作成者別アーカイブ: JMDS

薄毛に影響を与えることとして、頭皮の血流の低下、男性ホルモン、栄養不足など、いろいろな原因があげられていますが、よくない条件に、もう一つの悪条件が重なると、それをきっかけにして薄毛が進んでいくことになります。そのきっかけとして、これからの季節に注意しなければならないのは紫外線の影響です。

紫外線の影響を最も強く受けるのは夏場で、その影響によって抜け毛が増えるのは夏の終わりと秋口です。気づくきっかけとなるのは洗髪後の排水口の毛髪の本数や、起床時の枕カバーの毛髪の本数です。

そのために夏場の紫外線がよくないと認識する人が多くて、夏場の外出には帽子をかぶる、強い日差しを避けるという対策をする人も多くなっています。ところが、実際に頭皮にダメージを与えているのは夏場だけではありません。

紫外線の影響を受けているときには、なかなか気づかないのですが、あとあとになってから「そういえば、あのとき」と思い出すことが多いのは春の日差しです。

春の日差しの対策をしておかないと、薄毛が目立ちやすい頭頂部や前頭部だけでなく、自毛植毛をするときに重要となる側頭部、後頭部などの元気な毛髪も影響を受けることになります。

紫外線の強さは同じ日本の中であっても地域によって異なっています。しかし、いつ紫外線が強くなるかという傾向は全国的に共通していて、7月、8月が最も強くなっています。近年の天候の変化もあって、5月にも6月にも以前に比べて紫外線が強くなっています。そして、4月の紫外線は、まだまだ暑い9月の紫外線と変わらないほどの量になっています。

もう一つ紫外線の量で注意しなければならないのは、紫外線の種類の違いです。地上まで届く紫外線にはUV−AとUV−Bがあります。紫外線が多い日差しを浴びることで肌が焼けるのはUV−Bによるもので、こちらは変化が目で見てわかるので、その影響も想像しやすいところがあります。

それに対してUV−Aは、浸透性の紫外線で、波長が長いことから表面ではなくて、肌の奥にまで届きます。紫外線を浴びることによって大きなシワができるのはUV−Aの影響です。

頭皮は毛髪の重要な土台で、表面は洗髪などでもケアしやすいものの、深部のケアというのは、なかなか難しくなっています。そのケアしにくい深部にダメージを与えるのがUV−Aであるので、その量が多くなる時期は気になるところです。

季節による紫外線の量は、UV−AとUV−Bを合わせたもので、頭皮に悪影響を与えるUV−Aの量が多くなる季節は、一般に言われている紫外線が強くなる4〜8月とほぼ一致しています。

しかし、実際のUV−Aの量を詳しく見ていくと、5月の量は7月の量と同じくらいとなっています。5月には真夏と同じだけの紫外線防止を行っておかないと、頭皮のダメージが薄毛に結びつきかねないということです。

紫外線を防止するためには帽子をかぶるか日傘を使うという選択が普通ですが、UV−Aは繊維を通り抜けます。夏場の帽子は通気性をよくするための繊維の目が粗いものが選ばれがちですが、目が粗いほど紫外線が通過しやすくなります。

紫外線を防止することができるタイプの帽子も日傘も、遮光率が表示されています。遮光率が最も高いのは「遮光1級」で、99.99%がカットできます。遮光1級の中でも100%のカットを誇っているものもあって、これは完全遮光1級と表示されています。

遮光2級は遮光率が99.80〜99.99%未満、遮光2級は遮光率が99.40〜99.80%未満で、実際には大きな差はありません。

頭皮の健康を保つことを考えるなら、遮光率にこだわることなく、遮光の効果があるものなら大丈夫だといえます。近くに出るだけで、短時間だから、日光が出ていないからと安心するのではなく、できる限り遮光はするべきです。

というのは、紫外線の量は薄曇りでは80〜90%、曇りでは60%、雨でも30%ほどはあるので、紫外線が強い季節には安心することはできないのです。

紫外線が、どのように毛髪に影響を与えているのかというと、皮脂の酸化です。紫外線を浴びると活性酸素が発生します。活性酸素は酸素のプラスとマイナスの電子のバランスが崩れたもので、欠けている電子を奪うことで正常な酸素に戻っていきます。

電子を奪われることが酸化で、酸化すると粘度が高まります。頭皮の皮脂が酸化すると、毛穴から皮脂が取れにくくなり、頭皮の血流も低下しやすくなります。

紫外線で酸化するのは皮脂だけではなくて、細胞も酸化します。細胞は電子を奪われると破壊されてしまいます。破壊が続くと細胞の新陳代謝が進みにくくなり、傷みやすくなってしまいます。

頭皮が傷んで、皮脂も酸化したのでは、毛髪のダメージが大きくなるので、春から秋まで紫外線対策は欠かせないことになります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

寝る前のタイミングで洗髪をすることは“夜シャン”と呼ばれます。もともとはなかった言葉で、寝起きにシャンプーをする“朝シャン”に対して、一般的な入浴して洗髪もするタイミングを区別するために“夜シャン”という呼び名が使われるようになりました。

朝シャンをする人の割合は調査によって差はあるものの、15%前後になっています。わざわざ朝シャンをするのは、寝る前に洗髪すると乾かすのに時間がかかって寝る時間が短くなる、寝癖を直す手間を省ける、清潔な髪で外出したいといった理由があげられます。

毛髪の成育のことを考えて、頭皮の皮質をよるだけでなくて、朝にも取り除いて清潔にしておこうという人もいるようですが、洗いすぎると頭皮も毛髪も脂肪が取り除かれすぎて、かえって傷みやすくなるというマイナス面が指摘されます。頭皮が多すぎる人以外は、就寝前か起床してからの、どちらかにしておいたほうがよさそうです。

毛髪の研究が進むにつれて、朝シャンよりも夜シャンのほうが毛髪のためによいことだと説明されるようになってきました。それは成長ホルモンとの関わりです。

毛髪の毛母細胞は成長ホルモンの影響を受けて増殖しています。毛髪は成長期、退行期、休止期を経て脱毛するというヘアサイクルとなっています。ヘアサイクルの4〜6年の期間のうち退行期は2〜3週間、休止期は数か月ということから、多くの期間は成長期となっています。成長ホルモンの影響を受けているのは、成長期だけです。

