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ヘアケア法として「塩シャンプー」の人気が高まっています。塩シャンプーは、その名のとおり、塩でシャンプーする方法です。

塩というと一般には多く出回っている精製塩を指します。これは通常は食塩と呼ばれているもので、精製された純度が高い塩で、輸入された原塩を溶解させて精製したものは塩化ナトリウムが99.5%以上のものと、海水から成分を濃縮した塩化ナトリウムが99%以上のものがあります。どちらにしてもサラサラの状態になっています。

これに対して天然塩は岩塩や海水などから取られた塩化ナトリウムのほかに塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウムなどのミネラルが含まれているもので、海水から作られたものでは塩化ナトリウムの割合は77%ほどとなっています。

塩シャンプーに使用するのは、ミネラルが豊富に含まれている天然塩のほうです。塩シャンプーの始まりは、サーファーに薄毛の人があまりいないことから研究されたと伝わっていますが、塩をシャンプー剤の代わりにして使うと初めのうちはヌルヌル感があって驚かれるということです。

そのために塩シャンプーをすすめられても、途中でやめてします人も少なくないのですが、これは頭皮の状態がよくなっていく段階で初めに起こる誰もが経験することです。東洋医学では身体がよくなるときに悪く感じる症状が起こることを好転反応といいますが、それとは違ってヌルヌルの原因は明らかにされています。それは頭皮に蓄積された皮脂が塩に溶けるようにして出てくるからです。

頭皮に残る皮脂は、皮脂腺が分泌されて、毛穴を通じて外に出てきます。皮脂は古い角質と混ざり合って角栓となって毛穴に詰まっていきます。角栓は塩シャンプーで取り除くことはできますが、角栓の下には皮脂が多く残っています。

この皮脂を取り除くまでには、どうしても1〜2週間ほどはかかります。

頭皮の皮脂は、通常のシャンプーをしたあとでも溶け出てきて表皮に広がります。この皮脂が毛髪に付着して、時間が経つと毛髪がベタつく原因となります。皮脂は夏場には溶けやすく、汗とともに流れ出すことから頭皮に多く残りやすくなります。夏場は頭皮に皮脂が残りやすく、毛髪に移りやすいので、塩シャンプーを始めるのに適した季節だといえます。

塩シャンプーは、天然塩をぬるま湯に溶かすことから始めます。塩の量は洗面器1杯について大さじ1杯が目安です。溶かした塩湯を頭皮にかけていきますが、ただかけ流すだけでなく、少し流しては頭皮を揉むようにして塩の成分を毛穴の中に行き届かせるようにします。

5分ほど浸透させたら、次はリンスとなりますが、一般的なシャンプーのあとのように毛髪をコーティングしなくてもよいので、お湯だけで流すか、酢を入れた手作りリンスを使う方法もあります。

一般的なシャンプー剤には合成界面活性剤が含まれていて、皮脂を洗い流すだけでなく、頭皮のセラミドなどの保湿成分も落としてしまいます。できることならシャンプーをしたら、頭皮ケアとして保湿成分が含まれた乳液などを使うことが望ましいということですが、そのようなことまでしている人はごく少数派です。

塩シャンプーをすることによって皮脂が減って、毛髪の生育がよくなると同時に、塩の効果によって血流もよくなります。このことによって毛髪の根本である毛根に運ばれる栄養成分や酸素が多くなり、このことによって抜け毛が減り、皮脂の分泌も抑えることができるようになります。

一般的なシャンプーを使い続けると、皮脂を多く洗い流してしまうために、頭皮のバリア効果が落ちて、それを補うために皮脂が多く作られすぎるからです。それを塩シャンプーをすることによって落ち着いた状態に戻っていくというわけです。

塩シャンプーの利点としては、このほかにも頭皮の臭いの軽減、白髪の改善などもあげられています。

効果だけでなく、難点も一部には指摘されています。それは染毛したヘアカラーの色が抜けやすくなることと、毛髪の手触りが低下することです。ヘアカラーが落ちやすくなっても、白髪の改善効果も報告されているので、ヘアサイクルが落ち着くまでは染毛の回数が増えるのは仕方がないことかもしれません。手触りのほうは皮脂が少なくなったことが関係しています。これが気になる場合にはリンスを工夫することで解消できます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるために、外食店でのアルコール提供を止めなければならない状況になったとき、外食の内容も変化しました。これは飲酒なしで食事をしなければならない、それでは収益も上がらないという話だけではなくて、アルコール飲料なしの食事で、食べるものの中身が変わってきたということです。

アルコールが含まれないノンアルコールの飲料といえばビール系の飲料が代表的です。ノンアルコールのワインや日本酒、焼酎、レモンサワーも登場して人気になっていますが、ノンアルコールのウイスキーはまだ数が少なくて手に入りにくい状態です。

アルコール飲料の提供ができないとなると、その代わりにノンアルコールビールが中心になりがちですが、アルコールが含まれていなくても、ほとんど味はビールなので、ビールに合う料理は、そのまま味を楽しむことができます。

ビールに合う焼き鳥や焼肉などは、従来の味付けのままで問題はないとしても、ワインに合う料理となると、ビールでは物足りない感じがします。ワインは料理の味を引き立て、その料理はワインの味を引き立てるとされていて、濃厚な味の料理には濃い目の料理が合っています。濃い目の料理というと、脂肪、糖類、塩分が多く使われます。

ワインで食べる料理を、そのまま他のノンアルコール飲料のときに出すわけにはいかないからと、アルコール提供自粛期間には料理の味付けを変えて出すところも多く見られました。

このことが毛髪の状態に影響を与えたのかということですが、過度な飲酒は毛髪の悪影響を与えるとしても、適度な飲酒は、かえってよい影響を与えることになります。

適度な飲酒というのは、日本酒に換算して1合(180ml)の量とされています。アルコール度数によるものの、ビールなら中ビン1本、ワインならグラス1杯、ウイスキーならダブル1杯といった量に相当します。

