発達栄養125 混ぜるな!危険

「混ぜるな!危険」というと、洗剤を混ぜて使うと有毒ガスが発生する危険を知らせる表示で、実際に混ぜてはいけないのは塩素ガスを発生させる酸性の洗剤と塩素系の洗剤の組み合わせです。

今回の「混ぜるな!危険」は、発達栄養というテーマでのことなので、子どもの発達に必要な栄養摂取について語っています。通常の食品は混ぜたら危険になるようなことはなくて、あえてあげるなら発がん性が指摘されるニトロソアミンを体内で合成させる要因となるアミンと硝酸の同時摂取くらいです。

アミンは動物性食品に含まれていて、中でも魚の干物に多く含まれています。硝酸は野菜に含まれる成分で、化学肥料を多く使うと野菜に多く残るようになります。特に多く含まれるのは緑の葉野菜です。

一緒に摂取することで合成されるので、別の機会に離して食べることがすすめられるのですが、メニューを自分で選べない子どもの場合には保護者の知識と選択が大切になってきます。

子どもの味覚は、甘いものから多くの種類の食品を食べていくうちに徐々に酸味、苦味、渋味、辛味がわかるようになり、それぞれの味が組み合わされた複雑な味も感じ取るようになっていきます。

初めは単品の食品の味をわかるようにして、だんだんと混ざった味がわかるようにしていくのが一般的ですが、発達障害児では混ざった味が受けつけられないことがあります。どの味が苦手だということではなくて、単品では食べられる食品であっても混ざると食べられない、食欲がわかないということです。

これは食品が混ざって、危険を感じさせるということではなくて、それぞれの味を判別して楽しみたいのに、味覚、嗅覚、触覚の限界を超えた刺激となって押し寄せると、食べること自体に拒否反応が起こるようになります。

いろいろな食品を混ぜることで多くの種類の栄養素が摂れるようにしてあげることを否定するわけではありませんが、味や食感などが混ざることで不安を感じることは発達障害に限らず成長過程では起こることなので、それを理解して調理を考える必要があるのです。