成長ホルモンは全身の細胞の成長や新陳代謝に働きかけていますが、毛髪の場合にはIGF–1(インスリン様成長因子1)を分泌させて、毛母細胞を活性化させています。

成長ホルモンは20歳をピークに、年齢を重ねるにつれて分泌量が減っていきます。成長ホルモンは身体の発育期には、その名のとおり成長をさせるホルモンとなっていますが、成人の場合には成長よりも新陳代謝と疲労回復のためのホルモンとなっています。ただし、毛髪の場合には40代までは分泌量は保たれています。

それでも30代で薄毛となってしまう人が多いのは、成長が盛んなときには、毛髪にダメージを与える要因があっても、それを超えるくらいの成長があるからです。ところが、成長ホルモンの量が徐々に減ってくるとダメージを受けやすくなり、これが薄毛を進める原因ともなります。

成長ホルモンの分泌量が減ってきても、それをカバーするための方法があります。それは睡眠時間の確保と熟睡です。成長ホルモンの分泌量は、身体の成長期には1日を通じて多いのですが、20歳を過ぎると多く分泌される時間が決まってきます。多く分泌されるのは運動後の時間と、就寝中です。

毛髪の健康のために運動を習慣にすればよいと言われても、そのための時間を自由に作れる人は少ないはずです。それに比べると寝るこことは誰もが毎日行っていることです。ただ睡眠時間を確保すればよいということではなくて、寝るタイミングと睡眠の質が大切になります。

就寝中に成長ホルモンが多く分泌される時間は22時から2時までの4時間とされています。その中でも分泌量が多いのは深夜の0〜2時ですが、この時間に寝ているだけではなくて、もう一つ条件があります。それが熟睡で、0〜2時に熟睡しているためには少なくとも1時には就寝することがすすめられます。

睡眠のリズムは個人差があるものの、90分のサイクルが基本となっています。45分をかけて睡眠が深くなり、45分をかけて浅くなっていきます。熟睡しているのは、このうちの半分ほどで、寝ついてから20〜25分はかかります。

布団に入ってから、すぐに就寝に入れればよいものの、寝つくまでに時間がかかる人の場合には、余裕をみて熟睡する時間の1時間前には布団に入ることが求められるというわけです。

成長ホルモンが分泌されていても、頭皮の毛穴の中に皮脂が詰まった状態では毛母細胞の成長が妨げられることになります。皮脂は毛穴の中にある皮脂腺から分泌されていて、これは頭皮に出ることによって皮脂膜が作られます。この皮脂膜によって頭皮が守られているわけです。

ところが、皮脂が多く分泌されて酸化すると角質とともに固くなって角栓となります。これが毛穴を詰まらせる原因となっています。角栓が毛穴を圧迫して、毛母細胞を刺激したり、血流を低下させることが毛髪の成長に影響を与えています。

このような状態を解消して、寝ている間に毛母細胞がストレスレスの状態で成長できるようにするために夜の洗髪がすすめられるのです。

夜シャンのもう一つのメリットは、頭皮の血流の促進です。血管をゆるめて血流をよくするのは、自律神経の副交感神経の働きです。副交感神経にはリラックス作用があり、夕方以降は副交感神経の働きが盛んになり、興奮作用のある交感神経の働きが抑えられるようになります。

夜に洗髪をすることは、お湯によって頭皮の血流がよくなり、また洗髪のマッサージ効果も得られます。洗髪のときだけでなく、その前後にゆっくりと入浴することで、全身の血流が盛んになります。

入浴温度が38〜40℃のときに副交感神経の働きが盛んになり、42℃を超えると交感神経の働きが盛んになります。できるだけ副交感神経の働きがよい状態で、長めに入浴することも毛髪の成長にはよいということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

“体質”というのは便利な用語で、身体について何か困ったこと、解明されないことがあったときには、体質のせいにしてスルーされることがあります。

これは薄毛の対応についても言えることで、薄毛の原因とされる頭皮の血流低下や毛髪の太さ、伸びの早さなどは、食事や睡眠時間、頭皮ケアなど同じ生活をしていても同じ結果ということはありません。

努力の成果が現れやすい人もいれば、そうではない人もいるわけで、その原因を科学的に解明することなしに、単純に「体質のせいですね」と片付けられることがあります。

体質は、遺伝的素因と環境的素因の相互作用によって形成される、生まれながらの性質だとされています。遺伝の影響が大きいのですが、環境的な影響が長く続くことによって、それが遺伝に影響を与えることもあります。例えば、寒いところで代々暮らしてきた民族は身体が温まりやすいようにエネルギー代謝が盛んになり、温かな血液が早く全身の血管に送られてくるようになることから、末端の頭皮の血流もよくなっています。

 このことからすると、寒い地域のヨーロッッパ北部などは薄毛が少ない傾向にあるのかというと、“西高東低”の状況となっています。気圧配置のことではなくて、西側のヨーロッパは薄毛傾向が高くて、次がアメリカ大陸、アジアは低い傾向があるのです。

薄毛の割合は、調査によっても違いはあるものの、イギリス、フランス、ドイツは39〜41%で、アメリカは39%となっています。アジアは中国が19%、韓国が22%となっていますが、日本は27%です。

今の中国人の多くは北方民族の子孫で、韓国は寒い地域なのに、それに比べると暖かい日本で薄毛率が高いというのは、環境だけでなく遺伝が影響しているという一つの証拠ともいえます。

薄毛の原因というとAGA(男性型脱毛症)の要因となっている男性ホルモンの量が指摘されます。男性ホルモンは全体的な体毛の成長は進めるものの、毛髪に対してだけは逆の作用をしています。

つまり、体毛が濃い人ほど毛髪が薄くなる傾向があるということで、体毛と毛髪では生えてくるメカニズムが少し違っています。体毛は男性ホルモンの分泌量が増えることによって単純に成長が早まり、濃くなっていきます。それに対して毛髪は男性ホルモンによって成長が抑えられます。