胃まで到達したアルコールは、そこで約20%が吸収され、残りの約80%は小腸から吸収されます。吸収されたアルコールは血液中に入るわけですが、そのうちの3〜9%はアルコールのまま呼気や汗、尿として排泄されます。

適度な飲酒はホロ酔い状態になって、血中アルコール濃度は0.05〜0.1%になります。このときには体温が上昇して脈が少し早くなり、血流も盛んになっています。アルコールには血管を拡張させる作用があって血圧を低下させます。

アルコールの量が増えすぎると血管がゆるみすぎて血流量が低下して、全身に届けられる血液が減ることになるので、急に血圧が上昇するようになります。血圧が下がるのは日本酒換算で1合まで、血圧が元に戻るのは2合まで、これを超えると血圧が急上昇するとされています。

飲酒のときに塩分が多めの料理を食べても、適度な飲酒量なら塩分(ナトリウム)のせいで上昇する分の血圧が抑えられるということになります。

血流が盛んになれば酸素も多く取り込まれるようになって、全身の細胞のエネルギー代謝も高まっていきます。そのため、飲酒のときに血流に悪影響を与える塩分や脂肪、糖分が多めに使われた料理を食べたとしても、脂肪や糖分がエネルギー源として使われて、デメリットをアルコールのメリットが帳消しにしてくれるということが期待できるわけです。

肉などに含まれる脂肪酸(飽和脂肪酸)は血液をドロドロにするタイプの脂肪で、糖分に含まれるブドウ糖は血液をベタベタにする作用があります。ドロドロでは血流が悪くなり、さらにベタベタの状態では赤血球が毛細血管を通りにくくなって、毛細血管の先にある毛母細胞に運ばれる酸素の量も栄養素の量も減ってしまいます。

毛母細胞に限らず、全身の細胞はエネルギー源になるブドウ糖を取り込んで、水溶性ビタミンと酸素を使ってエネルギーを作り出しています。細胞で作られたエネルギーは、その細胞の中でしか使うことができないので、毛母細胞が元気に働いて毛髪を育てるためには、すべての毛母細胞に水溶性ビタミンと酸素を届ける必要があります。

適度な量の飲酒をしているときなら、少しくらい脂肪や糖分を多めに摂っても問題はないのですが、アルコール飲料なしで食べるとなると、これらの摂りすぎには中止しなければなりません。

飲酒をしているとアルコールはすぐにエネルギー化しやすいために、体温が上昇して毛細血管も血流がよくなっています。ノンアルコールでは、そのメリットもなくなります。また、適度なアルコールは脳の大脳皮質を適度に麻痺させることでストレスや抑制が取れていきます。

本能や感情を司っている大脳辺縁系は、適度なアルコールの量では麻痺はしないので、気分的に優れた状態が保持されて、これが飲酒によるストレス解消というメリットを作り出しています。ところが、日本酒換算で3合以上の酩酊状態になると、大脳辺縁系も麻痺して、行動が怪しくなってくると同時に、全身の内臓や器官の働きにも悪影響が出てきます。

適度な飲酒だから安心して濃い味付けの料理を多く食べても毛髪に影響がないということではないものの、少なくとも影響を抑える効果はあります。ノンアルコール飲料で我慢するときには、こういったメリットが弱まっているということを意識して、おいしさにつながる塩分、脂肪、糖分は控えめにしておいたほうが毛髪の健康にはよいということを知っておいてほしいのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

喫煙の影響というと、肺の機能の低下、がん、高血圧、循環器病、糖尿病などがあげられていましたが、最近では酸素不足による全身への影響ということで、うつ病や認知機能の低下、さらに皮膚や毛髪への影響も言われるようになってきています。

国立高度専門医療研究センター6機関(国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立国際医療研究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センター)が連携して研究を進めていて、その研究成果として「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」が公開されています。

その発表の第一弾が「喫煙・受動喫煙」で、食事や運動などよりも重要事項として注意が呼びかけられています。

多くの研究によって明らかにされているのは、がんになるリスクは喫煙者(タバコを吸っている人)では非喫煙者(タバコを吸っていない人)の1.5倍(男性1.6倍、女性1.3倍)、がんの死亡リスクは男性で2倍、女性で1.6倍とされています。

女性は男性よりも全体的にリスクは低いものの、メタボリックシンドロームと指摘されるほど太っている女性が喫煙した場合には非喫煙者に比べて循環器病の発症リスクが5倍ほども高くなるとの報告があります。喫煙者の糖尿病リスクは非喫煙者の1.4倍との報告もあります。

自分はタバコを吸っていなくても、他人の吸ったタバコの煙を吸い込む受動喫煙も問題で、非喫煙の女性で夫が喫煙者であって場合には肺腺がんのリスクが2倍、肺がんのリスクが1.3倍高くなるという報告もあります。

タバコを吸うと体の中では、どんなことが起こっているのかということですが、喫煙をすると血管が収縮すると同時に、血液の粘度が高まることから血流が低下します。そのために毛細血管の先にある全身の末梢の細胞に新鮮な酸素と栄養素が充分に届けられなくなります。

これを改善して血流を盛んにするために、ストレスホルモンが多く分泌されて、自律神経の交感神経の働きが盛んになり、血圧が上昇して脈拍も増えるようになります。

さらに喫煙すると、肺に多く吸い込まれた一酸化炭素が血液中に入ります。一酸化炭素は酸素を運ぶ役割をしている赤血球のヘモグロビンに優先的につくために、酸素を充分に運べなくなります。すると、酸素不足になって、これを解消するために脈拍が高まるのです。その回数ですが、タバコ2本について脈拍は10拍増加するといいます。

