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脳の健康寿命8 物忘れと認知症の違い
老化による物忘れと認知症では、同じ忘れたという状態であっても、各状態が大きく異なっています。この状態の違いを知ることで、認知症であるのか、それとも単なる老化による物忘れなのかを確認することができます。 まず原因から見ていくと、老化による物忘れでは「脳の整理的な老化」であるのに対して、認知症では「脳の神経細胞の変性や脱落」が起こります。物忘れの状態にも違いがあって、老化による物忘れでは「体験したこ
サプリ概論99 ミネラルの摂取量9
鉄は赤血球のヘモグロビンに多くあり、酸素を結合して全身に酸素を運ぶ作用があります。鉄には肉や野菜に含まれるヘム鉄と、野菜などに含まれる非ヘム鉄があり、ヘム鉄は非ヘム鉄よりも吸収率が高くなっています。不足すると鉄欠乏性貧血が起こりやすくなります。 1日の目安量と許容上限量については「日本人の食事摂取基準」(2020年版)に掲載されています。鉄の男性の推奨量は年齢によって異なります。 〔男性:鉄推
学習支援1 学習障害の実態
発達障害は、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)の3つに大きく分類されています。この3つは三大発達障害とも呼ばれていて、このほかにトゥレット症候群、チック障害、吃音(症)なども発達障害に含まれます。 発達障害は、生まれつき脳の発達が通常と違っているために、身体や学習、言語、行動において幼児のうちから症状が現れ、通常の育児ではうまくいかない状態を指し
ポストコロナ「五十歩五十一歩」3
個人的にウォーキングの機会を増やすことを前回は伝えましたが、コロナ禍で大きく低下した地域の健康度を高めるためには、地域での活動も大切になります。地域の健康づくりは自治体の責務ではあっても、「五十歩」の目標が掲げられたら、もう一歩増やすという意識の高まりがないことには、掛け声倒れで終わることにもなりかねません。 ここでは諺(ことわざ)の「五十歩百歩」をもじった「五十歩五十一歩」をテーマとしています
血糖値の変化に一喜一憂していてよいのか
血糖は血液中のブドウ糖のことで、血糖値はブドウ糖の量を示しています。血糖値が高いというのはブドウ糖の量が基準値より多いことになりますが、ブドウ糖は食品の糖質(ご飯、パン、麺類、砂糖などの糖分)に含まれています。だから、糖質の摂取量を減らせば血糖値が下がるのは当然のことです。糖質制限をすれば血糖値が下がるというのも当然のことです。 では、糖質制限で糖尿病が治るというのも事実なのかというと、そこには
記念日11月16日〜22日
広く健康に関わる記念日について紹介します。 11月16日 ビール酒造組合が、いい(11)ビール(16)の語呂合わせで「いいビール飲みの日」と制定。麦とろ童子(静岡県熱海市)が、いい(11)い(1)も(6に似ている)の語呂合わせで「自然薯の日」と制定。毎月16日は「十六茶の日」(アサヒ飲料)、「トロの日」(カッパ・クリエイト)。 11月17日 国際肺癌学会がアメリカで11月第3週がタバコ警告週間
健康ウォーキング49 元気よく腕を振って歩けば代謝が高まるわけではない
健康のために元気にウォーキングという話をすると、肘を曲げ、大きく上下に動かして、膝も持ち上げるように歩くというスタイルの人が出てきます。その姿勢だと、元気に歩くというイメージと合っているかもしれません。また、テレビコマーシャルで目にするグルコサミンを摂って元気に歩いている姿と合致しているので、その歩き方を目指そうとする人も少なくありません。しかし、そのような歩き方をしていると疲れやすく、長い時間の
発達栄養学201 家庭、技術・家庭教科での食に関する指導・中学校8
文部科学省の「食に関する指導の手引」では教科ごとの食に関する指導を各論として掲載しています。ここでは家庭、技術・家庭の中学校の食に関連する内容を前回に続いて紹介します。 (ウ)実践事例 ①題材名 「地域の食材を用いた和食を作ろう」 ②題材の目標 地域の食材を用いた和食の調理を通して、地域の食材のよさや食文化について理解し、それらを用いた和食の調理ができるようにする。 ③食育の視点 *
ポストコロナ「五十歩五十一歩」2
「五十歩百歩」をもじった「五十歩五十一歩」は、コロナ禍からの回復を目指したテーマにしてほしくて、わざわざ一歩違いの五十一歩を比較対象として出しました。経済的な回復を目指すとしたら、たった一歩の前進では意味がないという印象を抱くのは誰しも同じことでしょうが、これが健康づくりの取り組みの場合には、今日の目標の50歩を達したところで止めるのではなくて、まだ体力や気力に余裕のあるときには、もう1歩、もう1
発達障害者支援の基本理念
発達障害者の支援は、発達障害がある人への直接的な支援だけでなく、その人が発達障害者として生きにくい状況を作り出している社会的障壁を取り除くことも同時に行わなければなりません。そのことについては発達障害者支援法の第二条の二に「基本理念」として示されています。 その条文の初めには、「発達障害者の支援は、全ての発達障害者が社会参加の機会が確保されること及びどこで誰と生活するかについての選択の機会が確保