AGAによる薄毛に関係する男性ホルモンはDHT(ジヒドロテストステロン)で、テストステロンと5αリダクターゼという還元酵素が結合するとDHTとなります。DHTによって脱毛因子のTGT–βは増加して、毛母細胞の毛乳頭細胞にシグナルが出されます。

そのシグナルというのは毛髪サイクルの退行期を進めるためのもので、これによって太い毛髪に成長していく前に抜け毛が増えていくという仕組みになっています。

5αリダクターゼの活性度は遺伝の影響を受けやすくて、父親や祖父が薄毛であった場合だけではなくて、母方の家族が薄毛であったときにも活性度が高くなる可能性があります。この遺伝は女性も受け継いでいるのですが、女性は男性ホルモンが少ないことから薄毛の特性が現れにくくなっています。

薄毛でなかったといっても遺伝によって薄毛体質は受け継いでいるので、その子どもや孫である自分が薄毛の体質が受け継いでいるということはあるのです。

以前のように兄弟姉妹が多ければ、母親の兄弟、祖母の兄弟の毛髪の状態を見て、遺伝を感じることもできたのですが、今のように兄弟姉妹が少なく、一人っ子同士の結婚が多くなっている時代には、急に自分だけが薄毛になって驚かされることもあります。

遺伝というのは必ず子孫に影響を与えるとは限らないもので、薄毛の体質を受け継いだ両親の子どもだといっても薄毛にならないこともあります。できることなら、それを願いたいところですが、そうなると気になってくるのは発現率です。

AGAではDHTが脱毛因子のTGT–βを増やしていくわけですが、そのときには関係しているのが男性ホルモンレセプターという受容体です。男性ホルモンレセプターは男性ホルモンに反応するのですが、感受性の強さは母方の遺伝が大きく関係していると指摘されています。

薄毛に関わる遺伝情報はX染色体が引き継いでいます。染色体は男性がXY、女性がXXとなっています。男性は父親からY染色体、母親からX染色体を引き継いでいます。そのために母親の親戚の男性の毛髪の状態は気にして観察して、リスクが高そうであれば頭皮ケアは積極的に行うべきだということがわかります。

自分の子どもに薄毛の体質を受け継がさないようにするためには、妻の親戚もしくは妻となる候補の女性の親戚の毛髪の状態を気にすべきということになります。

では、女性の親戚の毛髪の状態だけをチェックすればよいのかというと、5αリダクターゼの活性度は男性でも引き継がれるので、そちらのチェックも必要になります。

とはいえ、薄毛の確率としては母方の祖父が薄毛の場合には75%、母方の祖父と曽祖父が薄毛であった場合には90%の発現率だとされています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

頭皮の状態は薄毛に影響するということは以前から言われてきました。中でも頭皮の皮脂腺の中に皮脂が多くなると血流を低下させて、毛髪の生育を妨げるということで、そのケアとして頭皮マッサージ、スカルプ(頭皮)ケアなどへの関心が高まっています。

頭皮の皮脂については、これまでにも複数の研究機関で行われてきましたが、大正製薬から注目に値する研究発表がありました。

それは明治薬科大学との共同で、男性型脱毛症のAGA患者の頭皮の皮脂成分と薄毛の関係について研究した成果で、AGA患者の頭皮にはトリグリセリド、アクネ菌、マラセチア菌が多く存在することを発見したというものです。

その結果から、頭皮ケアに何をすればよいかを判断しようということです。

トリグリセリド(triglyceride)は中性脂肪のことで、よく知られているのは血液中の中性脂肪です。中性脂肪は動物性の食品に含まれている脂肪のことで、脂肪の最小単位の脂肪酸が3個つながった形をしています。グリセリドという脂肪が結びつけているので、ギリシャ語で3を表すトリ(tri)と組み合わせ、トリグリセリドと名付けられました。

これを和訳したのが中性脂肪で、酸性とアルカリ性の強さを表すpHの中性とは関係がありません。

肉を多く食べると血液がドロドロになると言われるのは、粘度が高い中性脂肪が多くなった結果ですが、頭皮の奥には毛細血管が多く張り巡らされていて、中性脂肪が多くなると血流が低下するだけでなく、毛細血管を通して頭皮に運ばれる中性脂肪の量も増えていきます。

この中性脂肪が皮脂の元となり、皮脂腺を詰まらせる原因となることから、血液中の中性脂肪の状態には気をつけたいものです。

アクネ菌は皮脂が多いところで生息している細菌で、ニキビの原因とされている皮膚に多くある細菌です。マラセチア菌は皮膚の炎症やアトピー性皮膚炎に原因になったり、状態を悪化させる真菌です。真菌というのは核を持つ微生物のことで、人間の細胞とも同じ形ですが、一般にはカビ菌のことを指しています。

頭皮の皮脂腺の皮脂の詰まりは脂肪が増えるだけでなく、細菌のアクネ菌や真菌のマラセチア菌が増えることによって起こっていくのですが、アクネ菌とマラセチア菌は皮脂を栄養源としているので、皮脂を取り除く皮脂ケアが重要な薄毛対策となっています。

この皮脂とアクネ菌、マラセチア菌との関係を見ていく前に、AGA(Androgenetic Alopecia)について再確認をしておくと、思春期から始まって、徐々に進行していく男性型脱毛症です。通常のヘアサイクルでは成長期、退行期、休止期を一定の間隔で繰り返していますが、AGAになると成長期が短くなって、休止期が長くなります。

休止期の毛包(毛を産生する毛母細胞を包んでいる部分)が増えることによって、頭頂部の毛髪が軟化して、細く、短くなっていきます。その結果として毛髪が頭皮から見えにくくなっていきます。

日本人のAGAの発症率は全体では30%ほどとされていますが、年代別に見ると20代で約10%、30代で約20%、40代で約30%、50代以降では40%を超えるとされていて、加齢とともに進んでいくことが明らかにされています。

AGAは遺伝的な要因が大きいとされていますが、細菌では遺伝以外の要因も注目されるようになっています。遺伝以外であれば自分の工夫と努力によって、AGAの度合いを抑えることもできるということです。