いつもタバコを吸っていると、酸素を多く運ばなければならないために、骨髄では酸素を運ぶための赤血球を多く作り出すようになります。赤血球が多くなりすぎた状態は多血症と呼ばれています。さらに血流が低下した結果として白血球も増えて、血液中で増えた赤血球と白血球によって血液中が混雑した状態となります。そのために血液粘度が高まって、毛細血管の流れが悪くなります。

毛細血管は赤血球よりも細くて、その中を赤血球はつぶれるようにして通過していきます。赤血球が多くなると、どうしても通過するのに時間がかかって、毛母細胞を含む末梢の細胞に送られる酸素と栄養素が減ることになります。

血液ドロドロというと、肉など脂肪が多く含まれる食品の食べ過ぎによって血液中の脂肪が増えることだと一般に認識されていますが、実際には赤血球の増えすぎによって血流が低下していることも大きく関係しているのです。

タバコを吸ったことで、どれくらいの酸素が不足するのかということですが、禁煙外来で喫煙者の呼気に含まれる一酸化炭素の濃度を測定すると、タバコを1日1箱(20本)を吸っていた場合には20〜25ppmになっていました。これは血液中の一酸化炭素ヘモグロビン濃度では4〜5%に相当する量です。

一酸化炭素ヘモグロビン濃度の正常値は2%未満とされていることから、4〜5%というと軽度ではあっても一酸化炭素中毒と判断される状態です。

一酸化炭素ヘモグロビン濃度が高いということは、それだけ酸素の量が少ないということです。正常な状態では赤血球が運んでいる酸素の量は100%ですが、これが喫煙者は94〜95%に低下しているということです。

これだけの低下は、健康な人が標高2000mの高山に登ったときの酸素飽和度に相当しています。登山をしているときには酸素不足によって体力が続かず、注意力や集中力が低下するなど脳の機能も低下していることを感じてしまいますが、それと同じことが平地にいても起こっているのが喫煙者であり、喫煙者の近くで暮らしているための受動喫煙をしている人の状態なのです。

吸い込まれた酸素は、生命維持に必要なところに優先的に運ばれます。毛母細胞は、薄毛を気にしている人にとっては重要なところではあっても、身体的には最も遠いところで、酸素量が不足したときに届けられる量が少なくなるのは仕方がないことです。

酸素の供給量の減少は、タバコだけでなく、大気汚染でも室内に浮遊する科学物質でも起こることです。ストレスによっても血管が収縮して血流が低下することを考えると、毛髪の環境が悪化するのは仕方がないことで、これまでのヘアケアでは薄毛を防止することができない人も増えてしまいます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

新型コロナウイルスの感染が拡大してき時期に、「コロナ抜け毛」という言葉が広まりました。コロナのストレスやマスク着用で吸い込む酸素が減ることによって毛母細胞に送られる酸素が減るために、抜け毛に対して毛髪の成長が間に合わなくなって、だんだんと薄毛になってくるということを指しています。

コロナ禍が長引いて、1年半では済まずに、2年以上も継続するのではないかと考えられている時期には、さらに進んだ「コロナ薄毛」の不安も湧き上がっています。

コロナ禍での外出自粛は毛髪には、よくないことばかりでした。まずは運動不足です。運動というと体操やスポーツのように積極的に体を動かすことを思い浮かべるかもしれませんが、外出自粛で大きく減ったのは外を歩くことです。

ウォーキングは簡単にできる効果的な有酸素運動で、酸素を多く取り込むことで全身の代謝が高まります。元気に歩き始めて10〜15分ほど経過すると体が温まってきます。これは酸素が全身の細胞に届けられ、酸素が多く細胞に取り入れられてきた証拠で、毛母細胞の代謝も高まっています。

ただ、マスクを着用したままのウォーキングでは、マスクのために二酸化炭素が口から全部外には出なくなり、酸素を吸い込むときに二酸化炭素も吸い込んでしまいます。そもそもマスクを通して吸い込まれる酸素が減ってしまいます。

外出自粛ということは自宅にいる時間が長くなり、それが過食につながり、外出自粛で太ったという人が増えています。自宅での飲酒が増え、さらに喫煙習慣がある人は自由に吸えることからタバコの本数も増えてしまいます。

タバコを吸うと太りにくくなると主張する人も少なくありません。これは、ある程度は事実で、食後にタバコを吸うと胃が急激に動き出して、まだ充分に消化されていない状態で小腸に運ばれます。そのために吸収が低下して太りにくくなり、タバコをやめると太るということも起こります。しかし、これは喫煙中に食べすぎていた結果です。

タバコを吸うと体内に取り込まれる酸素量が減ります。外出自粛で吸い込む酸素量が減っているときに、タバコの影響を受けたら、さらに酸素量が減ってしまいます。タバコを吸うと血液がドロドロになるという指摘もあります。血液ドロドロの原因は過食による血液中の脂肪の増加が指摘されています。

太ってしまうほどの過食も問題ですが、喫煙によって血液中の酸素量が減ると、これを補うために赤血球の数が増えます。それによって血液中が混雑した状態になって、血流が低下して、体の末端の毛母細胞まで届けられる酸素量が減ってしまうのです。

外出自粛で毛髪のケアに当てられる時間が長くなったことをプラスと考える向きもあるのですが、買い物に出かけることが少なくなったこともあって、ヘアケア商品の購入量も減りました。

ヘアケアに当てる時間が増えたという人であっても、それを上回るほどのストレスがあり、その解消に食べる量が増え、飲酒量が増え、タバコの本数も増えるといったことから悪循環に陥ってしまいがちです。

外出自粛で抜け毛の本数が増えたことを目にしている人も多いかと思います。クイックルなどで床を掃除すると毛髪が多く付着します。このことを「抜け毛が増えたのではなく家にいる時間が長くなったせい」と主張する人もいます。

