骨粗鬆症を予防するためには、骨密度上昇期の思春期と、更年期以降・高齢期の骨密度減少期の対策が重要です。
中でも大切となる食事の注意点は、次のとおりです。
①カルシウムを充分に摂る
骨粗鬆症を予防するためには充分なカルシウムの摂取が必要です。カルシウムは日本人に最も不足している栄養素です。カルシウムの1日の必要量は600mgですが、骨密度が増加する成長期には700~900mg、骨密度が減少していく更年期以降にも800mg以上を摂るようにします。牛乳のほかカルシウムを多く含む大豆製品や緑黄色野菜、骨ごと食べられる小魚も食べるようにします。
②ビタミンDを摂る
カルシウムの吸収をよくするために、ビタミンDを摂ることも大切です。ビタミンDは紫外線を浴びても作られますが、外出が少ない人などは積極的に食べ物からビタミンDを摂る必要があります。
また、ビタミンDを合成する力は高齢者では弱くなり、カルシウムの吸収率が低下しているので、食べ物からのビタミンDが欠かせません。ビタミンDは、しいたけのほか、さけ、うなぎ、さんま、さばなどの魚類に多く含まれています。
③ビタミンKも摂る
ビタミンKには、骨形成を盛んにする働きがあります。ビタミンKは納豆に非常に多く、ほうれんそう、小松菜、ブロッコリーなどの野菜類にも含まれています。ビタミンKは腸内細菌によって発酵することで吸収されやすいビタミンK₂に変化しますが、納豆は含有量が多いだけでなく、発酵によってビタミンK₂になっているため、優位な食品といえます。
④リンの摂取を減らす
リンの過剰摂取はカルシウムの骨への蓄積を妨げます。血液中ではカルシウムとリンは一定の割合で存在していますが、リンを多く摂取して血液中に多くなると、バランスをとるために骨のカルシウムを溶かし出します。そのため、リンの過剰摂取が続くと、骨密度が低下していくことになります。
リンは加工食品、インスタント食品、清涼飲料水などにリン酸化合物の食品添加物として含まれています。
⑤ナトリウムの摂取も減らす
塩分(ナトリウム)はカルシウムの吸収を妨げます。塩分の摂取は、できるだけ控えるようにします。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