大正製薬が遺伝以外の要因として着目したのは頭皮環境で、AGA群(55人)と非AGA群(63人)に分けて、日本人男性118人の頭皮の皮脂、細菌、真菌を分析しています。その結果、皮脂ではトリグリセリドの割合がAGA群は非AGA群よりも多いことが確認されました。トリグリセリドは非AGA群でも多いのですが、AGA群では半分ほどにもなっていました。

アクネ菌はAGA群では複数の細菌の中では半分以上になり、マラセチア菌はAGA群では複数の真菌の60%を超えていました。

このことから、トリグリセリド、アクネ菌、マラセチア菌の量がAGAに影響を与えていることが明らかになり、AGA対策としての頭皮ケアには、これらを減らすことが有効であることもわかってきました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

運動をしたくない人が言い訳として口にすることに「薄毛になるから」「ハゲるから」ということがあります。運動をすると筋肉がついて、余計な脂肪が減り、生活習慣病の予防にもつながるというメリットはあるものの、薄毛やハゲになりたくないからと運動をしたがらない人もいます。

これは単に運動嫌い、体を動かすのが面倒というのではなくて、迷信のように言われている「筋トレはハゲる」というのが関係しているようです。

筋肉は男性ホルモンとの関係が強くて、男性ホルモンが多く分泌されることによって筋肉が増えていきます。男性が女性に比べて筋肉量が多いのは男性ホルモンの違いによるものです。筋肉運動をすると男性ホルモンの分泌量は増えていきます。

これは筋肉が刺激されると筋繊維と呼ばれる筋肉の細胞が傷ついて、これを修復するために筋繊維の周りにサテライト細胞が増えていきます。そして、サテライト細胞が筋繊維に取り込まれて、筋肉が太くなり、強くなっていきます。

そのときに男性ホルモンが必要になるので、運動後には男性ホルモンの分泌が増えていくのです。

男性の薄毛の原因は男性ホルモンだと聞かされると、筋肉運動をしなければ薄毛になりにくいと思ってしまうかもしれませんが、筋肉を増やす男性ホルモンと薄毛に関係する男性ホルモンは違うタイプのものです。大きな分類では男性ホルモンであっても、役割によって種類が分かれています。

一般に男性ホルモンと呼ばれているのはテストステロンで、このほかにジヒドロテストステロン、デヒドロエピアンドステロンなどがあります。テストステロンやステロンという文字が共通しているので勘違いされがちですが、役割が異なることから、まったく違うものと考えてもよいのです。

薄毛に関係する男性ホルモンは、ジヒドロテストステロンで一般にはDHTという略称で呼ばれています。これはテストステロンと5αリダクターゼという還元酵素が結合することで発生したものです。

頭皮にはホルモン受容体があって、これとジヒドロテストステロンが結びつくと脱毛因子のTGF−βが増えていきます。その結果として毛髪が抜けやすくなり、次の発毛までの期間が長くなって、薄毛になっていきます。

テストステロンは筋肉強化のほかにも血糖値やコレステロール値の降下などプラスの働きがあることから善玉男性ホルモンと考えられていますが、ジヒドロテストステロンのほうは薄毛の原因だけでなく前立腺肥大のリスクを高めることもあって悪玉男性ホルモンと呼ばれることもあります。

筋肉を鍛えることによってテストステロンが増えていっても、それと並行してジヒドロテストステロンが増えるわけではないので、筋トレが薄毛に直接的に影響しているわけではないということです。

筋トレは薄毛の原因ではない、毛髪によくないというのは間違った考えだということを説明しましたが、それに続いて伝えたいのは、筋トレは毛髪の成長にプラスになるということです。

このような情報を伝えると、筋トレをするほど毛髪が元気になると思い込んで、頑張ってトレーニングをする人も出てきます。しかし、何事も“過ぎたるは及ばざるが如し”で、毛髪の状態をよくする効果があるのは“適度な筋トレ”です。

運動をすると血液の流れがよくなることは体が温まることでも確認できます。体が温まるのは、温かな血液が次々と送られてきて、体温の放熱よりも温かな血液による加熱のほうが優っているからです。逆に冷えるというのは、放熱に対して加熱が間に合っていない状態です。

歩くだけでも全身運動であるので血流は盛んになりますが、筋肉が強く刺激される筋トレでは筋肉の収縮が大きくなり、ポンプ作用で勢いよく多くの血液が送り出されるようになります。

毛髪は毛細血管の末端にあることから、血液が届きにくいところで、そこに血液を多く送り込んで成長を促進するために筋トレが役立つということです。

もう一つは成長ホルモンを増やす効果です。成長ホルモンというと筋肉を強くしたり、骨を伸ばすホルモンという印象があるかもしれませんが、全身の細胞の代謝を高めるために必要で、それぞれの毛髪の毛根の細胞も成長ホルモンの影響を受けています。

毛髪の成分の大部分はタンパク質です。成長ホルモンはタンパク質を使って成長するのに必要なものであるので、筋肉も毛髪も同じような結果、つまり筋肉が強くなれば毛髪も強く丈夫に伸びていくということです。

成長ホルモンは運動をすることで血液中に増えていくのですが、運動の強度が高まるほど分泌量が増えていきます。これは間違いがないことですが、激しい運動をすると毛髪の成長にとってマイナスのことが起こります。それは活性酸素の発生です。

活性酸素は全身の細胞の中でエネルギーが作られるときに、不完全燃焼状態によって発生する反応が強すぎる酸素のことです。活性酸素は吸い込んだ酸素のうち2〜3%が変化するとされていて、多く発生すると細胞を酸化させていきます。活性酸素の酸化というと皮膚の老化がよく知られていますが、毛根の細胞も酸化させるようになります。

筋トレによって体が温まってきたくらいのところで止めておけば活性酸素が大量に増えることはありません。過剰な筋トレをして、自毛植毛のために必要な毛髪を傷めるようなことになっては仕方がないので、無理なく続けられる筋トレを目指すのがよいということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

薄毛に見えるのは、毛髪の本数が少ないだけでなく、それぞれの毛髪が細くなっていることも大きな原因となっています。そのため、薄毛対策というと毛髪が抜けにくいようにすることと同時に、太くする方法も考えたいところですが、これまでの薄毛対策の中では太くする方法というのは、あまりありませんでした。