毛髪の数は10万本と言われています。これは薄毛の人を除いた平均の本数ですが、このうち1日に0.1%は抜けるとされています。10万本の0.1%は100本です。

1日のうち12時間を自宅にいて、12時間を外出していたとすると、単純計算で50本は家で抜けて、50本は外で抜けていることになります。外出をしない日には自宅にいる時間は2倍になります。となると100本が家で抜けているので、単純に家の中で発見する抜け毛の本数は2倍になることになります。

これに外出自粛のストレスが加わったら、以前の3倍の150本になったとしてもおかしくありません。実際に抜け毛の本数を数えている人は少ないかと思いますが、抜け毛が大きく増えているとしたら、すぐにもストレス対策をしたいものです。

ストレスがかかった状態では、自律神経の交感神経の働きが盛んになって、血管が収縮して血流量が低下します。ストレスが強くなると血圧が高まるのは、交感神経が強く働いて、血流が低下している将校です。血流量が少なくなると呼吸数も増えます。外出自粛で呼吸数が増えているとしたら、相当にストレスが高まっている状態です。

ストレス解消には体を動かすことが必要で、外出できないから自宅でできる簡単な体操だけでもしたいものです。交感神経の働きを抑えるだけなら深呼吸をすることでも効果があります。気がついたら深呼吸をするのを心がけます。もちろん、ストレス解消のための過食、飲酒、喫煙を避けることをした上でのことにはなります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

頭皮も顔の皮膚も、どこが境なのかわからないくらいに連続した状態で、表皮、真皮、皮下組織という3層構造になっているのも同じです。あえて言うなら、毛髪が生えているのが頭皮で、それ以外が皮膚ということになります。

前部から抜け毛の範囲が広がっていったら、その部分は頭皮というよりも顔の皮膚の面積が増えただけ、ということにもなりそうです。

肌のケアというと、洗浄、保湿、日焼け止めが三大要素となります。肌は毛穴から皮脂が出てくるころから、これを洗わなければ皮脂が酸化して、これに皮膚の一部が剥がれたタンパク質が混じって、肌も酸化させる原因となります。

皮脂の量の違いは、頭皮と肌の大きな違いということになりますが、皮脂が多くて酸化しやすいとなると、どうしてもシャンプーでの洗浄は必要になります。

毛髪だけの汚れなら2〜3日、シャンプーをしなくても済むかもしれませんが、肌は毎日洗っているはずです。それと同じように、毎日のシャンプーは頭皮の洗浄のために必要なことなのです。

肌は排泄器官だという考えもあり、洗浄は欠かせないことになるわけですが、洗浄したままにしておくと水分が失われてカサつく原因となります。

これを防ぐために化粧水が使われます。肌と頭皮が同じものであれば、頭皮の健康状態を保つためにはシャンプーを使ったあとには化粧水を塗ることも必要になります。といっても、毛髪が多い状態では化粧水を塗り込むのは大変で、肌用のパフに染み込ませてパッティングするという方法は使うことができません。

特に気になる頭頂部を中心に、化粧水を養毛剤のように塗って、軽くマッサージをするというのが通常の方法になります。

頭皮も強い紫外線を浴びる季節には日焼けをします。毛髪が多い状態だと、日焼けの状態を確認しにくいのですが、薄毛の人の場合には夏場は日焼けをしているのを他人の場合には外から覗き見で、自分の場合には鏡にうつして確認することができます。

日焼け止めはクリームタイプがありますが、皮脂が多い頭皮にクリームを塗ると、さらに脂肪が多い状態になって、頭皮にダメージを与えることにもなります。スプレー式の日焼け止めなら直接、頭皮に吹きかけることができます。

顔の皮膚の奥側には、薄いといっても筋肉があります。筋肉を動かすことで皮膚も動かして皮膚の張りを強めることもできます。それに対して、頭皮には、下側に筋肉がある部分とない部分があって、その違いが毛髪の状態の違いにもつながっています。

頭皮の筋肉は3つがあって、眉から頭上にかけての前頭筋、耳上からこめかみの側頭筋、後ろ側の後頭筋に大きく分けられます。前頭筋は眉を動かしたときに連動して動く筋肉です。側頭筋は物を噛んだときに動く筋肉です。後頭筋は意識して動かしにくいのですが、前頭筋を動かすと連動して動きます。

連動して動くのは、前頭筋と後頭筋は帽状腱膜でつながっているからです。帽状腱膜は頭頂部をおおっているごく薄い筋膜で、筋膜といっても筋肉のように動かすことができるものではありません。帽状腱膜は使わないでいるとゆるんできて、硬くなってきます。

よく頭皮が硬くなるというのは、このことを指していて、頭皮が硬くなっている部分は血流が悪くなり、そのための毛母細胞に血液が送られにくくなります。これが毛髪のヘアサイクルを乱して、薄毛の原因にもなります。

帽状腱膜をマッサージすることは頭皮の血流をよくする方法であり、頭皮から生えている毛髪に血液を送り込む重要な方法となるので、それを心がけて時間をみつけては、短くてもよいのでマッサージをするようにします。

毛髪が生えている部分の頭皮の筋肉というと前頭筋と後頭筋になりますが、前頭筋と後頭筋は、どちらも薄い筋肉で、皮膚の筋肉と似たようなところがあります。よく動かしていると筋肉の血流がよくなり、その外側の頭皮の血流もよくなっていきます。

側頭筋は噛むだけでも口を開け閉めするだけでもよく動かすことができます。問題は後頭筋で、後頭筋そのものは動かしにくくても、帽状腱膜を動かすことによって後頭筋と、その上側の頭皮の血流も盛んにしていくことができます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

