男性では不眠症をはじめとした睡眠障害が増加します。

アンドロゲンの分泌減少は、うつ病の一因となることが指摘されており、うつ病に伴って不眠症状が出現することもあります。

なお、女性更年期の代表的な血管運動神経症状に対するホルモン補充療法は、睡眠症状の軽減に役立つことがありますが、一部のがんや冠動脈疾患のリスクを高める懸念もあるため、医師と相談しましょう。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

厚生労働省から、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が発表されました。

以下に、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の「妊娠・子育て・更年期と良好な睡眠について」の「子育て期の睡眠と健康への影響」を紹介します。

〔子育て期の睡眠と健康への影響〕
生まれたばかりの赤ちゃんは、数時間おきに寝たり起きたりを繰り返します。授乳と夜泣きへの対応で、養育者の睡眠も細切れになります。養育者にとって、睡眠を確保することは心身の健康を守るために重要です。

数時間おきに寝たり起きたりを繰り返していた赤ちゃんも、生後数週間経過すると、徐々に夜眠る時間が延びるとともに昼間起きている時間が長くなり、大人の睡眠・覚醒リズムに近づきます。

睡眠・覚醒リズムの確立を助けるために、夜は部屋を暗くし、朝になったらカーテンを開けて部屋を明るくしましょう。夜泣きがあると養育者も眠れずにつらい思いをします。

米国の研究では、しばらく対応せずに様子をみる方がそのまま眠れることが増え、夜泣きが減ると報告されています。わが国では、赤ちゃんが泣くたびに抱き上げてあやすことが多いと思いますが、あやしても赤ちゃんがなかなか寝つけない場合、住宅事情で難しい場合もありますが、一呼吸おいてみてもよいでしょう。

赤ちゃんが自分で寝返りができるようになる1歳頃までは、柔らかすぎる寝具を避け、寝かせるときは仰向けに寝かせましょう。窒息事故や、何も既往歴もない乳幼児が、予兆なく睡眠中に突然死に至る、乳幼児突然死症候群という病気が報告されており、発症予防のための対策が推奨されています。養育者の喫煙もリスクになると報告されているため、禁煙を心がけましょう。

女性の10〜20%が産後うつを経験すると報告されています。特に著しい睡眠不足や夜間の中途覚醒が多い人は、産後うつのリスクが高くなります。

以前と比べると、母親だけでなく父親が育児に関わる時間はかなり増加しており、こうした関与は母親の健康を守るだけでなく、赤ちゃんにも有益であることが示されています。

乳幼児から小学生頃までのこどもは、錯乱性覚醒(寝ぼけ)、睡眠時遊行(夢遊病)、夜尿(おねしょ)など睡眠の問題が生じやすく、心配される養育者も少なくありません。

こどもの睡眠の不安定さや症状は、睡眠の熟成の過程で一時的に出現することが多く、年齢とともに自然に消失するケースがほとんどです。例えば、錯乱性覚醒の発生率は3〜13歳では17%ですが、15歳以上では3%程度です。睡眠時遊行症は8〜12歳がピークといわれています。

ただし、睡眠時間が極度に不足したり、生活が不規則になると、睡眠症状が増えるため、規則正しく、安心して就寝できる睡眠環境を整え、十分な睡眠時間を確保することを心がけてください。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

厚生労働省から、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が発表されました。

以下に、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の「妊娠・子育て・更年期と良好な睡眠について」の「妊娠中の睡眠変動とその対策及び胎児への影響」を紹介します。

〔妊娠中の睡眠変動とその対策及び胎児への影響〕
妊娠すると、ホルモン分泌パターンが大きく変化します。特に、妊娠初期にはエストロゲン、プロゲステロンの分泌が一時的に低下し、妊娠周期が進むにつれて両ホルモンの分泌量が増加します。

この影響で妊娠初期には睡眠が妨げられることがあります。また、妊娠初期はつわり(悪阻)や妊娠に関する心配事も多く、これによる不安・ストレスが睡眠に影響します。

妊娠中期(妊娠14〜27週)には一時的に睡眠が安定しますが、妊娠中期の終わり頃からお腹が大きくなり胎動が増えると、眠りが浅くなり、夜中に眼が覚めることが多くなります。