日本人の毛髪の太さは0.07〜0.15mmで、年齢を重ねると細くなっていきます。太さのピークは男性では10〜20代、女性では10〜30代と、男性のほうが太さのピークを早く迎えて、細くなっていくのも早い傾向があります。

それだけ同じ本数が生えていたとしても男性のほうが地肌が見えるようになり、毛髪も全体的に薄く見えるようになっていくということです。

毛髪の太さに影響するのはコルテックスという毛髪の中間層にある縦繊維の集合体のことで、毛髪の約85%を占めています。毛髪の構造は、よく海苔巻きの三層構造にたとえられています。

一番外側の海苔にあたるのがキューティクルで約10%、中の酢飯にあたるのがコルテックスで約85%、中の具材にあたるのがメデュラで約5%の割合となっています。海苔巻きが細巻きでも太巻きでも、海苔は厚みが同じで、具材もあまり大きさは変わりません。海苔巻きの太さを左右しているのは酢飯の量と考えることができます。

コルテックスは毛皮質と呼ばれるメラニン色素を含んでいる細い繊維状のタンパク質が束になっています。毛髪のしなやかさも、色の黒さもコルテックスが影響をしています。

コルテックスの量は遺伝や体質が大きく影響していて、太くなる遺伝子の持ち主であってもコルテックスの材料となる栄養が不足していたら、せっかくの太くなる体質も活かせなくなります。

材料が足りていても、刺激を与えないとコルテックスは増えないということでマッサージがすすめられていましたが、それでは効果が得られにくく、他にプラスする刺激法について研究がすすめられてきました。その方法として紹介するのは「ガムを噛む」という、これまであまり考えてこなかった誰もが簡単にできる方法だったのです。

研究対象となったのは、毛髪関連の症状を自覚していないロッテ中央研究所の27人(男性21人、女性6人)の研究員です。年齢は24〜51歳で、平均年齢は36.4歳となっています。

自分のところの社員が参加した研究というと、それなりのケアを心がけていることが想定されることから、通常では研究対象にはされていません。しかし、今回の研究はガムを噛むということと、毛髪の太さの関係ということで、あらかじめ毛髪の状態を考えてガムを噛むということがなかったことから、対象としては問題がない状況です。

ただし、これからの研究となると、今回の結果を踏まえて、社員の意識が変わったことも考えられることから、新たな研究対象が必要になるかもしれません。

研究対象者は、これまでの生活の中でのガムの咀嚼時間が多い群と、少ない群に分けて、毛髪径(太さ)を比較しています。咀嚼時間が多い群は平日の回数を調べています。その結果、ガムの咀嚼時間が多い群で毛髪が有意に太くなっているという結果が得られています。

具体的な研究方法としては、1日の平均ガム咀嚼時間が多い(51.1分±13.0分)群の14人(男性11人、女性3人)と、咀嚼時間が少ない(10.0分±6.8分)群の13人(男性10人、女性3人)に分けて、頭頂部、側頭部の毛髪を毛根付近から10本を切り落とし、毛髪の切り口から約1cmのところを計測して、平均値を比較しました。

頭頂部の毛髪径では咀嚼時間が多い群は96.4μm、少ない群は89.2μmでした。側頭部の毛髪径では咀嚼時間が多い群は99.0μm、少ない群は93.4μmと、もともと側頭部のほうが太い傾向があり、頭頂部のほうが差が大きくなっていました。

ちなみにμm(マイクロメートル)は1000分の1mmで、研究者対象者のガムの咀嚼時間が多い群では平均的な太さより少しだけ細いという状態でした。

今回の結果は、これまでのガムの咀嚼習慣と毛髪径についての調査研究で、ガムの咀嚼習慣と毛髪径の因果関係を調べたものではありません。しかし、その可能性があることから、日本抗加齢医学会の専門研究誌「アンチ・エイジング医学」(2021年17巻2号)に論文掲載され、注目を集めています。

研究背景としては、地肌のマッサージによって頭皮の血流量が増えることが確認されていて、頭皮マッサージを24週間行ったことで毛髪径が増加することが確認されていました。また、ガムを咀嚼することで脳の血流や頸動脈の血流が増加することが報告されていて、ガムの咀嚼は頭皮血流にも影響を与えて、毛髪径に影響を与えるとの仮説のもとに調査されたものです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

脂肪は肉に多く含まれていて、脂身を切り落として食べなければ脂肪が減らせると単純に考えてしまいがちです。もちろん、脂身を減らすのは肥満を防ぐにはよいことですが、脂肪が固まっている部位なら簡単に切り落とすことができます。

ところが、霜降りのように細かく脂肪が入っていると、これを全部カットするわけにはいきません。

では、脂肪が見えない状態の肉なら安心できるのかというと、肉は赤身の部分にも脂肪が含まれています。簡単に切り落とせる脂肪は「見える脂肪」で、問題になるのは「見えない脂肪」のほうです。

脂肪が見えない肉は脂肪が含まれていないわけではなくて、脂肪の量は少ないものの、ちゃんと含まれています。見えないからといって安心して食べていると、結局は脂肪を多く食べていることになります。

「見えない脂肪」には、調理で使われる脂肪もあります。よく使われるのはラードとヘットです。ラードは豚油で、ヘットは牛脂です。脂肪の最小単位の脂肪酸には、動物性食品に多い飽和脂肪酸が多く含まれています。

もう一つの不飽和脂肪は魚や植物に含まれる脂肪です。飽和脂肪酸は血液をドロドロにする性質があり、不飽和脂肪酸は血液をサラサラにする性質があります。

ヘットは特に飽和脂肪酸が多く含まれていて、ラードのほうは飽和脂肪酸がヘットに比べて少なく、その少ない分だけ不飽和脂肪酸が含まれています。

ということで、同じ脂身であっても、まだラードを調理で使ったほうが健康面ではよいことになります。見えない脂肪として赤身の中に含まれている脂肪酸も、牛肉よりも豚肉のほうが少なくなっています。