毛髪のケアのために使われる成分というと目新しいものが注目されがちですが、以前からあるものへの注目も始まっています。その注目されているものは“カフェイン”です。

カフェイン入りのシャンプー、コンディショナー、トリートメントが登場していて、さらにカフェインの入った飲料も毛髪ケアに効果があるとして人気が高まっています。

その効果として発表されているのは、血流促進、抗酸化、男性型脱毛症の予防です。

カフェインは、天然由来の有機化合物で、コーヒーや緑茶、紅茶、ココア、チョコレートなどに多く含まれています。カフェインが多く含まれるコーヒーや緑茶は眠気覚ましによいことから覚醒作用は広く知られています。他にストレス緩和や血管拡張作用があって、血管拡張によって血流がよくなることで体温が高まりやすくなっています。

頭皮の血流は毛髪の成育には重要なことで、血流が促進されることで毛細血管の流れがよくなり、毛細血管の端にある毛母細胞にも血液が多く送られていきます。血液が運んでいる酸素と栄養素が毛髪の生育には必要で、これが第一のカフェインの発毛の効果といえます。

血液の流れは血液がサラサラの状態で保たれています。血液が酸化した状態になるとドロドロ状態になりやすいのですが、その原因となっているのは活性酸素の存在です。

通常の酸素はプラスの電子4つとマイナスの電子4つがバランスの取れた状態になっています。活性酸素はマイナスの電子が一つ欠けた状態となっていて、欠けた電子を他のものから奪います。この電子を奪われた結果が酸化で、活性酸素を元の状態に戻してくれるのが抗酸化成分です。

コーヒーにはクロロゲン酸というポリフェノールが含まれていますが、この抗酸化成分の働きはカフェインによって高められるとされています。カフェインには自律神経の交感神経の働きを高める作用があり、交感神経によって活性化した全身の細胞が抗酸化成分を取り込んで、その働きを高めると考えられています。

もう一つの効果が実は重要で、男性型脱毛症(AGA)の抑制作用が認められています。男性ホルモンのテストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)に変化するときに作用しているのが5αリダクターゼという酵素です。DHTは毛母細胞に栄養を送る毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体に取り込まれて、毛母細胞の働きを低下させます。カフェインには5αリダクターゼの働きを抑制する作用があり、そのためにDHTが作られにくくなって、毛乳頭細胞の働きが正常に保たれるというわけです。

ジヒドロテストステロンは尿とともに排出されます。利尿作用のあるお茶を多く飲むことによって、作られたジヒドロテストステロンを減らすこともできるということです。

こういったカフェインの働きを期待して、毛髪ケアのシャンプーなどにカフェインが使われているわけですが、カフェインは飲んで体の中から作用させることで、より効果が高められます。もちろん、シャンプーなどに使われているカフェインを口から入れるということではなくて、お茶などから取り入れるようにします。

飲料の中でカフェインが豊富に含まれるのは、緑茶の中でも濃い玉露で、100mlあたり160mgとなっています。他のお茶では煎茶、ほうじ茶、ウーロン茶が20mg、玄米茶が10mgとなっています。同じ量でコーヒーなら60mg、紅茶が30mgと、日常的にカフェインを取り入れるのに適した飲み物となっています。

こういったことを知ると、カフェインが多く含まれる飲料を多く飲んで、できるだけ早く好結果を得たいと考えるところですが、カフェインが毛髪に好結果を与えるまでには3か月間はかかるとされています。そのため、少ない量でも構わないので、毎日飲み続けることが大切になります。

カフェインにはメリットがある反面、デメリットもあります。それはカフェインそのものの悪影響ということではなくて、摂りすぎによる結果です。覚醒作用があるということは、それが強くなると目が覚めてしまい、眠りたいときに寝つけないことになります。

カフェインの摂りすぎによって亜鉛の吸収が妨げられるという報告もあります。亜鉛は細胞分裂に必要なミネラルで、毛髪のように細胞分裂が盛んなところには特に多く必要になります。その量が不足すると、抜けたあとの毛髪が成長する重要なところで生えにくくなるという困った結果にも結びつきます。

これは毛髪の生育と間接的な関わりになるかもしれませんが、カフェインによって交感神経の働きが盛んになりすぎると、胃と腸の働きが低下します。胃液の分泌、腸からの吸収、腸の蠕動運動は副交感神経が調整しています。その逆の働きをするのが交感神経で、胃液が減って消化力が下がり、腸からの吸収が低下します。そのために毛髪に必要な栄養素の取り込みが減ることになります。

腸の蠕動運動が低下すると、大腸の通過が悪くなり、便通が遅れがちになります。大腸に棲息する腸内細菌の悪玉菌は毒素(有害物質)を作り出しますが、大腸から水分が吸収されるときに毒素も吸収されます。毒素は肝臓で分解されるものの、毒素が多くなりすぎると分解が間に合わず、再び血管に運ばれます。

便秘をすると肌荒れするというのは毒素が多く血液とともに運ばれている証拠で、そのときには毛母細胞にも毒素が運ばれています。その結果として、毛母細胞の働きも低下することになるので、交感神経の働きすぎには注意しなければならないということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

養毛剤の有効成分は、研究成果に基づいて配合されているものですが、天然成分となると、長年の実績が優先されて、科学的な作用が充分に確認されないまま使われているというものも少なくありません。

このことは漢方薬でも同じところがあり、養毛剤の有効成分の中で解明されないまま使われてきたものとして多いのは生薬由来の成分です。

その生薬由来の成分の中で、近畿大学薬学総合研究所と加美乃素本舗の研究チームが解明に取り組んだのは延命草で、加美乃素本舗が55年間にわたって有効成分として使用してきた延命草のエキスの作用を確認することによって、脱毛の症状を改善する新たな養毛剤の開発が大きな目的とされています。

今回の研究で、延命草のエキスには毛乳頭細胞を活性させる効果があることが突き止められ、その主成分であるenmein(エンメイン)という化合物に毛乳頭細胞の増殖促進、増殖シグナルの活性化、成長因子の産生亢進の3つの効果があることが明らかにされています。