妊娠後期(妊娠28週〜)には、足の不快感(むずむず脚症候群)やこむらがえり(ふくらはぎの筋肉のけいれん)、閉塞性睡眠時無呼吸などが生じやすくなります。

このように妊娠期間を通して、約8割の妊婦は睡眠が不安定になり、これに伴う昼間の眠気、疲労感、イライラ、集中力の低下を経験します。眠りが浅くなり睡眠休養感が低下するため、妊娠前より睡眠時間が長くなる傾向があります。

妊娠中はホルモン分泌が大きく変動し、眠りに影響が出ることをしり、心配しすぎないようにしましょう。気分転換をしたり、散歩やストレッチをしたりすることで、こころとからだをリラックスさせましょう。お腹が大きくなるのに合わせて、寝やすい体勢をみつけましょう。

妊娠中の睡眠不足や睡眠障害(閉塞性睡眠時無呼吸など)による睡眠の質の低下は、胎児の健康リスクとなる可能性が指摘されています。安全な出産と生まれてくるこどもの健康のために、妊娠中のお母さんは十分な睡眠を確保し、睡眠障害の予防に努めましょう。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

厚生労働省から、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が発表されました。

以下に、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の「妊娠・子育て・更年期と良好な睡眠について」の「月経周期に関連した睡眠変化」を紹介します。

〔月経周期に関連した睡眠変化〕
初潮を迎えた女性の身体は、約1か月ごとに妊娠の準備を整えるようになり、この周期を「月経周期」と呼びます。月経周期を形成・維持する代表的な女性ホルモンであるプロゲステロンとエストロゲンは、睡眠に影響すると考えられています。

月経周期に関連した睡眠変化は、多くの女性は経験します。月経周期と女性ホルモンそれぞれの血中濃度の関係では、エストロゲン優位な卵胞期と比較して、プロゲステロン優位となる黄体期では、睡眠が浅くなるとともに、日中の眠気が強まります。

この傾向は、特に月経前に心身の不調を来たしやすい人でより顕著に現れやすいと考えられています。

なお、月経による出血量が多いこと等で貯蔵鉄が少なくなると、むずむず脚症候群が出現・増悪しやすくなり、睡眠を妨害することも知られています。

これらの睡眠問題に対処するために、月経周期を自身で記録することで、睡眠変化が起こりやすい時期を把握することが役立ちます。日頃の睡眠環境、生活習慣を整え、嗜好品のとり方を見直すことで、月経周期に伴う睡眠の問題を和らげることが期待できます。

むずむず脚症候群は、安静時の足のむずつきや不快感により、寝つきが妨げられる睡眠障害です。また、月経のある女性は、むずむず脚症候群を防ぐためにも鉄分の摂取を心がけましょう。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

厚生労働省から、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が発表されました。

以下に、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の「睡眠障害について」の「各種睡眠障害について」のショートコラムを紹介します。

〔ショートコラム〕
「疼痛を伴う慢性疾患(がんを含む)」
身体のいずれかの部位に慢性的な痛みを有する人の多くは、睡眠の問題を併せ持つことがわかっています。

疼痛治療センターにおいて、3か月以上痛みが続く18〜65歳の患者を調査した結果、121名の患者(男性32人、女性89人、平均年齢49±9歳)のうち、38.8%が入眠に30分以上を要し、63.6%が何度も夜中に目が覚め、30.6%が5時間未満しか眠れず、60.3%が睡眠休養感を得られていないことが報告されています。

慢性疼痛と睡眠の関係性には、痛みが睡眠を悪化させるだけではなく、睡眠が悪化すると痛みにも悪影響を及ぼすという逆方向の関係もあることがわかってきています。

このため、慢性的な痛みと睡眠の悩みをお持ちの人は、医療機関でご相談いただくとともに、医師に相談しながら可能な範囲で本ガイドを実践することにより、睡眠の改善を介して痛みを和らげることに役立つ可能性もあります。