魚の脂肪酸は不飽和脂肪酸で、肉を食べるよりも魚を食べたほうが健康によくて、太りにくいようなイメージがあるかもしれません。肉と魚の脂肪は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の違いはあっても、太る原因ということで見ていくと、同じだけの量の脂肪を摂れば同じように太ります。

太るというのは、食事で摂ったエネルギー量に比べて体を動かすことによって消費されるエネルギー量のほうが少なくて、余分となったエネルギー源が肝臓で脂肪酸に合成されて、中性脂肪となって脂肪細胞の中に蓄積されていくことです。太るかどうかは、エネルギー量のバランスにかかっています。

肉の脂肪も魚の脂肪もエネルギー量は1gあたり約9kcal(キロカロリー)となっています。油が乗った魚は、とてもおいしいものですが、油が多い魚はおいしさというメリットの反面、太りやすいというデメリットもあるのです。調理に使われる植物油も、エネルギー量は同じです。

これが、どれくらい多いのかを知るために糖質とたんぱく質で比較すると、両方とも1gあたり約4kcalです。これに比べて、同じ重量なら脂肪は2.25倍も多いので、やはり食べすぎると太ってしまうのは仕方がないことです。

脂肪が多く含まれたものを食べれば、それだけ摂取エネルギー量が増えて、太ってしまうと書いておいて、これから「そうとも限らない」という話をします。今まで書いたことがウソだったということではなくて、脂肪を摂るタイミングによって脂肪細胞の中にたまっていく中性脂肪の量が変化するという話です。

ということは、脂肪が多く含まれた肉や魚を、いつ食べるかによって太り方が違ってくるということです。

余分に食べたものは、糖質もたんぱく質も脂質も肝臓で脂肪酸に合成されるわけですが、脂肪酸になるときに必要になるエネルギー量が違ってきます。脂質が脂肪酸に変化するときには同じようなものに変わることから、それほど多くのエネルギーは必要にはなりません。摂ったエネルギー量の3%くらいとなっています。100kcalの脂肪が余ったとすると97kcalが蓄積されることになります。

これに対して糖質が脂肪酸に変化するときに使われるのは20%ほどで、たんぱく質の場合には23%ほどとなっています。

これだけの差があるわけですが、昼間に脂肪酸が多く作られても、活動のために使うことができます。ところが、夕食で脂肪を多く摂った場合には、それ以降の活動量が少ないので、脂肪細胞に蓄積される中性脂肪が多くなってしまいます。

夕食で脂肪を多く摂ると太りやすい理由がもう一つあります。糖質に含まれているブドウ糖は膵臓を刺激してインスリンというホルモンを分泌させます。インスリンはブドウ糖を細胞に取り込んで使わせる役割が一般に知られています。

そのほかにインスリンには肝臓での脂肪と中性脂肪の合成を進めると同時に、中性脂肪が脂肪細胞の中に蓄積されるのを促進する役割もあります。
インスリンは、自律神経の副交感神経が盛んに働いているときに多く分泌されます。朝食と昼食を食べているときには交感神経が盛んな状態となっていますが、夕食を食べているときには副交感神経が盛んに働いているので、特にインスリンが多く分泌されています。

そのために、脂肪合成が進みやすくなるので、脂肪が多く含まれている肉や魚を多く食べると太ることにつながるのです。

太るということは、脂肪がエネルギーとして使われなかったということですが、毛髪の再生にもエネルギーは必要です。太った分だけエネルギーにならなかったということで、毛母細胞や毛包幹細胞がエネルギー不足になっていたのでは、再生が進みにくくなり、それだけ薄毛に近づいていくということになります。活動量を増やすのは大切なことです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

脂ぎっていると、薄毛になりやすいような印象があります。男性は頭皮の皮脂が多く、男性ホルモンの分泌が多くなると皮脂腺にたまる皮脂が増えるのは事実です。皮脂が多くなると毛穴が詰まったようになって、毛髪の生育にも影響を与えます。

皮脂は頭皮だけでなく、毛穴から外に出てくると毛髪にも付着して、どうしても脂ぎった感じになってしまいます。しかし、皮脂と薄毛の関係については、まだ十分には解明されていないところがあります。

もう一つ、脂ぎった印象を与えることとして太り過ぎがあげられます。食事で摂る脂肪が多くなると、脂肪細胞の中に蓄積される中性脂肪が増えて、これが太る結果になります。脂肪が多く含まれる食事と薄毛については研究が進められていて、肥満が薄毛を進めていくメカニズムが解明されています。

この研究成果を発表したのは東京医科歯科大学の研究チームで、東京理科大学やアメリカ・ミシガン大学との共同研究によって、肥満を引き起こす要因が毛包幹細胞に働きかけて、脱毛を促進させる仕組みを突き止めたと発表しています。

この研究は日本医療研究開発機構の老化メカニズム解明・制御プロジェクトの支援を受けたもので、国際科学誌の「Nature」(ネイチャー)のオンライン版に2021年6月23日に発表されています。

肥満に関連する研究というと、これまでは臓器の老化や、臓器と関わる病気(糖尿病、肝臓病、腎臓病など)が注目されてきたのですが、老化による影響ということでは脱毛も同じように考えられています。

初めに進められた肥満と薄毛の研究は男性型脱毛症(AGA)でした。男性型脱毛症は男性ホルモンが影響していて、そのことが強調されてきましたが、それ以外の原因(遺伝や生活習慣など)も考えられていました。

その原因として、薄毛が目立ってくる中年以降に肥満が増えていくことから、肥満と薄毛との関連性が注目されたというわけです。

研究グループでは、毛髪の再生の元となる毛包幹細胞に注目しました。毛包は毛髪を作り出す毛母細胞を包んでいる部分で、頭皮から見える部分は毛穴です。毛母細胞は、血管とつながる毛乳頭から栄養を受け取って、細胞分裂によって毛髪が作られていきます。

毛包幹細胞は毛包を再生させる役割があり、毛包幹細胞が十分にあるときには毛包が正常に形づくられて、毛母細胞も成長して脱毛が起こりにくくなっています。

ところが、加齢によって毛包幹細胞が枯渇した状態になると、脱毛が進みやすくなり、毛髪の再生が間に合わなくなります。これが薄毛の原因となっていくことが確認されています。