毛根には毛母細胞と毛乳頭細胞があり、毛母細胞が細胞分裂によって毛髪を作り出し、毛乳頭細胞が成長因子を産生して毛髪を太く成長させています。毛乳頭細胞は毛髪の付け根の毛乳頭に存在する細胞で、ヘアサイクルを調節する成長因子のFGF−7を産生しています。

FGF−7(Fibroblast Growth Factor-7)は人間のタンパク質の一種で、発毛の司令塔となっています。薄毛になっている部分はFGF−7が減っていて、毛乳頭細胞の活性化が薄毛を解消することが判明しています。

延命草はシソ科の多年草のヒキオコシで、その名の由来は平安時代の僧侶の弘法大師・空海が道端で病に苦しんでいる旅人に草を噛ませたところ、病人が起き上がって元気になったという逸話から名付けられたものです。延命草は苦味が特徴で、この苦味成分のもとになっているのがenmeinなどの化合物です。

研究チームが初めに行ったのは20種類の生薬のエキスを毛乳頭細胞に添加培養して、その増殖率を測定することでした。その結果、延命草のエキスに毛乳頭細胞の増殖を促進させる効果があることが確認されました。

この効果を指標にして、延命草のエキスを分子レベルまで分離・精製して、含有成分を明らかにするとともに、延命草のエキスに含まれるenmein(エンメイン)、isodocarpin(イソドカルピン)、nodosin(ノドシン)、oridonin(オリドニン)という化合物が毛乳頭細胞の増殖を促進する成分であることが確認されました。

さらに主成分のenmeinを用いて、作用メカニズムについて詳細な機能性解析が行われました。その結果、毛乳頭細胞にenmeinを投与することによって、細胞の増殖を制御する生体内シグナル伝達(増殖スイッチ)の一つである「Akt/GSK-3β/β−cateninシグナル伝達経路」を活性化させることがわかりました。

また、毛髪の成長と脱毛の周期であるヘアサイクルの成長期を延長する血管内皮増殖因子の毛乳頭細胞からの分泌を亢進させる効果も確認されています。

この結果から、男女を問わず、さまざまな原因によって起こる薄毛に効果があることがわかり、薄毛のタイプに関わらず使えることから、新たな養毛剤の開発につながることが期待されています。

毛髪の成長は常に続いているわけではなくて、1本ずつの毛髪に注目すると成長と脱落を繰り返しています。毛髪が伸び続ける成長期には毛乳頭が活発に活動して毛髪が成長します。この期間は3〜5年です。

次の退行期は毛乳頭の活動が弱くなり、毛球部が萎縮して徐々に小さくなる時期で、この期間は2〜3週間となっています。それに続いての毛乳頭の活動が休止する休止期が2〜3か月間あり、その後に脱毛します。

脱毛する前には毛乳頭が再び活動を始めていて、新しい毛髪の元が作られて、ある程度の大きさになると古い毛髪が押し上げられて、自然に抜けていきます。このヘアサイクルにおける脱毛は単に抜けてしまったということではなくて、次の成長が始まった結果ということです。

脱毛したときに、どれくらいの成長が起こっているのかが毛髪の健康的な成長には重要なことで、毛乳頭細胞が活性化されていれば、次に成長する毛髪が元気な状態になり、しかも毛乳頭細胞から分泌される成長因子のFGF−7には毛髪を太くする作用もあることから、太い毛髪を成長させることができるようになります。

毛髪が以前に比べて細くなってくることが薄毛の始まりの兆候と考えられていますが、これは毛乳頭細胞の働きをみると、当然のことといえます。
毛乳頭細胞の働きは血流不足や男性ホルモンの影響などによって低下していきます。その変化が起こりやすいのは、薄毛が多い頭頂部や前頭部の毛髪は活性化が低下しやすくなっています。

それに対して後頭部の毛髪は毛乳頭細胞が活性化しやすく、他の部分は薄毛が目立ってくるようになっても、前と変わらずに盛んに働いています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

脱毛症の中でも男女の壮年性脱毛症は発症頻度が高く、これを気にかける人も急増しているものの、医学的には重篤な疾患とはされていません。そのためにQOL(Quality of Life=生活の質)を向上させることを目指した治療法の開発が期待されています。

壮年性脱毛症の治療法としては、国内では複数の薬剤が用いられていますが、継続的な服用が必要であることや、女性の場合には薬剤の選択肢が限られていることなどから、男女ともに充分な結果が得られていないのが実際のところのようです。

壮年性脱毛症に対応する方法としては、自分の毛髪の細胞の能力を発揮させるものとして自分の毛髪を移植する自毛植毛が注目されています。将来的な研究の一つとして、自分の毛髪の細胞そのものを用いる方法の研究は以前から進められてきましたが、再生医学の研究に取り組む複数の大学の研究機関が協力して、新たな方法が期待されるようになりました。

その研究に取り組んでいるのは東京医科大学を中心とした研究チームです。東京医科大学では、2016年から2019年にかけて、毛球部毛根鞘(DSC)細胞加工物(S−DSC)を用いた自家毛髪培養細胞の頭皮薄毛部への注入施術の安全性と有効性を検討する臨床研究が実施されていました。

その結果、薄毛部の小さな面積に一度だけ注射した際の有効な細胞濃度を決定して、安全性を確認したとして発表されています。

東京医科大学の研究チームは、東邦大学、資生堂と共同で、脱毛症や薄毛に悩んでいる人を対象に、医師主導の臨床研究を行ってきました。その結果、自家毛髪培養細胞を用いた細胞治療法が男女の壮年性脱毛症の新しい治療法になり得ることを示すことができたとしています。