痛みを伴う慢性疾患の中には、様々ながんも含まれます。がんにおける睡眠障害の有病率は最大で95%と報告されています。

がん治療の副作用やがんに関連した心理的負担は、睡眠障害によって誘発される可能性があるので、医師に相談しながら適切な睡眠療法を受けることが重要です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

「和食の日」和食文化国民会議が、いい(11)に(2)ほんしょ(4)くの語呂合わせで制定。

「いい尿の日」クラシエ製薬が寒い季節は尿トラブルが増えることから啓発や治療を呼びかける目的で、いい(11)24(にょう)の語呂合わせで制定。

「鰹節の日」ヤマキが鰹節の使い方、上手なだしの取り方を多くの人に知ってもらうことを目的として、いい(11)ふし(24)の語呂合わせで制定。

「冬にんじんの日」カゴメが冬にんじんの旬の11月と、にん(2)じん(4)の語呂合わせで制定。

毎月24日:「ブルボン・プチの日」(ブルボン)、「削り節の日」(東京削節類卸協同組合)

食事の栄養摂取のバランスを100kcal単位で考える方法は、臨床栄養の世界では「ダイエットデザインハウス」と呼ばれ、長く普及に取り組まれてきました。普及が盛んになったのは今から40年以上も前のことであるのに、いまだに栄養学の世界では80kcalという理解しにくい数字が単位として採用されています。

100kcalを栄養の単位として考える方法は一般には理解されやすいのですが、栄養学を学んだ専門家である栄養士は、なかなか理解してくれません。今から70年以上前に栄養計算の単位が80kcalとされてから、それだけを学んできているので、受け入れられないという気持ちが強いようです。

その経緯については「日々修行83」で紹介しました。

食事で摂取するエネルギー量を100kcalで考えることは頭を切り替えることさえできれば可能なことですが、運動などによって消費するエネルギー量は100kcalで考えるのは、これまでは難しいとされてきました。

運動や日常活動によって消費されるエネルギー量は、性別、年齢、体重などによって差があって、例えば10分間、ウォーキングをすると、どれだけの消費エネルギー量になるのかは、かなりのバラツキがあります。そのため、概要の数字で示されることが多くなっています。

一般には、摂取エネルギー量はエクササイズという単位が使われていて、座っているときのエネルギー消費を1エクササイズとして、その何倍の運動量になるかが示されています。普通の歩行は3エクササイズとされています。

エクササイズの計算式は、「消費エネルギー量(kcal)=体重(kg)×METS×運動時間(h)×1.05(係数)」となっています。

体重50kgの人が30分間ジョギングをした場合は、「50(kg)×6(METS)×0.5時間×1.05=157.5kcal」となります。

この計算式を使って、100kcalを消費するには、どんな運動を、どれだけの時間かければよいのかを計算する方法があります。その計算(逆算)の方法については、次回(日々修行87)に紹介します。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

赤ちゃんは善玉菌が非常に多くなっているものの、離乳期を過ぎると悪玉菌が増えていきます。特に増えるのは悪玉菌の代表であるウェルシュ菌で、これは中高年以降には大きく増えていきます。

その一方で、善玉菌の代表であるビフィズス菌は減る一方となり、悪玉菌が優勢になっていきます。その理由として、加齢による腸内の酸性度の低下が大きいためだと考えられています。

若いときには胃液と十二指腸での腸液の分泌が盛んになっていますが、年齢につれて徐々に分泌量が減っていきます。胃液と腸液は強酸性で、分泌量が多いと胃と腸の中は酸性に保たれています。

善玉菌は酸性の環境に強く、悪玉菌は酸性では活動が弱まります。腸液は小腸下部では薄まっていくため、そこから大腸にかけては悪玉菌が増殖するようになっています。

小腸には酸素が存在しているため、酸素の有無に関係なく生育できる通性嫌気性菌の乳酸桿菌が多く棲み着いています。盲腸から大腸に進むと、ほとんど無酸素状態になり、酸素が嫌いな偏性嫌気性菌が多くなります。偏性嫌気性菌の代表はビフィズス菌、バクテロイデス菌、ユウバクテリウム菌などがあります。