毛包幹細胞への影響を確かめるために、肥満の原因となる高脂肪食を与える試験を初めから人間で実施するわけにはいかないため、まずは動物試験が行われました。

高脂肪食と薄毛の関係を確かめるために使われたのは年齢が異なるマウスです。老齢マウスに1か月間だけ高脂肪食を与えただけでも毛の再生が遅れるようになりました。

これに対して若齢マウスでは1か月間では毛の再生が遅れることはなかったのですが、数か月以上にわたって高脂肪食を与えて、毛周期(ヘアサイクル)を何回か繰り返すことによって毛の再生が遅れて、毛が薄くなっていくことが確かめられました。

これを人間に当てはめて考えてみると、中年以降になって代謝が低下してくると、それほど長い期間でなくても脂肪が多い食事を続けていると、簡単に薄毛になってしまう可能性が高いということです。

なぜ、そのような年齢の違いによって薄毛が起こるのかということですが、研究グループでは老齢マウスに短期間の高脂肪食で毛包幹細胞の酸化ストレスや表皮分化に関係する遺伝子の発現が誘導されることを確認しています。

短期間というのは4日間のことで、マウスと人間を同じように考えることはできないかもしれませんが、それほど長い期間でなくても脂肪が多く含まれる食事をすると毛包幹細胞に影響が出てしまうということです。

若齢マウスでは3か月以上にわたって高脂肪食を与えていますが、その結果として毛包幹細胞の中に脂肪滴が溜まって、成長期に毛包幹細胞が分裂するときに表皮や脂腺に分化することで毛包幹細胞が枯渇することが明らかにされています。

脂肪滴というのは、中性脂肪などが多くなりすぎたときにできる液滴(涙型)の形をした細胞小器官です。これは以前から脂肪細胞の中にできることは知られていましたが、脂肪細胞だけでなく、他の器官にも作られることがわかってきました。

毛包幹細胞が減ってしまうということは、毛母細胞の成長が遅れて、抜け毛のあとに毛母細胞に成長によって毛髪の成長が始まるのが遅れることになり、これが薄毛を促進することになります。

毛包幹細胞が減るだけではなく、今回の研究では毛包幹細胞の分裂にも高脂肪食が影響を与えることが確かめられています。

毛周期の脱毛のあとに毛母細胞が急激に分裂して毛髪が伸びていく仕組みですが、脱毛まではブレーキがかけられていて、脱毛後にはブレーキがはずれて、アクセルが踏み込まれるようになっています。

高脂肪食を続けていると、ブレーキははずれてもアクセルが踏み込まれない状態になって、毛髪の成長がゆるやかになってしまいます。

若い男性では、短期間に多く脂肪が含まれた食事をしても薄毛になりにくいとしても、そんな食生活を続けていると必ずや薄毛が進んでいくということを示す結果ということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

毛髪の臭いは、毛母細胞から生えている毛髪の通り道にあたる毛孔(毛穴)から出てくる皮脂が毛髪に移った結果です。

皮脂は毛孔の中にある皮脂腺から分泌されていますが、男性ホルモンが多いと分泌量が多くなり、酸化しやすくなることから毛穴が詰まりやすくなります。酸化した皮脂は雑菌が繁殖しやすくなり、臭いも強くなっていきます。

男性ホルモンが多く分泌される男性は、毛髪の臭いも強くなりやすいので、頻繁に洗髪しないと毛髪の臭いが強くなってしまうということですが、頭皮も、それ以外の全身の皮膚も構造的には同じなので、毛髪が臭う人は体臭も強いとイメージされがちです。

体臭は、原因によって表面反応由来、皮脂腺由来、血液由来の3つに大きく分けられています。表面反応由来は皮膚に残っている汚れが原因で、皮膚に棲みついている常在菌が剥がれた皮膚や皮脂を分解して臭いを作り出しています。

紫外線を浴びると、さらに臭いが強くなります。皮脂腺由来は毛髪が臭うのと同じで、皮脂の酸化が原因となっています。

血液由来は、血液の中に含まれている臭い成分が皮膚から揮発して臭うもので、一般に言われる体臭は、これが原因となっています。

この臭いは“皮膚ガス”とも呼ばれていて、脂質(脂肪)を材料として体内でエネルギーが作り出されるときに生成されるアセトンが原因となっています。アセトンは飲酒をして寝ているときに体臭が強くなる原因となっている成分として知られています。

アセトンだけでなく、皮膚ガスには、たんぱく質が分解されるときに発生するアンモニアと、腸内細菌の悪玉菌によって大腸で発生するインドールやスカトールという臭い成分も含まれています。

アンモニアは尿から排泄されていますが、いわゆるオシッコ臭いのもとです。インドールやスカトールは、おならに含まれる成分で、「便秘をしていると皮膚からおならの臭いがする」と言われるのは、皮膚ガスのせいです。

大腸で発生する臭い成分は揮発性のために、大腸壁から吸収されて血液中に入ります。そして、血流によって全身に運ばれて、皮膚の近くまで運ばれたものは皮膚ガスとして発散されます。もともとが、おならの成分であったので、悪玉菌が多い状態であったり、便秘が続いたりしたときには皮膚ガスも増えてしまいます。

頭皮には多くの血管が流れているものの、頭頂部は毛細血管が少なくて、血流がよくないので、毛母細胞に運ばれる栄養成分が少なくなっています。ということは、頭皮からは皮膚ガスの発生は少なくて、頭皮や毛髪の臭いと、それ以外の皮膚の臭いとは原因が異なっているということが言えます。

体臭が強い人は腸内細菌の悪玉菌が多いということですが、このことと薄毛に関係性があるのか、ということについて考察することにします。

悪玉菌が多い人は、腸が冷えていることが指摘されます。腸内細菌の悪玉菌は、腸内の温度が高くても低くても増殖する性質があります。善玉菌は温かめの温度で増殖しやすくなっています。ということは、腸内の温度が低くなると、善玉菌が増えにくく、悪玉菌が増えやすくなって、皮膚ガスの原因となっている臭い成分が多く発生するようになります。