この探査的臨床検査は 50人の男性と15人の女性の被験者に対して、脱毛部頭皮の4つの異なる部位に、異なる量のDSC細胞またはDSC細胞を含まないプラセボ懸濁液を1回注射して、12か月後まで総毛髪密度、積算毛髪径、平均毛髪径を測定しました。

その結果、DSC細胞を注射した部位の総毛髪密度、積算毛髪径は6か月後と9か月後にプラセボと比較して有意に増加しました。男女でも有効性に差はなかったといいます。

その結果を受けて、今回実際されたのは検証的臨床検査で、さらなる臨床における治療法の確立を目指すために、薄毛が目立つ頭頂部と、その周辺のより広い範囲の薄毛部に自家毛髪培養細胞を複数回注入して、見た目でわかる治療効果と安全性を示す必要があることから、杏林大学の研究チームを加えて、四者(東京医科大学、東邦大学、杏林大学、資生堂)共同で新たな臨床研究が始められることとなりました。

臨床研究の実施医療機関は東京医科大学病院、東邦大学医療センター大橋病院、杏林大学医学部付属病院の3施設になります。

研究では、同意を得た被験者の後頭部から少量の皮膚組織(直径数mm)を採取して、それを細胞加工施設(資生堂細胞培養加工センター)に輸送して、毛包DSC組織を単離、培養して、細胞加工物(S−DSC)を獲得しました。

20歳以上の男女合計40名の被験者に対して、頭頂部と、その周辺の広範囲の脱毛部位に細胞加工物(S−DSC)注入しました。そして、一定期間後に、もう一度同一部位に注入されました。

対象となったのは壮年性脱毛症と診断された人で、脱毛症以外には健康状態が良好な人で、臨床研究期間には毛髪成長に影響を及ぼすと考えられる医薬品、医薬部外品、育毛剤の使用を控えることと、臨床研究結果に影響を影響する可能性がある施術を控えることが求められているのは当然のことです。

観察期間は1年半で、安全性のフォロー期間は2年となっています。

この臨床研究は、男女の壮年性脱毛症の患者に対して細胞加工物(S−DSC)を脱毛した部位に反復して注入し、脱毛症の持続的な外観改善効果を目指す治療法の開発を目的としていますが、この治療法は薬剤治療と自毛植毛の課題の解決にも取り組むことができる可能性が期待されています。

薬剤治療では使用の継続が必要で、一部の薬剤は女性が使えないことが指摘されています。自毛植毛では移植する毛髪数の限界なども指摘されています。今回の臨床研究の成果は、自毛植毛と組み合わせて使用することで、さらなる好結果を得ることが期待されているということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

白髪や薄毛については、まるで都市伝説と思われるようなことが言い伝えられています。その代表的なものが「白髪はハゲない」というものです。白髪になればハゲることはないという意見がある一方で、白髪でも白髪でなくてもハゲる人はハゲるという意見もあって、白髪が増えてきた人に不安を与える結果となっています。

この疑問を解決するには、白髪と薄毛のメカニズムを見ることが近道です。白髪は毛母細胞の色素形成細胞のメラノサイトが関係しています。メラノサイトで作られるメラニンが黒髪のもとで、メラニンが多く作られなくなると毛髪の色が徐々に薄くなっていきます。

そして、メラノサイトでメラニンが作られなくなると、だんだんと色素が抜けて白髪になります。

薄毛のほうは、毛母細胞の活動が遅れるか停止して、毛髪の伸びが遅れたり、伸びなくなって抜け毛のスピードに発育のスピードが間に合わなくなることで起こります。両方ともに毛母細胞が関係しているものの、起こる原因が異なっているので、直接的な関係はありません。

白髪の原因を見ていくと、親からの遺伝が関係していることがわかります。また、薄毛のほうも遺伝が関係しています。白髪にも薄毛にも遺伝が関係していることから、これも関係があるのではないかと考えられがちですが、白髪の場合はメラニンの材料がメラノサイトに送られにくくなるという体質が関係しています。

これに対して薄毛のほうは毛髪の発育に影響する男性ホルモンの分泌が関係しています。同じ遺伝であっても、作用しているところが違っています。

両方の体質が遺伝することも可能性としてはあるものの、その可能性は、ごく少ないはずです。

白髪になるとハゲないと言われるようになったのは、薄毛が進むと白髪が増えてきたとしても白髪となる毛髪が少なくなっているので、ハゲている人は白髪にはならないと見られがちです。

極端な薄毛の人は毛髪の色までは目がいかなくなります。白髪が多くても、白髪よりもハゲのほうが注目されてしまいます。「白髪はハゲない」ではなく、「ハゲている人は白髪が少ない」というのが正解ではないでしょうか。

また、目の錯覚も関係しています。黒髪の場合には頭皮の色との差が大きいので、薄毛になると頭皮が見えてきて、それだけ薄毛が目立つようになります。これに対して白髪の場合には頭皮の色との差が小さいので、白髪で薄毛になってきても目立たないということです。

毛髪は年齢を重ねていけばメラノサイトの能力が低下するので、どうしてもメラニンが作られなくなっていきます。総白髪の人は、ハゲずに毛髪が残ったということで、このことが白髪はハゲないと言われる要因とされているのです。

白髪が増えてきたときの、よくある対処というと、白髪が目立たないように髪型を変える、黒髪で白髪を隠すという消極的な方法から、白髪を黒く染める、白髪を抜くという方法まで、さまざまあります。

白髪の本数が少ないときには目立つところを抜くという方法を取る人が多いかもしれませんが、白髪の本数が増えてくると抜いてばかりはいられません。というのは、「白髪を抜くと白髪が増える」と言われるからです。

これは本当のことなのかということですが、白髪を抜いたあとから元の黒い毛髪が生えてきたら問題はないものの、毛髪の毛母細胞のメラノサイトの状態が同じであれば、メラニンを作り出す力も変わらないので、また生えてくるのは白髪ということになります。