腸内細菌の善玉菌の栄養源(エサ)となっているのは、糖質、乳製品(乳糖)、食物繊維です。和食(日本の伝統的な食事)には糖質が多く、食物繊維が多く含まれていることから、善玉菌を増やしやすい食事となっています。

食物繊維は、人間の身体の中の酵素では消化されない食物成分のことで、消化されないために吸収もされず、ほとんど形を変えずに大腸まで届き、腸壁を刺激しながら排泄されます。しかし、腸内細菌によって分解されると善玉菌の栄養源として使われることから分解されて単糖(ブドウ糖や果糖など)の形になり、善玉菌の栄養源として使われます。

腸内細菌の悪玉菌の栄養源となっているのは、主には動物性たんぱく質、脂肪です。洋食は肉が多く、肉には脂肪が多く含まれていることから、悪玉菌を増やしやすい食事となっています。

肉と比較すると魚は全体的に脂肪の量が少ないとはいえ、魚にも脂肪が多いものがあり、摂りすぎると悪玉菌を増やす要因となります。

肉や魚を食べるときには、不溶性食物繊維が多く含まれる野菜や根菜類、水溶性食物繊維が多く含まれる海藻、キノコ、果物も摂ることを心がけます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

赤ワインを飲むと動脈硬化を予防することができるということで、赤ワインブームが起こったのは1998年のことでした。赤ワインの健康成分はポリフェノールだということから“赤ワインポリフェノールブーム”と呼んだほうがよいかもしれません。

この時期は、脂肪の過剰摂取で動脈硬化が増えていたこともあり、脂肪を減らすのか、動脈硬化を抑える効果があるものを摂ればよいのかという論議があり、楽な方法としてポリフェノールの摂取がすすめられるようになりました。

赤ワインの健康成分を摂るには何を選べばよいか、という発想をしてもらえばよかったのですが、飲酒習慣がない人が健康のために赤ワインを飲んで、かえって健康を害したということも起こりました。

ポリフェノールは植物の苦味、渋み、アクなどの成分で、紫外線を浴びた光合成によって作られます。赤ワインのアントシアニンやレスベラトロール、緑茶のカテキン、チョコレートのカカオマスポリフェノール、大豆のイソフラボン、りんごのりんごポリフェノール、コーヒーのクロロゲン酸、烏龍茶のウーロン茶重合ポリフェノールなど400種類以上も発見されています。

強い抗酸化作用(活性酸素を消去する働き)があり、色素が多いほど抗酸化力が強い特徴があります。ロゼワインにもポリフェノールは含まれるものの、色が濃い赤ワインのほうが抗酸化力が強いというので、味わいではなくて色の濃さだけで選ばれるようなこともありました。

赤ワインに含まれるポリフェノールの抗酸化作用の研究成果は、国立栄養研究所(現国立健康・栄養研究所)の板倉弘重臨床栄養部長(医学博士)などによって1997年に発表されました。同年に『第三の栄養学』、翌年に『赤ワイン健康法』が出版されてから、テレビや健康雑誌などで赤ワインの動脈硬化予防などの機能性が大きく取り上げられたことによって、広く知られることになりました。

赤ワインはフランスのボルドー大学によって基礎研究が行われていましたが、それに続いて同大学ではフランスの南海岸に自生するフランス海岸松の内部樹皮に含まれるピクノジェノールの研究が始まり、抗酸化機能が確認されました。しかし、内部樹皮は量が限られることから原材料が多くあるブドウの種が注目され、その抽出成分のグレープシードオイルの抗酸化作用について報告されました。

その後には、緑茶のカテキン、魚介類などの赤い色素のアスタキサンチン、ごまのセサミン、トマトのリコピン、マリーゴールドのルテイン、カシス、ブルーベリーなど、さまざまな抗酸化成分が登場しましたが、2002年に決定的とされるコエンザイムQ10が登場しました。

コエンザイムQ10は同年に医薬品成分から食品成分として用いることが許可され、抗酸化成分の代表としてだけでなく、糖質と脂質を代謝させる補酵素として広く知られるようになりました。
こういった流れもあって、赤ワインブームは落ち着きていきました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