腸は体の奥にあっても、血管からみると端になっています。腸は口から肛門まで続いている管のようなものと考えることができます。毛細血管が密集していて、血流によって温度が変化するのは皮膚と同じです。

皮膚が冷えているときには、腸内も冷えています。頭皮の血流が低下して、毛髪の育成に影響が出ているときには、腸内の温度が下がって悪玉菌が増えて、臭い成分が多く作られているということです。

臭い成分が多く作られて、体臭が強くなっていることと、薄毛との間に直接的な関連性がないものの、腸の冷えを通じて、つながりがあるということになります。不快な体臭は加齢臭とも呼ばれていて、体臭が強くなってくるのは歳をとった結果と言われます。年齢を重ねるにつれて毛髪が抜けやすくなり、再生されにくくなってくることから、加齢が一番の原因とされることが多くなっています。

しかし、腸の温度が低くなることが体臭と薄毛の原因であるなら、何歳になっても血流をよくすることで解決が可能になります。血液の温度は民族によって違いはあるものの、日本人の血液温度は37℃ほどです。欧米人や大陸系のアジア人は、歴史的に肉食をしてきたことから脂肪を熱エネルギーにする能力が高くなっています。

それに対して日本人は、血液温度が低いことから、善玉菌を増やす能力も毛髪を生やす能力も低いと言わざるを得ません。だからこそ、できるだけ体を動かして体を温めること、血管を萎縮させるストレスを減らすこと、血液をドロドロにする肉の脂肪を減らして血液をサラサラにする魚の油や植物油を多めに摂るといった工夫をするべきだということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

毛髪のキューティクルは外側を覆っている組織のことで、毛髪をコーティングすることで内部の成分や水分が抜け出さないようにして、ツヤやハリのある状態を保つ役割をしています。キューティクルはケラチンタンパク質という角質化したタンパク質で、毛先に向かってウロコ状に重なり合っています。

摩擦や紫外線、洗髪のしすぎなどによってキューティクルは傷みやすく、一度傷むとなかなか元の状態に戻りにくくなっています。そこで、新たな治療薬や美容製品、育毛剤などの開発のためにキューティクルを作り出す酵素について研究が進められてきました。

多くの研究が進められる中で、茨城大学の研究グループが「毛髪キューティクル形成時に働く酵素の詳細な構造を解明」というテーマで研究発表を行いました。

毛髪は頭部を保護するための重要な器官の一つで、キューティクルはS100A3タンパク質が豊富に含まれていて、これがキューティクルの質を大きく左右しています。

このタンパク質に含まれているシトルリンというアミノ酸は、S100A3タンパク質の中にもともと備わっていたアミノ酸のアルギニンがPAD3という酵素によって変換されたものです。

シトルリンは体内に含まれていて、血管を丈夫にして、しなやかにする作用があり、スーパーアミノ酸とも呼ばれているものです。

S100A3タンパク質のシトルリン化がうまくいかないとキューティクルがうまく形成できなくなり、健康な毛髪を保つことができなくなります。

また、年齢を重ねていくと毛髪の質が低下していきますが、これは老化によって毛髪の中のシトルリン化したS100A3タンパク質の量が少なくなっていくことが影響していると考えられています。

“櫛でとかせない毛髪症候群”という毛髪がハリガネのようになる病気がありますが、これはPAD3の遺伝子の変異に起因していることが知られています。

タンパク質の中のアルギニンをシトルリンに変換する化学反応を促進する酵素は5種類ありますが、毛髪にはPAD1、PAD2、PAD3の3種類があります。このうちPAD3だけは他の酵素とは違って、S100A3タンパク質に4種類あるアルギニンの1種類を選択的にシトルリン化しています。

PAD3によってシトルリン化したS100A3タンパク質は構造と性質が大きく変化することが知られていて、それが毛髪を角化させています。
今回の研究では、ヒト由来のPAD3の遺伝子を大腸菌に入れて、目的のタンパク質であるヒトPAD3を多く得ることから始まりました。この成功によって、PAD3の性質を利用した操作ができるようになり、PAD3を精製して純度を高め、単結晶を得ることができました。

PAD酵素はカルシウムによって活性化されることから、カルシウムのある結晶とカルシウムのない結晶を作り、PAD3の活性がなくなる変異体の結晶でもカルシウムの有無の状態のものが作られました。その結果、PAD3の状態によって結晶が作られる条件が異なっていて、作られた結晶も違った形をしていることがわかりました。

これらの結晶でX線結晶構造解析を行い、活性型、不活性型など6種類のPAD3の立体構造が明らかにされました。

また、類似酵素のPAD4とS100A3タンパク質を試験管内で反応させて分離したのちに、たんぱく質の中のシトルリンを検出しました。さらにシトルリン化したS100A3タンパク質のアルギニンの種類も確定されました。

その結果、PAD3の構造や性質が、毛髪に存在するPAD1やPAD2よりも、毛髪に存在しない類似酵素のPAD4とよく似ていることが示されました。

カルシウムを結合するとPAD3は構造変化を起こして、活性に関わるアミノ酸の配置が完成することが確かめられました。また、PAD3の構造の中にカルシウムが結合する部位は5か所あって、5つのカルシウムイオンが順番に結合して、最後にカルシウムが結合する部位も明らかにされました。

最後の1つが結合することで活性化することがわかり、これらのことからカルシウムによってスイッチが入るPAD3の活性化機構の提唱につながりました。

また、PAD3の反応を抑える化合物(阻害剤)が結合している構造や不活性な状態の構造も確認され、類似酵素との違いが明らかになりました。この化合物を結合する部位にはPAD3だけに見られる構造的な特徴である空間があり、この空間を利用することでPAD3の選択的な薬剤を作ることができる可能性が高まりました。

この研究によって毛髪のキューティクルが作られる仕組みがわかり、毛髪の質で悩む人たちのために養毛剤だけでなく、新たな治療薬への応用も可能となりました。

まだ商品化されるまでには期間がかかりそうですが、研究の進み方を知ることで、期待をもって待つことができるようになりました。

毛髪の質が高まることは、自毛植毛のような画期的な薄毛解消法によるQOL(クオリティーオブライフ)を、さらに推し進めてくれることも期待されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