もちろん、毛母細胞の状態が改善されて、メラノサイトが活性化されて、メラニンが増えてきたとしたら黒い毛髪が生えてくる可能性がないわけではありません。しかし、可能性としては低いものと考えられています。

「白髪を抜くと白髪が増える」というのは、白髪を1本抜いたら、そこから生えてくる白髪が2本になるという意味ではありません。もしも抜いたよりも多くの毛髪が生えてくるのだったら、薄毛の人は白髪を抜けば薄毛が解消されることになるわけですが、そんなことはありません。あくまで抜いて次に生えてきたとしても、それは同じだけの本数でしかありません。

白髪を抜くと、他の黒い毛髪が白髪になっていくというのは、たまたま白髪が増えやすい時期で、抜いた部分の周りが遅れて白髪になっていったということです。

白髪が気になって抜くのはわからないではないのですが、抜くことによって毛根を傷つけてしまい、炎症が起こるなどして、毛母細胞の成長に悪影響を与えることがあります。

その悪影響がメラノサイトがメラニンを作り出す能力を低下させて、色素が薄くなるということならまだしも、悪くすると抜いたことによって二度と生えてこないということにもあるので、気になるから抜いてしまえというのはやめたほうがよいということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

白髪が目立ってきたときには、二つの選択が迫られます。白髪を隠さずに何もしないか、それとも白髪を染めて黒くするか、です。白髪になるとハゲないと言われる一方で、部分的に白髪があると毛髪が薄く見えるということもあって、白髪のままでいるのは薄毛傾向にある人にとっては勇気が必要なことかもしれません。

とはいっても、白髪を染めることについては、抵抗感がある人は少なくありません。というのは、「白髪を染めると白髪が増える」と昔から言われているからです。

染める回数が増えたり、染める範囲が増えた分だけ白髪が広がっていくわけではないものの、染めたことによって白髪が増えるようなことになってはいけないと考えて、躊躇する人がいるのは当たり前かもしれません。

白髪染めと白髪の関係について考えていく前に、まずは白髪になる仕組みについてみていくことにします。毛髪は透明なパイプのようなもので、パイプの中に黒い色素が詰まっていれば光を吸収して黒く見えるようになります。

黒い色素が少なくなってくると黒色から茶色、黄色に向かって変化していき、色素が抜けてしまうと光を反射して白く見えるようになります。
毛髪の根元には毛母細胞があって、ここで毛髪が作られています。毛髪が作られるときには黒色の色素のメラニンが内部に取り込まれて、毛髪が黒くなります。

日本人は黒髪の人が圧倒的に多いのは、黒色に見えるメラニンが多いからです。メラニンには種類があって、日本人は赤褐色のユウメラニン(真メラニン)が多く、欧米人は黄赤色のフェオメラニン(亜メラニン)が多くなっています。

そのために欧米人は茶色やブロンド(黄色)の髪となっています。黒髪をブリーチしていくと先にユウメラニンが壊されて赤色からオレンジ色に変化して、さらにブリーチするとユウメラニンがなくなり、フェオメラニンが残ってオレンジ色から黄色に変化していきます。

メラニンはメラノサイトという色素形成細胞によって作られています。年齢を重ねると白髪が増えていくのはメラノサイトの働きが低下して、メラニンの量が減っていくからです。

メラニンが作られなくなるのは加齢だけでなく、親からの遺伝によるメラニンが作られにくい体質、紫外線で毛母細胞がダメージを受けることによるメラノサイトの働きの低下、ストレスによる血行不良でのメラノサイトの働きの低下、食生活の乱れによるメラノサイトの栄養不足などがあげられます。

若いうちから白髪が増える、いわゆる若白髪は、複数の原因によって生じるものだと考えられています。

若白髪でなければ、白髪が目立ってきたときに生活改善をすれば、白髪の進行を遅らせることができるようになると一般には考えられていますが、もう一つの白髪の原因が明らかになってきました。それは活性酸素の発生です。

活性酸素は、通常の酸素のプラスとマイナスの電子のバランスが崩れた酸素で、酸化物質に触れることで多く発生するようになります。活性酸素を発生させるものとしてパーマ剤やカラー剤(白髪染め)などもあげられています。

白髪染めはアルカリ剤が毛髪の表面のキューティクルを開いて染料を毛髪の中に浸透させ、続いて酸化剤がメラニンを分解して、染料を毛髪の内側に定着させます。そのために酸化させるための薬剤が必要となっているのです。

活性酸素の一つの過酸化水素が発生するとメラニンの材料であるチロシンが酸化して、メラノサイトがメラニンを作りにくくなって白髪が増えるようになります。

白髪染めを使えば、少なからず過酸化酸素が発生して、白髪になるのかというと、必ずしもそうではありません。過酸化酸素が発生して白髪につながるのは、毛母細胞がダメージを受けるからです。

白髪染めは毛穴から出ている白髪を根本から染めたいと考えて、しっかりと着色する人がいます。その気持ちはわからないではないのですが、頭皮まで染まってしまうような染め方をすると、毛母細胞の酸化を進めてしまうことになります。

そうはいっても市販の毛染め剤を使って家庭で染めた場合には、家族などに染めてもらったとしても毛髪だけを染めるのはテクニック的に難しいことです。ヘアケアのプロは、白髪染めは美容院で行うことをすすめています。

しかし、料金的な問題もあって、なかなか行けないという人も少なくないはずです。過酸化酸素は揮発させて消去させることができるのですが、市販のカラー剤には揮発成分を使うことが許可されていません。それに対して、美容院で使われるプロ用のカラー剤には揮発成分によって過酸化水素を空中に飛ばすことが許可されています。

白髪染めを使うと白髪が増えると感じている人は、美容院での白髪染めを考えてもよいかもしれません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