最新情報

発達栄養119 咀嚼が影響する触覚過敏

咀嚼は、すべての歯を使って、しっかりと噛んで、飲み込みやすい状態にすることを指しています。前歯(門歯)で粗く噛んで、奥歯(臼歯)で充分にすり潰すことが大切です。犬歯は牙のような形状の歯で、これは肉や魚を噛みちぎる役目となっています。 噛むことによって顔の筋肉が刺激され、噛んだときの唾液やホルモンなどが多く分泌されるようになるのですが、その噛む刺激を強く感じて、噛むことが苦痛になることもありま


健康デザイン20 全員が同じ身体機能ではない

健康づくりは、それぞれ個人の状態に合わせた方法で実施するのがよいことは言うまでもないことで、これは“個別対応”と呼ばれています。個別対応というと、病院の栄養管理(一般的には病院給食)でよく使われていて、個人の疾患に合わせた食事療法として禁止もしくは減らす食品、増やす食品が決められ、これを献立にして料理がつくられます。 見た目は同じであっても、使われている食材や調味料が違い、切り方や加熱時間な


発達障害支援25 コロナ禍の発達の影響

コロナ禍が就学児の学力などに影響を与えたことに関する研究は、厚生労働省や文部科学省から民間の研究機関にいたるまで数多く実施されてきましたが、乳幼児の発達に関する調査は、ほとんど行われていません。 そこで京都大学、筑波大学、慶應義塾大学、東京財団が共同研究として首都圏の自治体の全認可保育所に通う乳幼児の調査を行いました。これは1歳または3歳の乳幼児887名を対象としてコロナ禍前に実施された調査


サプリ概論271 緑茶は抗酸化機能が高いだけに酸化する

活性酸素を消去する抗酸化成分は、色鮮やかな食品に多く含まれています。抗酸化成分の多くは色素で、紫外線を多く浴びる植物は紫外線によって発生する活性酸素によって細胞が破壊されないように抗酸化成分を作り出しています。 活性酸素によって細胞が破壊されることで特に影響が出るのは血管で、活性酸素が多く発生するほど血管が傷つきやすくなります。また、活性酸素は悪玉コレステロールとも呼ばれるLDL(低比重リポ


Age free岡山36 歩行距離より歩行速度に注目

歩くことは健康維持の基本的な行動で、自由に歩くことができるだけの筋力と持久力を維持するためには歩くことが必要になります。「歩かなければ歩けなくなり、走らなければ走れなくなる」と健康づくりの機会に言われることがありますが、自分の足で歩き、自由に行動することによって、身体機能だけでなく、脳の認知機能の維持にもつながります。 歩くことというと、長く歩くことが健康のバロメーターとされてきた時代があり


健康食品 敵か味方か55 健康素材の組み合わせ

健康によい働きをする素材を組み合わせて使えば、高い効果が得られるというのは多くの人が期待することです。健康食品の多くは、目的があって、それに合わせて複数の素材を組みわせて、目的に近づけることを目指しています。 血糖値の急上昇を抑えることを目的にするなら、身体で起こっている働きを知って、それに合わせた機能がある成分が含まれている素材を選択しています。糖質は胃で消化されてブドウ糖に分解されて、小


Medical Diet192 朝食を食べていない子どもの実態

健康づくりの基本は食べることであり、朝食こそが重要ということはメディカルダイエットの研究でも講習でも特に力を入れて訴えていることです。朝食の摂取の状況については、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」が重要な調査データとされてきましたが、コロナ禍の影響で2年間も調査が行われず、次の発表は早くても令和5年末になると見られています。 本来であれば、コロナ禍が栄養摂取に与えた影響について最も知りたいこ


噛む噛むeverybody24 オーラルフレイルの理解と対応

フレイルは高齢者の身体機能の低下を指す用語で、日本語では虚弱とも訳されています。運動不足から筋力が低下し、活動量が減るために食事量が減り、たんぱく質の摂取量が減ります。そのために筋肉量が減りやすくなるといった悪循環にもつながります。 食事量が減る原因は活動量の減少だけでなく、口腔機能の低下などの歯科分野の影響も考えられます。口腔機能の低下によるフレイルは、特別にオーラルフレイルと呼ばれていま


身体年齢44 筋肉強化のための休養

筋肉は強い負荷がかかる運動をするほど太くなっていきます。筋肉は筋繊維と呼ばれる筋肉細胞が束になった状態になっていて、筋肉が太くなるということは、それぞれの筋繊維が太くなっていくということです。 筋繊維の本数は生まれたときから変わりがなくて、筋肉が太くなっていくときに筋繊維の数が増えるわけではなく、筋肉が細くなっていくときに筋繊維の数が減るわけでもありません。 ということは、筋肉を太くす


あくまでも噂話128「健康は金で買えない」

今回のテーマの「健康は金で買えない」は、一般に言われているのは「いくら金を出しても健康になれない」「金よりも大切なことがある」といった意味で使われています。それは、ある意味では当たっているのですが、誤解がないように“基本的には”という言葉が付けられるようになっています。 「基本的には健康は金で買えない」ということになり、金があれば心身に無理をかけるようなこともしないで済むし、治療にも予防にも